リニア開業、2027年に延期　〜高速千円の犠牲〜

リニア中央新幹線については、「法律にもとづく新幹線計画としてみとめるかどうか」ってことを国土交通省の交通政策審議会で審議しとる最中で、みなみアルプスルート（Ｃルート）にするか伊那谷ルート（Ｂルート）にするかという問題も決着しとらん状態だけど、自己資金での建設をめざすＪＲ東海は、4月 28日、品川−名古屋間の開業時期を 2年延期して、2027年にしちゃうと発表した。

ＪＲ東海、リニア開業 2027年に延期発表　〜新幹線の収入減で〜

リニア中央新幹線想定ルート

ＪＲ東海は 4月 28日、品川*1−名古屋間で建設準備をすすめとるリニア中央新幹線の開業時期を従来計画の 2025年から 2027年に延期すると発表した。景気低迷で東海道新幹線の収入がへったためで、新幹線だのみの収益構造があらためてうきぼりになった。収益源の多様化にむけ、ＪＲ東海は海外市場の開拓にちからをいれる方針で、4月 29日からは葛西敬之会長がアメリカを訪問し、新幹線やリニアのうりこみに本格的にのりだす。

「合理的な前提条件に修正した」。山田佳臣社長は 4月28日、名古屋市内の記者会見でリニア開業延期についてこう説明した。

2007年 12月に発表した 2025年の開業目標は、2007年度の予想鉄道収入 1兆 1,730億円の水準維持が前提だった。ところが 2008年あき以降の急激な景気悪化で、状況は一変。営業利益の 9わり以上をかせぐ東海道新幹線の旅客需要がのびず、2009年度の新幹線収入は前年度比 8％減と、1987年の民営化以来最大のおちこみとなった。

このためまいとしの鉄道収入みこみを 2006年度から 2010年度の平均値 1兆 1,260億円と、従来みこみより 4％へらしてリニア建設にかかる年数を再計算。5兆円超の総事業費を単独でまかないながら開業にこぎつけられる時期を 2027年とした。

あわせて品川−大阪間の開業目標を 2045年とすることも発表。2014年度の着工をめざす。

一方で、海外市場の開拓にむけてはアクセルをふみこむ。

ＪＲ東海はアメリカの「ワシントンＤＣ−ボルティモア間を第1目標」（葛西会長）にリニアを海外輸出する方針だ。にほんでの開業延期で、競合する海外の鉄道事業者から「にほんのリニアは計画がおくれぎみ」と指摘される事態もありえるけど、山田社長は「（延期の）えいきょうはまったくない」と強調した。

葛西会長は、約とおか間のアメリカ訪問日程の前半は前原誠司国土交通大臣に同行し、ラフードアメリカ運輸長官らと会談する。後半は、ＪＲ東海に協力するアメリカのコンサルタント会社が推薦する、鉄道業界にかおがきく有力経済人らとあうもようだ。

背景にあるのが世界の鉄道需要の拡大だ。ヨーロッパ鉄道産業連盟（ＵＮＩＦＥ）によると、車両や運行管理システム、電気設備など鉄道関連産業の世界市場は年 16兆円をこえ、2016年までは年率 2％から 2.5％ていどで成長するとみとる。

国内の新幹線だのみを脱却し、海外事業をあらたな収益源にそだてられるか。リニアの開業延期と海外トップセールスは、成長にむけたふたつのハードルをうきあがらせる。

ＪＲ東海、リニア開業27年に延期発表　新幹線の収入減で｜日本経済新聞｜2010/4/28 21:41

うえの記事だと「新幹線だのみからの脱却」と「海外進出の成功」がＪＲ東海の課題だとかいてあるけど、ほじゃないな。

なんで鉄道の収入がこんなにへっちゃったか、なんで新幹線の収入がこんなにへっちゃったか、ってかんがえにゃいかん。いや、だれがへらしちゃったか、っていったほうが適切かもしれん。国策のまずさをいいたいだ。世界的な景気の悪化はしょうがない。だけど、高速千円政策はあきらかに鉄道事業者の体力をうばっとる。国策で体力をそがれちゃっとるのに、海外進出もへったくれもないもんだ。

千円で高速道路のりほうだいってどういうことさ。巨額を投じてつくった高速道路をだ。ほとんどただと同然じゃんか。そんならそれで、リニアのほうも品川−名古屋間の建設費 5兆 1千億円、くにがだしちゃどうだ。これでおなじ条件だとおもうけど。鉄道ずきだでこんなことをいっとるわけじゃない。大量高速輸送機関である鉄道をまっと有効につかおまい！ってことがいいたいだ。

（さんこう）

*1:原文は品川じゃなくて東京になっとった。以下、おなじ。