2010年 10月 31日、フジドリームエアラインズ名古屋−福岡線就航！

JALの 9路線が定期便のすべてだった名古屋空港。JALの全面撤退で存続の危機にたたされただけど、フジドリームエアラインズが福岡線をひきつぐかたちで就航することになり、きのう 2010年 10月 31日、運航初日をむかえた。

名古屋空港から福岡いきの飛行機にのりこむ乗客ら（よみうり）

これでひとまずほっとひといきってとこだけど、愛知県や小牧市、春日井市、豊山町（とよやまちょう）などの名古屋空港周辺の自治体が無条件でこれを歓迎しとる一方で、名古屋空港とセントレアとのやくわり分担が明確になっとらんことについての、財界や中部国際空港会社の不満をひきずったままの運航初日だったようだ。

地域航空会社フジドリームエアラインズ（FDA）の内山拓郎副社長が 2010年 7月 22日、JAL 撤退后の愛知県営名古屋空港で福岡線をひきつぐことをじもとの 2市 1町をおとずれて直接説明。
各自治体のトップからは「いよいよ具体化してきた」とよろこぶこえ。
中野直輝小牧市長は、内山拓郎副社長が「1日 4、5便」と具体的な数字をしめし、来春をめどに「路線拡充」の方針もしめしたことを歓迎し「今後の活躍を期待しとる」とつたえる。
鈴木幸育豊山町長も「実際にかおをあわせ、路線存続が現実的になってきたと実感した」とえみをみせ、伊藤太春日井市長は「名古屋空港の立地や利便性、市場のおおきさを評価してもらった」とてごたえをかたる。

これにたいし、複雑な反応をしめしたのはじもと財界。
名古屋空港協議会の会長もつとめる名古屋商工会議所の岡田邦彦会頭は「従来のわくぐみのなかで就航路線を維持するものであかるいはなし」とまえむきなうけとめかただけど、もうひとつの財界団体である中部経済連合会の川口文夫会長は「企業の経営判断であり、経済界としてもうしあげることはない」とそっけない。
川口文夫会長はさらに「関係者のあいだでしっかりと議論、整理されんまま発表にいたっており、定期便一元化の前提がなしくずしになるのを危ぐする」とけねん。
セントレアの中部国際空港会社も「議論がないままの就航表明にとまどいを感じており、既成事実がつみかさねられることを憂慮する」と愛知県の対応を批判。中部圏全体の航空ネットワークを充実させる観点から、2空港の路線のやくわり分担に関する議論と認識の共有を求める。

フジドリームエアラインズは 2010年 7月に福岡線の就航を表明し、2010年 10月に名古屋空港内に支店を開設。
1階にはこの会社の搭乗てつづきカウンターがもうけられ、2010年 10月 28日にはデモフライトを利用して予約から搭乗、到着までのひととおりのリハーサルをおこなうなど、就航にむけた入念な準備。
一方、これまで JALが運航してきた福岡線と帯広、山形、長崎の 3路線は 2010年 10月 30日で運休に。
来年 2011年 3月末までにのこりの秋田、新潟、高知、松山、熊本の 5路線からも撤退する方針で、帯広線をよく利用してきた小牧市の会社員男性 36才は「空港がさびれてしまわんか心配」と懸念。

フジドリームエアラインズの名古屋−福岡線が 2010年 10月 31日、愛知県営名古屋空港からはつ飛行し、1日 5便のうち 4便がほぼ満席となる好スタートをきる。
名古屋空港内でおこなわれた記念式典では内山拓郎副社長が「静岡空港につぐ本拠地とし、じっくりこしをおちつけて路線を拡充していきたい」とあいさつ。
神田真秋知事も「まず路線をねづかせることがたいせつ。長期的な視点から運航をつづけてほしい」とエールをおくり、関係者らがテープカットして就航をいわう。

フジドリームエアラインズの福岡線が就航しても、来年 2011年 4月からはこの 1路線だけになっちゃうじゃんかとか、名古屋空港とセントレアの関係をどうするだとかいう問題はあるけど、まずはこんかいの就航をよろこびたい。

（ねたもと）

（さんこう）