志布志と日南線

地名をきいてほれが地図上のどこに位置するのかあたまのなかでわからんと、なんだかもどかしい。みぢかなひとに志布志(しぶし)にいくってひとがあっただけど、鹿児島県大隅半島おおすみはんとう)がわにあるだらあぐらいにしかわからんかった。鉄道も、まあとおっとらんじゃないかっておもった。

たしかめてみた。ばしょは大隅半島をそとがわからえぐる志布志湾のおくに位置する。鉄道はとなりの宮崎県の県都、宮崎につながる日南線(にちなんせん)っていう線がのこっとった。

志布志駅と日南線の地図(あきひこ)
△ 志布志駅と日南線の地図(あきひこ)

日南線はもちろん単線非電化で、志布志から宮崎まで91.5キロ。志布志からでる列車は1日にたった10本で、ほれも宮崎までいけるのはほのうちの7本しかない。のこりの3本は、日南市のひとつの中心である油津(あぶらつ)どまりだ。さんこうまでにいうと、日南市のまあひとつの中心は飫肥杉(おびすぎ)で有名な飫肥だ。ふたつのえきのまんなかに市のなまえをかぶせた日南っていうえきがあって、市役所もこのえきのちかくにあるだけど、市を代表するえきにはなってないらしい。

また、日南線は時間もかかる。志布志から宮崎まででるのに2時間半もかかる。志布志の属する鹿児島県県都、鹿児島までいかあとおもったら、ほっからまた日豊線で123.3キロをいかにゃいかん。

こんな日南線の利用状況がかんばしいはずもなく、線内でいちばん利用者のおおい飫肥でやっと1日383人だっていう。3,830人のまちがいじゃなくて、383人だ。名鉄西尾線のふつう停車駅であるわが碧海古井(へっかいふるい)よりもすくないぞ。こんな日南線であるのに特急がはしっとるのにはおどろきだ。車両内外に飫肥杉をふんだんにつかった「海幸山幸」っていう特急で、休日に宮崎と南郷(なんごう)とのあいだを1往復する。志布志に恩恵はない。この2014年10月とおかで運行開始5年をむかえただけど、けっこうな人気らしい。あかるい話題はこれぐらいだ。

さて、志布志から県都、鹿児島にいくにはどうせやあいいか。地図をみると西北方向十数キロのとこに曽於弥五郎インターチェンジ(そおやごろういんたーちぇんじ)ってのがみえる。東九州自動車道の現在の終点で、これをつかってのバス連絡が志布志から鹿児島への交通手段となる。九州はここにかぎらず高速道路王国なだ。さらに東九州自動車道は曽於弥五郎インターチェンジから志布志にきて、ほっから日南線にそうかたちで宮崎につながる予定になっとる。宮崎から大分方面もまあはい完成しとる。

むかし志布志からでとる線として、日南線のほかに、都城(みやこのじょう)にむかう志布志線っていう線と、鹿屋(かのや)をとおって大隅半島のうちがわをまわって国分(こくぶ)にいたる大隅線っていう線のふたつがあった。クルマ社会の進展により廃線になったとおもうだけど、東九州自動車道全線開業のあかつきには、日南線もまた志布志線や大隅線とおんなじ運命をたどるのか。


(さんこう)