読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

鉄道時計

まえに東海道線の電車にのったとき、運転席の計器盤のまんなかにちいさなはり式の時計がうめこんであるのをみた。運転士さんもこの時計で時間をたしかめて、しゅっぱつ進行!とかやっとった。いや~、かっこよかったね。うん、デジタルの時代になっても、こんなはり式の時計つかっとるだ!ともおもった。

ところでこんかい、鉄道時計ってのがあることをしった。まえにみたのもきっとこれだっただよな。

セイコー鉄道時計SVBR003
セイコー鉄道時計SVBR003

「1978年にはじめてクオーツムーブメントを搭載したモデルの後継機である。デザインなどは従来におんなじ。しかしケース素材がステンレスに変更され、実用性をました。なおケースのサイズやあつみなどは、1929年のモデルからほとんどかわってない。現行品の耐磁性能は1万6千A/m。クオーツ。電池寿命10年。SS(たて50.1×よこ50.4mm、あつさ13.4mm)。2万8千円(税別)」


(さんこう)

  • にほんのインフラをかげでささえてきた - セイコー鉄道時計 - 時計のセカイ - 朝日新聞デジタル&M(広田雅将さん)|2015年8月20日
    • 歴史に「もし」はないけど、ひとつ仮定をしてみたい。もしにほんの鉄道がこれほど厳格に定時運行をまもらんかったならば、にほんの時計メーカーは正確さを追求しただらあか、っていうことだ。もちろんスイスやドイツ、アメリカの時計メーカーもくるいにくい時計をつくるべく努力をかたむけた。しかし海外とにほんでは状況がことななる。鉄道が正確に運行されとったにほんでは、ふつうのひとびとが、あたりまえのように時計に正確さをもとめただ。かつて、著名な時計設計者はこうかたった。
      「わたしたちがクオーツをつくった理由はかんたんです。時間のくるいやすい機械式時計だと、もちぬしが電車にのりおくれるだらあ」
    • にほんの鉄道に正確さをもたらしたのは、かつては中央で管理する時刻表示システムと、鉄道員たちが携帯する、通称「鉄道時計」だった。とりわけ、げんばの担当者がみにつける高精度な鉄道時計が定時運行のおおきなかぎとなった。
      1929年発表のセイコーの懐中時計
      △ 1929年発表のセイコーの懐中時計
    • にほんの鉄道網におどろくべき正確さをあたえてきた鉄道時計。さまざまなメーカーがいろいろなモデルを製造したけど、もっとも著名なのは、セイコーの懐中時計だらあ。発表は1929年。現在も、ほぼおんなじみためで生産されるロングセラーだ。そもそもこの鉄道時計に名声をもたらしたのが、1971年まで搭載された、機械式の「19がた」ムーブメントである。当初からすぐれた精度をもっとったけど、数度の改良をへて、いっそうすぐれた精度をもつようになった。誤解をおそれずにいうと、セイコーの鉄道時計がなきゃ、1969年の「クオーツ革命」はおこらんかったかもしれん。
    • 1970年代にはいって、セイコーは、時代おくれになりつつあった機械式ムーブメントを、高精度なクオーツにかええとかんがえた。しかし容易なことではなかった。クオーツは機械式よりはるかに正確で、ショックにもつよい。反面、はりをいごかすちからが、機械式時計の半分から3分の1しかない。ほのため懐中時計が採用するような、ふとくてながいはりをまわすのはむずかしかっただ。
    • ほこでセイコーは、1978年、クオーツなのにちからがつよい75系クオーツを開発した。採用したのは、電流をふやして、モーターのトルクをたかめる手法だった。いまとなっては「禁じて」だけど、当時、ふとくてながいはりをまわすには、これ以外の方法はなかっただらあ。くわえて、電車の運転席でつかっても、電磁波のえいきょうをうけんようにするにするため、75系クォーツは、3000A/mをこえる当時としてはたかい耐磁性能をそなえとった。クオーツらしからぬ性能をそなえた75系。同時にダイバーズウオッチにも転用され、セイコーのダイバーズウオッチに世界的な名声をあたえた。
    • この75系は、のち、1986年以降に耐磁性能をさらに強化した7Cクオーツにおきかわることになる。つよいトルクと耐磁性っていうとくちょうはほのままに、1998年からは寿命のながいリチウム電池をのせて、実用性をました。余談になるけど、グランドセイコーが搭載する9F系クオーツの設計思想は、7Cとおんなじである。ふといはりをいごかせるクオーツっていうねらいは、やがてグランドセイコーにも、ふといはりをあたえることになる。閑話休題。筆者がおもうに、7Cをのせた1998年以降のモデルが、セイコー鉄道時計の完成形だらあ。秒針がややみじかいのはしかたないけど、これほどおおきなはりをもつクオーツウオッチは、セイコーの鉄道時計以外存在せん。
    • 電波時計が普及した現在、セイコーの鉄道時計に、どれほどの需要があるかはうたがわしい。しかし80年にわたっていきのこってきた時計だ。みやすさやつかいやすさ、ほんで安定した精度は、なるほどいまもってずばぬけとる。にほんのインフラをかげでささえてきた、セイコーの鉄道時計。これほど信頼にたる時計は、世界をみわたしても、ほんなにない。
  • 2015年10月29日にさつえいしたJR東海の鉄道時計(東海道線) 〔ついか〕
    • 近代的な計器類のなか、これだけアナログっていう時計がいきだ。
      20151029_123308 JR東海 - 鉄道時計
      〔かくだい〕