福井鉄道とえちぜん鉄道の相互のりいれは2016.3.27から

「2016年1月以降」にずれこんどった福井鉄道えちぜん鉄道の相互のりいれだけど、ついに2016年3月27日から実施されることがきまった。

ちゅうにちのきじから

  • 福井鉄道えちぜん鉄道は2016年1月21日、相互乗り入れを2016年3月27日から始めると明らかにした。福井市田原町駅(たわらまちえき)を結節点に鷲塚針原(わしづかはりばら)-越前武生(えちぜんたけふ)間の26.9キロで低床車両を走らせる。福井、鯖江(さばえ)、越前の3市にまたがり、移動時間が大幅に短縮される。市役所前-福井駅前間の通称ヒゲ線の延伸も同時に開始され、交通利便性が大きく向上しそうだ。
    福井鉄道とえちぜん鉄道の相互のりいれ図 (あきひこ)
    △ 福井鉄道とえちぜん鉄道の相互のりいれ図 (あきひこ)
  • 福井鉄道の村田治夫社長とえちぜん鉄道の豊北景一社長が福井県庁を訪れ、西川一誠知事に報告した。事業者が異なる路面電車と鉄道が互いに乗り入れるのは全国初
  • 相互乗り入れの電車は、ヒゲ線を経由しない「急行」で運行田原町駅で乗り換える必要もなくなるため、越前武生-鷲塚針原間の所要時間は普通電車を乗り継ぐ場合と比較して約60分と20分短くなる福井鉄道の低床車両FUKURAM(ふくらむ)と、えちぜん鉄道が投入する同タイプの車両を中心に運行する。
  • 午前6~9時は、越前武生から学生利用の多い福大前西福井(ふくだいまえにしふくい)までの間で運行。午前9時~午后7時は越前武生-鷲塚針原間を往復する。福井鉄道側でのこの時間帯の運行本数は、相互乗り入れが1時間当たり上下線計2本、相互乗り入れ以外が同6本となる。
  • 沿線には福井大や福井商業高、啓新高の学校のほか、日華化学などの企業もある。村田治夫社長は「(福井市と丹南地区の)異なる交通圏、生活圏の人たちが1本の電車で行き来できるようになる」と話した。豊北景一社長は「利用者増につながる」と期待を込めた。
  • 相互乗り入れは、西川一誠知事が初当選した2003年のマニフェスト政権公約)に盛り込み検討がスタート。13年をかけて実現する。事業費は福井県、国、福井市で計26億円。両鉄道の新しいダイヤや料金は2016年2月中旬に公表される予定。開始の約1週間前から試験運行を行う。
  • 「ヒゲ線」も同日延伸
    福井鉄道福武線の市役所前-福井駅前間、通称ヒゲ線のJR福井駅西口広場への延伸も2016年3月27日に決まった。福井市バス事業者によると、同広場で整備中の「福井駅西口バスターミナル」も同時に開業する見通し。各交通機関が「一つ屋根の下」に集約され市民や観光客の利便性が一気に向上する。
    福井鉄道ひげ線延伸図(ちゅうにち)
  • 福井鉄道はヒゲ線を現在の福井駅前電停を西口広場に移設する形で、143メートル延長させる。バスターミナルには京福バス福井鉄道のバス、コミュニティバス「すまいる」の計53路線が乗り入れる。
  • 2016年1月21日に開かれた活性化連携協議会で、福井鉄道の村田治夫社長はヒゲ線延伸について報告し「福井駅への乗り入れは南越線からかぞえて創業100年来の悲願だった。お客さまの利便性は一気に高まる」と力を込めた。1時間上下計6本だった運行は4本となるが「市役所前駅の発着本数は増えるので、ダイヤを調整することで利便性は向上する」と説明した。
  • えちぜん鉄道の豊北景一社長も「2016年4月にはハピリンがオープンする。にぎわい創出へ大きな効果を期待する」と話した。
  • 西口広場整備は2014年8月に着工。広場を3倍近い1万1千平方メートルにまで広げた。バス乗降場を覆う円形の屋根は完成し、ヒゲ線の引き込み作業も終了。タクシーの乗降場は昨年2015年6月から稼働しており、市駅周辺整備課によると、現在の工事進捗率は8割で順調という。

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相互のりいれの運行本数は1時間に1本、あさの時間帯は田原町からわずかひとえきの福大前西福井までののりいれにすぎんとはいえ、三大都市圏からはなれた北陸の地でこういうことが実現したことをよろこびたい。


(さんこう)