関線

犬山線ってふしぎだ。名古屋を起点に枇杷島分岐点名古屋本線とわかれて北上して、岩倉、江南(こうなん)、犬山を経由して木曽川をむこうにわたった新鵜沼(しんうぬま)までの30.1キロが犬山線なだ。小牧線広見線(ひろみせん)が分岐する犬山までの28.2キロが犬山線じゃないだ。終点の新鵜沼では、ほのまま各務原線と直列につながって、にしにむきをかえて岐阜までいく。新鵜沼で分岐する線があるわけじゃない。ほんなら犬山から岐阜までが各務原線でいいじゃないか。

きのう、『犬山線のふうけい - 2017年7月19日』をかくにあたって、犬山線の歴史をしらべとって、わかった。枇杷島(びわじま)から犬山まで線ができたのが1912年のこと。ほのつぎだ。1926年になって新鵜沼までのびるだけど「関線として」ってかいてあるじゃんか。関線って、ひょっとして新鵜沼から北上して関につなぐ計画があったじゃないか。

しらべた。おもったとおり、犬山から新鵜沼をとおって関までいく線が関線だった。ただ、犬山-新鵜沼間1.9キロの完成と同時にこの区間犬山線に編入されちゃって、のこる新鵜沼-関間12.1キロは未成線におわった。ちなみに、各務原線新鵜沼までつながるのは、犬山線新鵜沼までつながった1926年の1年あとの1927年のこと。こいで、盲腸線状態も解消された。

関線の路線図(あきひこ) 890-730
△ 関線の路線図(あきひこ)

◇            ◇

建設されずじまいにおわったこの関線、まあいっかいつくることにしちゃあどうだ。関や美濃町、郡上八幡っていう長良川流域から名古屋にでるのに便利じゃないか。名鉄美濃町線も廃止されちゃったいま、長良川流域から名古屋にでるっていうと、長良川鉄道美濃太田にでて、高山線東海道線をのりついでいくか、高山線犬山線をのりついでいくかっていう、とっても時間のかかる経路しかない。関からまっすぐみなみにすすんで新鵜沼にいって、ほのまま犬山線にのりいれや名古屋まで1本でいける。

岐阜県としちゃあ、おんなじ岐阜県県都岐阜市につなげんで、となりの愛知県の県都名古屋市につなげるのはけしからん!ってことかもしれんけど、げんに長良川流域と名古屋をむすぶ高速バスがはしっとって、けっこうきゃくがのっとるだて。岐阜県県都岐阜市かもしれんけど、岐阜県をふくむ東海地方の圧倒的人口重心は名古屋にあるだて。しぜんな人口流動にさからっちゃいかん。

ほれと、長良川流域には郡上八幡をはじめ観光地もおおい。名古屋のひとをよびこむためにもいい。たしかに東海北陸道ができて、自家用車ではべんりにいけるようにはなっとるだけど、やっぱり公共交通機関でいけるようにするのがのぞましい。

免許失効から90年。まあいっかい関線の布設をかんがえよまい!


(さんこう)