さきおとついの2019年8月ついたち、兵越峠(ひょうこしとうげ)までいってきた。かたみち140キロの行程は4区間にわかれる。第1区間は一般道で、ふるいのわがやからひがしに岡崎東インターチェンジまで。第2区間は新東名高速道路で、岡崎東インターチェンジからひがしに浜松浜北インターチェンジまで。第3区間は国道152号線で、浜松浜北インターチェンジからきたに水窪(みさくぼ)まで。第4区間はひきつづき国道152号線で、水窪からきたに兵越峠まで。兵越峠は遠江(とおとうみ)と信濃(しなの)のくにざかいにあるとうげで、戦国時代は1572年10月とおかっていうむかしに、甲斐(かい)を発した武田軍がこのとうげをみなみにこえて遠江に侵攻してきたっていう由緒のあるとうげだ。いま水窪からさきは電車もバスもなく、ひとりクルマを運転していってきた。
◇ ◇
第1区間
午前8時、ふるいのわがやをしゅっぱつ。
ひがしにすすんで美矢井橋(みやいばし)で矢作川をわたって、あんじょうしの区域から岡崎市の区域にはいる。上和田交差点から渋滞がはじまる。
渋滞したまま東海道線の羽根ガードをくぐる。ちょうど貨物列車がとおっていく。羽根ガード東交差点で渋滞がおわる。
光ヶ丘女子高校のよこでちょこっと渋滞。光ヶ丘交差点を直進。ここをひだりにまがっていくと東名高速道路の岡崎インターチェンジにいけるだけど、こんかいは新東名高速道路をえらんだため、直進。名古屋本線をくぐるへんでまた渋滞がはじまって、ほたる橋南交差点までつづく。ここで右折して国道1号線にはいるといっきにクルマはすすむ。ひがしにすすんで三河高校入口交差点のとこの陸橋で、これをひだりに高校生がひとりふたりってわたっていくのがみえる。藤川駅から三河高校にいくにちがいないだけど、遅刻したのか。ひがしにすすんで、名古屋本線のみぎがわにうつる。
本宿駅(もとじゅくえき)よりちょっとてまえの本宿町沢渡交差点を左折。岡崎東インターチェンジへの連絡道路をきたにはいる。東名高速道路をこえて、本宿トンネルをくぐっていく。まるで高速道路みたいに沿道から隔絶されたみちだ。
東部工業団地交差点を直進。また、のぼりくだりしたあと、左折して岡崎東インターチェンジにはいっていく。ここで午前9時。けっこう時間がかかった。
第2区間
岡崎東インターチェンジから新東名高速道路をひがしにすすむ。豪華な観光バスになんだいもぬかれながらすすむ。たにをとびこえて、トンネルをつきぬけて、また、たにをとびこえて、トンネルをつきぬけて、すすむ。いったいいくつのたにをとびこえて、いくつのトンネルをくぐったことか。地上の地形とは無関係に高速道路ができとるだ。かたみち2車線の道路はあんまり余裕がない。
長篠設楽原(ながしのしたらがはら)サービスエリアで小休止。午前9時半、さいしゅっぱつ。また、ひがしにすすんで、愛知県から静岡県にはいると地形がひらけて、みちはかたみち3車線にひろがる。いや、はしりやすい。午前10時、浜松浜北インターチェンジをでて、交差する国道152号線をきたにはいる。
第3区間
国道152号線は秋葉街道。浜松を起点に天竜川ぞいにきたに兵越峠までつながるみちだ。まえに、遠州鉄道の終点、北鹿島駅(きたかじまえき)から水窪までバスでいった。
浜松浜北インターチェンジからすぐ、中瀬大平(なかぜおおひら)交差点を直進。
飛竜大橋(ひりゅうおおはし)で天竜川の東岸にわたる。いや、迫力のあるかわだ。飛竜大橋北交差点を左折。
みちのすぐひだりにあった天竜浜名湖鉄道の天竜二俣駅(てんりゅうふたまたえき)によったとこで、ちょうどにしいきの西鹿島いきふつうがでていく。ひなびたふうけいだ。
国道152号線にもどって、双竜橋(そうりゅうばし)で二俣川をわたってすぐに右折。きたにすすむ。水窪まで47キロのかんばん。このあたりはまちなかで、クルマもおおい。
二俣のまちをぬけて、ラジオがはいらんくなる。船明ダム東(ふなぎらだむひがし)交差点から天竜川東岸をいく。すぐひだりに船明ダムのダム湖がひろがる。いくそうものてこぎボートがたのしそうにみなもをいくのがみえる。西鹿島駅いきバスとすれちがい。水窪からみなみにすすんできたバスだ。横山橋(よこやまばし)をわたって、西岸にでる。
秋葉トンネルのてまえで、まえに水窪いきバス。バスはトンネル直前で右折。とおまわりして、天竜川ぞいのむかしからの集落をまわっていくだ。
秋葉トンネルをぬけて、正面に秋葉ダム。西川橋(さいかわばし)をわたって東岸にわたったっておもったら、まんだ西岸。わたったのは天竜川の支流だった。みぎに秋葉ダム。ほっからまたダム湖がはじまる。ところで、かわぞいにいくつかトンネルをくぐっていくだけど、トンネルんなかがくらくてまいるな。改善をのぞむ。
大輪橋(おおわばし)で東岸にわたったとこで、小休止。クルマがおけるようになっとって、トイレがあって、自販機がある。バイクのにいさんも、あせだくになったからだをやすめとる。トイレは、じもとのおじさんおばさんたちがそうじしてくれとる。ありがたいことだ。
大井橋(おおいばし)をひだりにみて、直進。天竜川の支流、水窪川の東岸をすすむ。ひだりに大井橋をわたると、天竜川本流にそって佐久間のまちにつながる。ほんとは新東名高速道路を、浜松浜北インターチェンジよりてまえにある浜松いなさジャンクションで三遠南信自動車(さんえんなんしんじどうしゃどう)にのりついで、佐久間を経由して大井橋まできたかっただけど、天竜川をわたるとこの河川内仮設道路が通行どめのため、こういうふうにおおまわりしてきたわけだ。ちなみに、2019年5月ふつかに三遠南信自動車道をつかって佐久間までいってきただけど、ほのすぐあとに河川内仮設道路が通行どめになったみたいだ。
水窪川ぞいにはいって、かわはずーっとしたになって、かわぞこにいわやいしもみえる。渓谷ぞいのまがりくねったかたみち1車線のみちをすすむ。
また、まちになったとこで、鉄橋をくぐる。どっからあらわれただ!っておもうぐらい、とつぜんにあらわれた鉄橋だ。佐久間からいっきにながーいトンネルをぬけてきた飯田線が、ひだりからここにでてきただ。相月(あいづき)トンネルから2車線になる。水窪川の西岸にでる。みぎ道路わきに城西駅(しろにしえき)。ここをすぎてだんだんまちになってきて、みぎにブーメランばし。水窪川の東岸をはしっとる飯田線が西岸にわたるかなっていうそぶりをみせただけで、また東岸にもどるっていうはしだ。要はたにがせばくて線路をひくとこがどこにもなくて、やむなくかわんなかをはしっとるっていうわけだ。城西駅があんなにみなみのまちはずれにあるのも、ほれが原因だ。
きたにすすんで、水窪橋交差点を左折。国道152号線をはずれて旧道のほうにはいって、午前11時20分、水窪のまちにとうちゃく。想定より20分おくれになった。停車したとこに「塩の道」のかんばんのあるいしだんを発見。しおのみちってのは海岸部から内陸部にしおをはこぶみちってことだっておもうだけど、むかしはこのいしだんをあがっていくみちが秋葉街道だったのか。
旧道に食堂はみあたらんくて、国道152号線にもどって塩の道国盗りっていうみせにはいることにする。まえに電車できたときもひるごはんをたべたとこだ。駐車場にクルマをとめたとこで、水窪川の護岸にすわってかわもをながめとるこどもたちがなんにんかおる。引率するおとなのひとがおって、ちょっとしてクルマなんだいかに分乗してさっていく。こどもかいの行事かなんかだったか。みせのたてもんのまわりにバイクが5台。横浜ナンバーや川崎ナンバーだ。はるばるこんなとこまできたのか。さきにみやげもんやのほうにはいって、ただでもらえるっていうダムカードをもらう。水窪ダムのカードだった。食堂にはいって、とんかつ定食をたべる。バイクのにいさんたちもごはんをたべとる。まあいっかいみやげもんやのほうにはいって、うちへのみやげをかう。
第4区間
12時ちょうど、水窪からきたにむけてさいしゅっぱつ。
みぎしたにかわ。むこうにやま。水窪のまちをぬけて、水窪川からひだりに分岐した翁川(おきながわ)の西岸をきたにすすむ。
水窪からおくもぞんがい人家があることにおどろく。クルマをとめて写真をとっとるとこで、さっきのバイクのにいさんたちがぬいていく。池島橋をわたるへんからいよいよのぼりざかがきつくなる。翁川橋をわたる。なんだかとつぜんにでっかいはしだ。
三遠南信自動車道の工事げんばをとおって、すぐに草木(くさぎ)トンネルっていうでっかいトンネルをくぐる。トンネルをぬけて、翁川から草木川の流域にうつった。このトンネルでひがしに移動しただ。また、草木川ぞいをきたにすすむ。
みちがほっそくなるとこで、「兵越峠、長野県」のかんばん。いよいよだ。
すぎこだちをぬけていく。
みちがひろがったとこで、のぼりざかの正面にやま。
さらにきたにのぼって、みちばたになんぼんかのぼりばたがたっとる。おー、武田軍のはたか!っておもったら、「ライトオン」のはた。いよいよ兵越峠か。ここでクルマが1台ぬいていく。バイクのにいさんたちにぬかれた以外はずーっとわがクルマ1台ではしってきただけど、はじめてほかのクルマをみた。
12時40分、兵越峠にとうちゃく。草木川っていうちいさなたにに左右をまもられるようにしてのぼってきたせいか、あんまりとうげみちをきたーっ!っていう興奮はなかっただけど、最高到達点のへんで信濃のくにがわをみると、すっごいふかいたにだ。信濃のくにがわから兵越峠をあがってきた武田軍は、どんなにたいへんだったことか。2万2千人もの大軍にくわえて、食料供給なんかもある。
ちょこっとくだりざかにはいったとこで、ひきかえす。
遠江のくにがわにはいるとこで、みちのわきに「国境」を発見。いま、おあそびとして、遠江の軍と信濃の軍で「とうげのつなひき」をやって、ほの結果を反映して移動するっていう国境だ。
見学をおえて、きたみちをかえる。
△ ふるいから兵越峠までの行程図(2019年8月ついたち訪問)
(さんこう)
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- 新浜松からのった電車を西鹿島(にしかじま)でおりて、バスにのりかえる。9時47分、しゅっぱつ。
- 定刻より4分おくれの11時27分、終点の水窪町(みさくぼちょう)バス停にとうちゃく。起点の西鹿島駅バス停からここ水窪町バス停まで1時間40分の乗車。こいだけのったのに料金は690円。
- 運転士さんに「ごくろうさまでした」ってこえをかけると、「まんだ会社にはいって1年めで、へたくそな運転ですいませんでした」との返事。たしかに慎重派だなってかんじはしたけど、確実な運転ぶりで安心してバスにのっとれたよ。まあいっかいお礼をいって、水窪のまちあるきにむかった。
(おとずれたひ=2018年1月11日、もくようび、平日)
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- 兵越峠 - Wikipedia
- 兵越峠(ひょうごしとうげ)は静岡県浜松市天竜区と長野県飯田市の間にある標高1,165mの峠である。地図上ではヒョー越と表記されるものもあり、単に兵越(ひょうごえ)と呼ぶこともある。また飯田市南信濃では、兵越峠(ひょうこしとうげ)と濁らずに呼んでいる。名前の由来は武田信玄が西上作戦の折りにこの峠を越えたからといわれている。
- 長野県道369号・静岡県道412号南信濃水窪線及び浜松市道水窪白倉川線(旧兵越林道)がこの峠を通過しており、国道152号の青崩峠部分の車道が未開通のため、その迂回路として利用されている。当初、三遠南信自動車道はこのあたりを通過する予定だったが、付近の地盤が脆弱であることが判明したため、経路から外された。
- 西上作戦 - Wikipedia
- 峠の国盗り綱引き合戦 - Wikipedia