かんのうら −週刊現代−

高知県に 甲浦 (かんのうら)って いう 駅が ある。徳島駅から 太平洋 沿岸を 西南に のびる JR四国 牟岐線 (むぎせん)の 終点、海部 (かいふ)から つながる 阿佐海岸鉄道 阿佐東線 (あさとうせん)の 終点だ。阿佐東線 自体は 起点の 海部から 終点の 甲浦の あいだに 宍喰 (ししくい)って いう 駅が ひとつ ある だけの、たった 8.5キロの みじかい 路線だけど、牟岐線を ふくめて ひとつの 路線と かんがえると、甲浦は 全長 87.8キロの 路線の 終点って ことに なる。ちなみに 甲浦の てまえの 宍喰までは ぜんぶ 徳島 県内で、甲浦 だけが 高知 県内に なる。







121027 週刊現代 09 甲浦駅
121027 週刊現代 09 甲浦駅

(作家 関川夏央氏の 文章から)

江藤新平 (えとう しんぺい)が とらえられた 地

うみに ほどちかい 甲浦駅では、だれも おらん ゆうぐれどきの えきまえを かいぬしと 散歩する いぬが、しあわせそうだった ことが 印象に のこりました。約 140年 まえの 1874年、佐賀の 乱を おこして 逃亡した 江藤新平が、ここで つかまった 不幸にも また おもいを はせるのです。


(写真 説明)

甲浦は ホームが 高架で とまる めずらしい 終着駅。ちかくの 白浜 海岸には 詩人 野口雨情 (のぐち うじょう)の いしぶみが のこる。



ところで、高知駅から 高知県 東部 太平洋 沿岸には、JR四国 土讃線 (どさんせん)の 後免 (ごめん)って いう 駅から 分岐する 土佐くろしお鉄道 ごめん・なはり線が 奈半利 (なはり)って いう とこまで きとる。いま 徳島駅から 高知駅まで 鉄道で いくには、阿波池田 (あわいけだ)とか 大歩危 (おおぼけ)、小歩危 (こぼけ)って いう 内陸部を とおる、徳島線土讃線で いく 全長 156.7キロ*1の ルートに なるだけど、室戸 (むろと)を まわって、あるいは 室戸を まわらんで ちかみちして、甲浦と 奈半利が つながると、海岸 ぞいの ルートが 完成するだ。


かんのうら 周辺 鉄道 路線図 (あきひこ)
かんのうら 周辺 鉄道 路線図 (あきひこ) 〔拡大〕

阿佐東線が できたのが 1992年 3月 26日で、ごめん・なはり線が できたのが 2002年 7月 ついたちと、まんだ ごく さいきんの ことだ。阿佐東線の 2011年度の 輸送 人員を みても、年間 39,193人、1日 平均で 107人って いう すくなさだけど、いま 甲浦で とまる 高架が 奈半利まで のびるのは まんだ さきの ことか。




(さんこう)

*1:徳島線 列車 徳島−阿波池田間 74.0キロ」+「土讃線 列車 阿波池田−高知間 82.7キロ」=「徳島−高知間 156.7キロ」