留萌線沿岸部の廃止決定におもう

フェースブックともだちの投稿でしった。深川(ふかがわ)から増毛(ましけ)までの全線で66.8キロある留萌線(るもいせん)のうち、にほんかいぞいをはしる先端部、留萌から増毛までの16.7キロが来年度2016年度のうちに廃止になるだげな。JR北海道が2015年8月とおかに増毛町長と留萌市長に廃止の方針をしめしただげな。

留萌線の路線図(あきひこ)
△ 留萌線の路線図(あきひこ)

この区間、輸送密度が39人しかないじゃ、廃止もやむをえんことなのか。いやいや、1日に6.5往復しか列車がないじゃ、つかうにつかえんって。増毛駅の時刻表をみてみると、7時35分の列車のつぎは12時54分まであやへん。こんな鉄道、どうやってつかえっていうだ。

沿線人口はどうだ。起点の深川市が2万2千人、秩父別町(ちっぷべつちょう)が2千人、沼田町(ぬまたちょう)が3千人、留萌市が2万2千人、増毛町が4千人と、留萌線の沿線自治体の人口をぜんぶあわせても5万5千人にしかならん。わが愛知県でいうと、名鉄名古屋豊橋間68.0キロのながさに匹敵するきょりのなかに、5万5千人しかすんどらんだ。過疎地じゃ鉄道の廃止もやむをえんことなのか。

いやいや、鉄道は廃止の方向になっても、高速道路のほうはあらたにつくられていくだぞ。全長49.0キロの深川留萌自動車道ってのが1989年に着工がきまり、1998年にさいしょの区間が開業して以降ちょこっとづつのびて、いまは44.9キロがつながるまでになって、のこる4.1キロの区間も2019年度中には完成の予定だっていう。要は、この地域においては公共交通にみきりをつけ、クルマ社会に便利な高速道路をえらんだっていうことさ。留萌線ののこる深川-留萌間50.1キロが廃止になるのもみえとるわ。

深川留萌自動車道の地図(あきひこ)
△ 深川留萌自動車道の地図(あきひこ)

ところで、べつに鉄道じゃなくて高速道路でもいいじゃないのか。いやいやほんなことはない。単なる移動、物流っていう点じゃあいいかもしれんけど、高速道路はまちのにぎわいをうまんだ。とぐちからとぐちっていうクルマの特性で、ひとびとはあつまってくらす必要がなく、住宅もみせやさんも公共施設も工場も病院もぜんぶばらばらに立地しとってかまわんわけだ。こいじゃあ、にぎわいがうまれるはずもない。ひとのきずなもよわくならざるをえん。

はよ、鉄道っていう公共交通機関のよさにみんなきがついて、ふたたび鉄道に投資するひがくることをねがう。

◇            ◇

沿線自治体の人口(住民基本台帳人口、2015年3月31日)

  • 深川市(ふかがわし)=22,094人
  • 秩父別町(ちっぷべつちょう)=2,578人
  • 北竜町(ほくりゅうちょう)=2,021人
  • 沼田町(ぬまたちょう)=3,285人
  • 留萌市(るもいし)=22,740人
  • 増毛町(ましけちょう)=4,822人

留萌線の運行本数(2015年8月12日現在)

  • 深川駅くだり=1日8本
  • 留萌駅のぼり=1日9本
  • 留萌駅くだり=1日6本
  • 増毛駅のぼり=1日7本(※ 休日は6本にへる)

留萌線列車の表定速度 - 増毛12時54分発深川いき列車

  • 全線=増毛 12:54 → 14:28 深川 〔66.8km、1時間34分、42.6km/h、1,450円〕
  • 沿岸部=増毛 12:54 → 13:24 留萌 〔16.7km、30分、33.4km/h、360円〕
  • 内陸部=留萌 13:30 → 14:28 深川 〔50.1km、58分、51.8km/h、1,070円〕

(さんこう)

  • リンクについて「ええやん!」ていうてるで。|フェースブック|2015年8月11日23:36
  • 北海道)「いよいよきたか」ぢもと落胆 - 留萌線一部廃止へ:朝日新聞デジタル(日比野容子さん、渡辺康人さん)|2015年8月11日03時00分
    • JR北海道が2015年8月とおかにしめした留萌線の留萌-増毛間の来年度2016年度中の廃止方針に、ぢもとでは落胆とあきらめにもにたこえがあがった。収支改善をいそぐJR北海道は、路線ベースでみてもっとも利用のすくない留萌線につづきほかのあかじ路線のみなおしもすすめるかんがえで、「地域のあし」をめぐる議論が本格化する。
    • 深川-留萌間もふくみ
      廃止の説明は増毛町文化センターであり、JR北海道の島田修社長が堀雅志増毛町長と高橋定敏留萌市長に理解をもとめた。
    • 会合は15分で終了。記者会見した島田修社長は廃止の理由について①利用の低迷②安全対策に数十億円かかる――をあげた。
    • 廃止にともなう代替バスの運行は「沿岸バスが鉄道の本数以上にあり必要ないって認識しとるけど、これからはなしあう」とした。増毛駅の駅舎保存など沿線の地域振興策は、ぢもとの要望をきいて検討するっていう。
    • また、深川-留萌間について島田修社長は「高規格道路の延伸などもあたまにおいてゆっくりかんがえたい」ってのべた。ほぼ平行する深川留萌自動車道が2019年度中に留萌市中心部まで全線開通の予定で、この時期をめどにのこる区間の廃止議論がでてくる可能性がある。
    • 島田修社長は営業部長時代、NHK連続テレビ小説すずらん」による留萌線ブームを経験。このひ、増毛駅までのった留萌線の1両の車内は「廃線の予感」にわく鉄道ファンらで満席だった。「ふだんから、地域のかたがたのご利用でこのような状態であれば・・・。たくさんのかたにご利用いただけないと鉄道はやっていけんことをご理解たまわりたい」ってのべた。
    • 説明をうけたあと、増毛町職員時代から留萌線問題とむきあってきた増毛町の堀雅志町長は「ざんねん。ほれだけです」。いっぽう、民間出身の留萌市の高橋定敏市長は、年4、50回ある公務出張ではかならず留萌線にのり、市民にも利用をよびかけてきた。「民間のかんがえでみや、存続はきびしい。JR北海道は今日まで公共交通機関としての責任をよくはたしてきてくれた。廃止はやむをえん」って容認する姿勢をしめした。北海道にたいしては、人口減少社会のなかでどう公共交通体系を維持するのか主導的なやくわりをはたすよう注文した。
    • 「さいはてのえき」増毛にひろがる不安
      歴史的なまちなみと「終着駅」が鉄道ファンに人気の増毛町では「利用者がすくなく、しかたない」とするこえのいっぽう、「きりすてられるおもい」との不安もひろがる。
    • なつの観光シーズンさかりの増毛町。1981年に高倉健さん主演の映画「駅STATION」の舞台にもなった増毛駅周辺には、この週末もおおぜいの観光客がおとずれた。鉄道旅行の愛好者というさいたま市の会社員川合貞夫さん52才は「映画をみて、いつかいきたいっておもっとった。『さいはてのえき』として人気どおりの独特のふんいき。廃線のはなしはニュースでしったけど、じつにおしい」。
      増毛駅(あさひ)
    • 列車で留萌市に通勤する増毛町の会社員工藤丈嗣(くどうまさし)さん42才は「バスよりよるおそくまであるし、札幌にいくにものりつぎが便利。災害で道路が通行どめになやうみぞいの集落は孤立する。クルマを運転せん高令者もおおい。経営的な要請はわかるけど、まちがきりすてられるようなおもいだ」っていう。
    • 「利用者がへるなかでくるものがきたっておもった」ってはなすのは明治期創業のぢもとのさかぐら「国稀酒造(くにまれしゅぞう)」の4代めで企画室長の本間桜さん54才。「ニシン漁でさかえた歴史あるこのまちにとって、ノスタルジックなふんいきは重要な観光資源で、ふるくからの駅舎と鉄路の存在はほの象徴。どういかしていけるのか、真剣にかんがえていきたい」
    • 留萌線沿線のおもないごき
      • 1897年、増毛と留萌を管内にもつ増毛支庁が設置
      • 1910年、深川~留萌間に鉄道が開通
      • 1914年、増毛支庁が留萌町にうつり留萌支庁
      • 1921年、留萌~増毛間の鉄道が開通
      • 1932年、留萌~羽幌間(羽幌線)の鉄道が開通
      • 1981年、増毛駅が映画「駅STATION」の舞台に
      • 1987年、羽幌線が廃止
      • 1989年、深川~留萌間の高規格道路着工がきまる
      • 1999年、留萌線の貨物運行が廃止
      • 2005年、増毛町のなだれでゆきやまに列車がのりあげる脱線事故
      • 2012年にも同様の事故2013年、深川留萌自動車道の深川~留萌大和田インターチェンジ間が開通
      • 2015年、なだれのおそれがあるとして留萌~増毛間を2か月間運休
      • 2015年、JR北海道が留萌~増毛間廃止の方針を提示
  • 留萌本線(深川~留萌~増毛)留萌~増毛間、2016年度中の廃止へ|旧国鉄切符(硬券)/駅スタンプ・全路線訪問の旅さん|フェースブック|2015年8月10日21:19
  • 深川留萌自動車道 - Wikipedia
  • 高規格幹線道路 - 深川留萌自動車道|留萌管内の道路情報◆萌道(もえるみち)◆
  • とやま経済月報
    特集<H16.11>
    • 2-1.鉄道がきえるとどうなるのか(北海道のばあい)