いまはなき高千穂鉄道。廃止がきまったあとの2008年6月27日、おれも一部区間の駅舎やら線路やらをみてなみだぐむとともに、にほんいちっていう高千穂鉄橋のたかさにおどろいたもんだけど、いまここをカートがはしっとるっていう。
高千穂鉄道っていう鉄道会社はなくなったけど、高千穂あまてらす鉄道っていう鉄道会社じゃない会社がこの区間をつかって遊覧用のカートをはしらせとるだ。いや~、なさけないな~。ってか、にほんいちのたかさの鉄橋をこんなまるはだかのカートでわたるって、いのちしらずじゃんか。
(さんこう)
- 高千穂鉄道の あと - あきひこゆめてつどう|2008/07/06
- 高千穂鉄道が 休止状態の まま 廃止される ことは 以前に かいたのだが(高千穂鉄道 廃止へ (アハ 163))、2008年 6月 27日 天孫降臨気分を あじわいに 同地を おとずれた おりに 鉄道の あとを みて きた。
- まず、おとずれたのは 天岩戸駅(あまのいわとえき)なのだが、人家も ない たにあいに あるらしく みつける ことが できんかった。アルバムには 同駅 付近で 岩戸川を わたる 鉄橋を おさめて ある(8、9枚め)。まるで 天空を かける ようだ。
- 【動画つき】天空かけるまぼろしの列車 - 高千穂あまてらす鉄道|西日本新聞|2016年08月04日00時00分
- まさに「天空を駆ける幻の列車」だった。
- 宮崎県高千穂町の「高千穂あまてらす鉄道(あま鉄)」。ちょっとした風雨でも運休するため、取材は3回延期してようやく実現した。14人の乗客と、期待と恐怖を載せて“列車”はゆるゆると動きだした。
- タタン、トントンタン。車輪の振動がお尻を直撃し、風が帽子をさらおうとする。列車といっても、軽トラックを改造して新幹線ふうに塗装し、2台連結したカートだ。荷台にベンチをしつらえただけで屋根はない。そして行く手には、深い渓谷をまたぐ高千穂鉄橋が待ち受ける。
- あま鉄は鉄道事業の認可はなく、一帯を公園化し、カートを「遊具」として走らせている。ルーツは、同町と同県延岡市の約50キロを結んだ旧国鉄の高千穂線。第三セクター「高千穂鉄道」が運営を引き継いだが、2005年の台風被害で廃線となった。
- その後、町から廃線跡を借り、高千穂駅から隣の天岩戸駅、鉄橋までの約2.6キロを“復活”させたのが地元有志でつくる、あま鉄だ。お金がない分、アイデア勝負。副社長で地元郵便局長の桐木敏隆さん(56)は「ぜいたくに遊ばせてもらっている感じです」と工夫を楽しむ。最近では香港やインドネシアなど海外からの客も押し寄せる。
- タタン、トントンタン。列車は青々とした棚田を横切り、木々が覆う緑のトンネルに吸い込まれた。風がひんやりと涼しく感じる。
- トントンタン、キキー。目前に大きな渓谷が開け、列車が一時停止した。風が強ければ、ここで引き返すという。赤茶色にさびた鉄橋が真っすぐ延びる。
- 隣接する熊本県では2016年4月に大地震が発生した。高千穂でも震度5強。その后、町は鉄橋の安全確認をしたと言うが-。不安をよそに、「風、問題なし」の掛け声で動きだす。運転士のおじさんは「旧国鉄の橋やから頑丈やって」と、日焼けした顔で笑った。
- タタン、トントンタン。「水面からの高さは105メートル。かつて東洋一の高さと言われました」。アナウンスに耳をふさぎたくなりながら、重なり合う九州山地の稜線を眺める。高千穂は古事記や日本書紀に天孫降臨の地として登場する。太陽の神・天照大御神が洞窟に隠れ、世界が闇に包まれたという伝説も残る。
- 352メートルの鉄橋は果てしなく長い。さらに中央付近で止まり、記念撮影タイムが始まった。「せっかく来たとやから」と運転士に促され、荷台のへりを握り締めて首を伸ばした。枕木の隙間から風が吹き上げ、はるか眼下に青い川底が光った。お尻がぞわっと縮み上がった。
- 鉄橋を渡り終えると、高千穂駅へと引き返す。時速約20キロ、自転車並みの速さ。往路はただ、風を感じていた。
- 高千穂橋梁 - Wikipedia