第2回は鉄道模型、駅名標、発車案内板。2016年9月15日に名鉄資料館でみてきたものをつぎに紹介する。
鉄道模型
いまはなきパノラマデラックス。資料館のおくのほうのたなにヘッドマークがおいてあって、玄関はいってすぐみぎに模型がおいてある。たしかパノラマスーパーとパノラマデラックスは同時に登場したもので、パノラマスーパーが名古屋本線の特急用でパノラマデラックスが支線直通特急用だった。パノラマカーの時代がおわって、このふたつがあたらしい時代の特急だよってことだった。わが西尾線にも全車特別車の特急としてパノラマデラックスがはしっとったよ。パノラマスーパーがいまもばりばりはしっとるのにたいして、パノラマデラックスのほうはとっくになくなっちゃった。西尾線も特急の運行自体、1日に1往復しかなくなっちゃった。
20160915 名鉄資料館 (89) もの - パノラマデラックスのヘッドマーク
20160915 名鉄資料館 (7) もの - パノラマデラックスの模型
模型じゃないけど車両番号の数字。うつくしい書体は、いまも名鉄電車にひきつがれる。この「704」はいまはなき揖斐線をはしっとった電車だ。
20160915 名鉄資料館 (90) もの - 車両番号の数字
おおーっ! 鉄道ジオラマだ! パノラマカーはじめ各種電車がそろっとって、ご自由に運転してください♪ってかいてある。いや、これやっとったら展示品をみる時間がなくなっちゃうだら。
駅名標
形原の駅名標。むかしの駅名標ってっこんなふうだったかな。おぼえてない。おぼえてないけど、「かたはら」っておおきくひらがながきしてあるとこがすばらしい。えきのなまえってのはきいてわかるもんだ。よみかたがわからにゃ。形原は蒲郡線のえき。
20160915 名鉄資料館 (82) もの - 駅名標(かたはら)
たてながの駅名標。大学病院前、公園前ってのは、いまはなき岐阜市内線のえきだけど、なんでこんなたてながになっとるかってことについては、こちらがきくまえに館長さんがかたってくれた。
「岐阜市内線は路面電車なだけど停留場に歩行者保護のためのホームなり安全施設なりがない。歩行者保護のためのホームなり安全施設なりがないのは岐阜市が許可せんかったでだ。ほのため駅名標も電柱かなんかにとりつけるしかなく、かたちもたてながになっとる」
20160915 名鉄資料館 (83) もの - 駅名標(大学病院前大学病院前、公園前)
なんちゅうことだ。おれも廃止のちょっとまえにのりにいっただけど、路面電車をおりるとほこはまったくのみちほのもんで、おりた人間のすぐよこをえらいいきおいでクルマがはしっていくだよ。安全施設の設置が許可されとや、岐阜市内線も廃止なんかせんでよかっただ。おれがいったときも、路面電車はいっぱいひとがのっとっただよ。館長さんはさらにかたる。
「岐阜市ってのは、JRのほうには、えきまえに信長の銅像なんかもつくっちゃって、えらい整備にちからをいれとるだけど、名鉄のほうにはまったくつべたいもんだった。岐阜市内線なんか、クルマがはしるのにじゃまになるだけだっていう認識だっただよ。廃止もとっとときめられちゃった」
岐阜市内線はこれにつながる揖斐線、美濃町線といっしょに廃止になっただけど、館長さんもさいごの運行のひに岐阜市内線で業務にあたってみえたそうで、しんそこざんねんにおもってみえるようすだった。
発車案内板
発車案内板。うん、こんなかたちだった。いまはデジタル式に画面に表示されるもんやLED式のもんにかわったけど、むかしはこういう機械的なもんだったわ。いきさきとか発車時刻とか、ぱたぱたぱたって文字や数字がめくれて表示がかわっていくだっただよ。したのやつは、あんどん式ってやつ。う~ん、こんなやつがあったきがするけど、発車時刻はべつのとこで表示しとったのかな。
20160915 名鉄資料館 (84) もの - 発車案内板(反転フラップ式)
20160915 名鉄資料館 (85) もの - 発車案内板(あんどん式)
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(さんこう)
- 名鉄資料館でみてきたもの (1) 松木島のえき - あきひこゆめてつどう
- 名鉄岐阜市内線 - Wikipedia
- 廃止表明まで
- モータリゼーション(車社会)の進展などの理由から、岐阜市は長年市内線に対して敵対的な姿勢を取り続けていた。1967年には市議会において路面電車廃止決議が可決されており、名鉄との協議で補償問題がまとまらず棚上げになったものの、同決議は現在でも有効となっている。
- 岐阜市内線においては併用軌道区間における道路幅が狭いことを理由として、通常は道路交通法で禁止されている軌道敷内の自動車の通行が許可されていた。このため交通渋滞に巻き込まれて電車が岐阜駅前停留場まで到達できず、新岐阜駅前停留場で運転が打ち切られることがしばしばあった。また、同様の事情によって、自動車の通行の障害になる停留場の安全地帯を岐阜駅前停留場をのぞいて設置できず、乗降客は常に自動車との接触事故の危険性にさらされていた。しかし、交通行政を管轄する岐阜県警は安全地帯設置、軌道敷内自動車通行禁止、いずれに対しても消極的であった。安全地帯を設置した場合、交通量の多い幹線道路である国道157号線などを路線バスやトラックなどの大型車両の通行が困難となるためとされる。
- 廃止表明まで