9回めのこんかいは1926年。はなしはみっつ。
ひとつめは名古屋本線の全通。3年まえににしからはいってきて東岡崎までの開業をなした、愛知電鉄っていうしんざんものが、1926年4月ついたち、東岡崎から小坂井(こざかい)まで延伸。これにより西三河区域内での全通となる。ちなみに、つぎのとしには豊橋までの延伸をはたし、にほんいちはやい特急が西三河平野をはしることになる。
ふたつめは西尾線の開業。岡崎につながる西尾鉄道じゃなくて、名古屋本線のしんあんじょうからみなみに分岐して西尾にいたる路線だ。1926年7月ついたち、愛知電鉄のこがいしゃ碧海電鉄のてによりしんあんじょうから米津まで開業。いや、ほれにしても、直線的な路線だな。愛知電鉄の名古屋本線と碧海電鉄の西尾線は、ほかのどの私鉄にもまさる高速鉄道だ。ちなみに、1926年12月ついたち、西尾鉄道は愛知電鉄に合併される。西尾鉄道っていう会社のいのちは、岡崎-西尾間が開業した1911年からかぞえて、わずかに15年。時代はかわる。
みっつめは三河鉄道の延伸。三河鉄道もいつまでも非電化の鉄道じゃない。1926年2月5日に碧南(へきなん)から猿投(さなげ)までの全線を電化。さらに、おんなじとしの1926年9月ついたち、碧南から松木島(まつきじま)まで延伸。
△ 西三河の鉄道のうつりかわり(あきひこ) - 9.名古屋本線の全通、西尾線の開業、三河鉄道の延伸
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(さんこう)
- 西三河の鉄道のうつりかわり〔目次〕 - おぼえがき
- 90年まえの三河線の時刻表 - あきひこゆめてつどう|2017/07/29
- 猿投までとびたとこで、1926年に電化。つぎは南下で、おんなじ1926年に大浜港から神谷までのびる。神谷はのちの松木島。
- 豊橋線急行列車の時刻表 - 戦前の愛知電鉄 - あきひこゆめてつどう|2017/01/04
- 弾丸特急
のぼりの神宮前発豊橋いきの時刻表で説明する。特急は12時発の1日1本で、急行は毎時正時発が1日9本ある。里程はマイル表示でわかりにくく、現在のキロ数で表定速度を計算してみる。特急は所要時間が1時間3分で、表定速度は時速59.2キロ。急行は所要時間が1時間12分で、表定速度は時速51.8キロ。特急の時速59.2キロは、競争あいてである省線の東海道線特急の名古屋-豊橋間の時速54.3キロをしのぎ、弾丸特急っていわれた。1917年3月なのかの本笠寺(もとかさでら)開業から順番に線路をのばして、ついに1927年6月ついたちに豊橋のりいれをはたした愛知電鉄が、同時に弾丸特急を運行して、省線にたいする優位性をおおいにうったえただ。
- 弾丸特急
- 名鉄資料館でみてきたもの (1) 松木島のえき - あきひこゆめてつどう|2016/09/17
- みよ、この堂々とした洋館。一色町の代表駅でもない、吉良吉田みたいな結節点のえきでもない、ただのいなかのえきなのになんちゅうりっぱなたてものをあたえられとることか。こどものころにみたとき、つぎのように理解した。この鉄道ができた当時は、えきっていうもんがいまだと飛行場に相当するもんじゃなかったか。こっから電車にのやあ、にほんぢゅうのどこにだっていけるだ。ほんなひとびとの期待がこのりっぱな駅舎にこめられとるだって。
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- 新安城から伊奈まで、33.3km、26分、76.8km/h、600円
- 1927年に運行をはじめた愛知電鉄の弾丸特急のあとをたどった
- にほんいちの特別急行電車! - 愛電の熱田豊橋間 - あきひこゆめてつどう|2014/04/28
- 碧海電鉄の建設 - 名鉄100年史 - あきひこゆめてつどう|2014/04/24
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- 名鉄名古屋本線 - Wikipedia
- 名鉄西尾線 - Wikipedia
- 碧海電気鉄道 - Wikipedia
- 1925年5月15日に会社設立総会が開催された。社名は碧海電気鉄道とし、資本金100万円のうち50万円を愛電が出資する、愛電の子会社として発足した。社長は愛電取締役社長の藍川清成が兼務し、本社も愛電本社内に設置された。
- 碧海電気鉄道線は全区間単線で布設されたが、将来の複線化を見越して複線分の敷地が確保された。
- 碧海電気鉄道デ100形電車 - Wikipedia
- 名鉄三河線 - Wikipedia
- 西三河の鉄道のうつりかわり〔地図目次〕 - あきひこゆめてつどう|2018/02/18 〔ついか〕
- (全22回の連載のまとめ)