たま電車のつぎになる。紀和支線(きわしせん)ってのは筆者がかってにつけたなまえだけど、紀伊半島をぐるりとまわる紀勢線(きせいせん)の和歌山がわ末端の和歌山-和歌山市間について、このわずか3.3キロの区間が盲腸線状態にあることをきわだたせるため、こういうふうにした。以下に、2017年8月17日に乗車したときのようすをしるす。
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わかやま
たま電車で和歌山にもどったのが13時21分。はて、紀和支線ののりばはどこかな。たま電車をおりたわかやま電鉄のえきはのりばがひとつしかないのに、JRのえきのほうはのりばはやっつもあるだ。いちばんひがしの9番のりばがわかやま電鉄ののりばで、かいさつ直結でいちばんにしの1番のりばから8番のりばがJRののりばだ。とりあえず9番のりばから地下連絡通路におりて8番のりば、7番のりばっていう順番にみていくだけど、ついにどののりばから和歌山市いきの電車がでるのかわからんくて、1番のりばにあがってかいさつをでる。駅員さんにきいたら8番のりばですとのへんじ。なーんだぁ、すぐとなりだったじゃんか~。マナカでかいさつをはいりなおして、きたみちをほとんどまるごとひきかえして、8番のりばにあがる。
あ、たま電車が和歌山につくときに、となりにみえた電車じゃんか! 新宮から白浜のあいだでもみかけたし、ここ和歌山でたま電車にのるまえにもみかけた、あのみずいろ電車だ。かたちはそっけないけど、みずいろ一色の車体は好感のもてる外観だ。車両は2両編成。
(2) 和歌山 - 和歌山市いきふつう〔まえ〕、(3) 〔うしろ〕
のりこんでみると、料金ばこがある。ワンマン運行か。料金表は、和歌山からにしにいく紀和支線区間だけじゃなくて、和歌山からひがしに和歌山線をすすんで、さらに高田から桜井線にのりいれて奈良までいく区間のもんになっとる。1両めの車両番号はクハ104-504。ヰキペディアでしらべると、1981年から製造された国鉄105系っていう電車だった。最初期のもんだと36才になる。
(4) 和歌山市いきふつう〔クハ104-504〕 - 和歌山
となりに紀勢線の御坊(ごぼう)いきふつうがみえる。あっちは最新鋭、こっちは古参兵か。
おんなじホームはんたいの7番のりばに、これからのる電車とおんなじみずいろ電車がはいってくる。奈良からきたやつだ。
さて、13時41分、わが和歌山市いきふつうは和歌山をしゅっぱつ。いや、ほれにしても、前方視界は最悪だ。まんなかの貫通とびらをとおしてかろうじてまえがみえるだけど、ほれも運転士さんが后方の客室を確認できるようについとるかがみがおおきくかぶさっとる。
ちょっといったとこで、7番のりばからきた線に合流する。紀和支線と和歌山線が線路を共有しとるだ。
また、ちょっといったとこで、和歌山線がみぎに分岐して、ほれまでひだりに平行してはしっとった阪和線(はんわせん)がひだりにまがって、はなれていく。
線路がひだりにまがりはじめたとこで、高架の鉄道をくぐる。さっきひだりにまがってったっておもった阪和線だけど、高架になってまたみぎにまがってきただ。阪和線は天王寺と和歌山をむすぶ線で、ほっからさらに紀勢線につながってJR西日本の一大幹線をなす。
わが和歌山市いきふつうはさらにひだりにまがりながら、高架をあがっていく。
高架をあがりきって、むきもにしむきになって、わが和歌山いきふつうはまっしぐらにつきすすむ。っていっても、古参兵がほんなに速度がだせるわけじゃなく、ぴっかぴかの高架鉄道もたからのもちぐされだ。
きわ
13時43分、紀和(きわ)にとうちゃく。筆者がかってにつけた「紀和支線」のなまえはこっからとったもんだけど、いまの和歌山線が紀和鉄道っていう私鉄だった当時、ここが和歌山の玄関ぐちだったっていう、由緒あるえきだ。
13時45分、紀和をしゅっぱつ。しばらく高架をすすんだあと、ひだりにまがりながら高架をおりていくと、みぎから南海本線がくっついてくる。
(15)、(16) 和歌山市いきふつう - 紀和-和歌山市間
高架をおりきって線路がくさぶかくなって、終点の和歌山市がちかづく。1か所あるみぎへの分岐は、ヰキペディアによると南海本線へのわたり線だけど、いまはつかわれとらんとのこと。
(17)、(18) 和歌山市いきふつう - 紀和-和歌山市間
わかやまし
13時47分、ついに単線のまま、終点の和歌山市にとうちゃく。和歌山からここ和歌山市まで3.3km、6分、33.0km/h、190円。いや、表定速度が33キロっておそすぎだよ。
のりばについたみずいろ電車からは、けっこうなかずのひとがおりていく。紀和支線の運行本数は、だいたい、あさゆうは1時間に2本で、ほれ以外の時間帯は1時間に1本と極端にすくないだ。和歌山市内におけるJR西日本の代表駅、和歌山駅と南海の代表駅、和歌山市駅をむすぶ線だっていうのに。
となりに南海ののりばがひろがる。きたは南海本線でなんば、みなみは和歌山港線で和歌山港につながるほか、南海本線から分岐する加太線(かだせん)で加太(かだ)につながる。
みずいろ電車がすすんできた方向にほのまままっすぐあるいてかいさつをでる。
かいさつをでてさらにまっすぐあるくと、南海のえきのわきかいさつがある。
ひだりからまわって南海のえきの正面かいさつがある。
さて、和歌山のまちあるきにむかうべく、えきまえによこたわるばかひろいクルマどおりをわたる。えきをふりかえってみると、なんちゅうばかでっかいビルだ。南海のえきがはいっとるビルだけど、いまはつかわれとらんらしくてたてかえ工事の最中だ。いまは阪和線におされっぱなしの南海のまきかえしはなるか、のってきた紀和支線をまっと有効につかえんもんか、ほんなことをおもいながら、おしろのほうにむかっていった。
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- 乗車記録 - 2017年8月17日、もくようび、平日
(さんこう)