芥見東地区、芥見南地区をはしるみどりっこバス

県都岐阜から東北方向に関(せき)、美濃町(みのまち)とつながる名鉄美濃町線。高度経済成長まっさかりの1960年代、岐阜のはずれで、すぐむこうは関っていうとこの、美濃町線のひがしがわの丘陵地をきりひらいてニュータウンができた。ほれがこんかいとりあげる芥見東(あくたみひがし)地区と芥見南(あくたみみなみ)地区だ。いまは美濃町線廃線になっちゃって、これと平行する街道を岐阜バスの路線バスがはしる。さらに、街道からはずれて芥見東地区と芥見南地区にのりいれていく路線バスもある。まあ不自由ないじゃんかってとこだけど、さらに地区内だけを巡回する「みどりっこバス」っていうコミュニティーバスもはしっとるっていう。

みどりっこバスの路線図 1032-700
△ みどりっこバスの路線図
岐阜市芥見地区のバス路線図(路線図ドットコム) 380-450 芥見東地区と芥見南地区の位置図 345-420
△ ひだり=岐阜市芥見地区のバス路線図(路線図ドットコム)
△ みぎ=芥見東地区と芥見南地区の位置図

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ことし2018年1月の岐阜市長選のまえのちゅうにちの記事だけど、このみどりっこバスがつぎのようにとりあげられとった。

県都のあしたは> (2) 高令化すすむ郊外:岐阜市長選特集

(ちゅうにち - 2018年1月17日)

  • 「今日はどこまで行くの」「荷物ちょうだい、近くまで持って行くで」。岐阜市芥見東・南地区を巡回するコミュニティバス「みどりっこバス」の車内では、顔見知りの乗客同士の和やかな会話が響く。通院や買い物のため、大洞緑団地からほぼ毎日バスを利用する今川とくさん(80)は「足が悪いし、このバスが頼り。本当に助かります」と話す。
    大洞柏台 - みどりっこバス(ちゅうにち) 200-300
    △ 大洞柏台 - みどりっこバス(ちゅうにち)
  • バスの乗客は1日平均およそ170人、その多くがお年寄りだ。山を切り開いて造った地区内は、坂道や階段が多いため、各家庭から歩いて200メートル以内でバス停へ行けるよう工夫。さらに、6、70代の住民ヘルパーおよそ30人が日替わりで乗り込み、乗降や運賃の支払いを手伝う。地元の運営協議会が2008年に運行を始めたこのバスは、2018年1月13日に乗車60万人を達成した。運行する日本タクシーの担当者は「地域の足であり、車内は動く井戸端」と胸を張る。
  • コミュニティバス岐阜市内の19路線で運行しているが、ヘルパーを導入しているのは「みどりっこバス」と、隣接する「芥見岩っこバス」のみ。地域が独自の支援に力を入れるのは、急速に進む高令化に危機感を募らせているからだ。
  • 地区には、1960年代から造成の始まった大洞、大洞緑団地が含まれる。入居したのは子育て世代。岐阜市中心部より家賃が安く、マイカーさえあれば東隣の関市中心部に近いこともあって、通勤や娯楽に不便はなかった。
    芥見東地区と芥見南地区の位置図(ちゅうにち) 300-250
    △ 芥見東地区と芥見南地区の位置図(ちゅうにち)
  • だが当時の子育て世代は、今は高令者になった。今月2018年1月1日現在で住民のうち、65才以上が占める割合は、芥見東地区で39.9%、芥見南地区で38.6%に。岐阜市全体の28.0%と比べ、10%以上の開きがある。
  • 高令で運転免許証を返納し、自家用車を手放す住民の移動手段も課題だ。地区内の移動には「みどりっこバス」があるが、岐阜市中心部へは岐阜バスのみJR岐阜駅までは片道560円岐阜市中央図書館が入るぎふメディアコスモスまでは片道770円もかかる。芥見東自治会連合会の大野利明副会長(76)は「中心部もここも同じ岐阜市なのに。納得できる金額ではない」と不満を漏らす。
  • かつては岐阜市中心部と関市をつなぐ名鉄美濃町線が地区を通っていたが、2005年に廃線になった。同会の山田正行会長(69)は「車があったから、当時はどこに住んでいても問題なかった。電車がなくなっても困らないとみんなが思っていた」と唇をかむ。
  • 地区ではバス車内のヘルパーのほか、近所の数世帯で助け合う関係をつくって非常時に備える「見守り愛チーム」の編成など、住民の絆づくりに力を入れる。山田正行会長は「市は中心部ばかりに力を入れて郊外はほったらかし。だから手探りでも自分たちでやらなあかん」と、理由を語る。
  • 大野利明副会長は「大勢が暮らす郊外を含めて街づくりをしないと、市は沈滞する。郊外と中心部を結ぶ公共交通の利用料を安く抑えられれば、市内でも相乗効果が生まれるのでは」と訴える。
  • 一人暮らしのお年寄り急増
    1960年代に造成が始まった大洞、大洞緑団地がある芥見東地区では、世帯数はほぼ横ばいのまま、人口は減り続けている。高令化率は14年間で20%以上高くなり、岐阜市内50地区の中で3位まで上昇。芥見東自治会連合会の山田正行会長は「進学や就職をきっかけに家を出た若者世代の流出が著しく、高令者の一人暮らしが多くなっている」と分析する。
    急速にすすむ芥見東地区の少子高令化(ちゅうにち) 300-257 おもな立候補予定者にききました(ちゅうにち) 330-500
    △ ひだり=急速にすすむ芥見東地区の少子高令化(ちゅうにち)
    △ みぎ=おもな立候補予定者にききました(ちゅうにち)
    <県都のあしたは> (2) 高令化すすむ郊外:岐阜市長選特集:中日新聞|2018年1月17日

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うん。まず、コミュニティーバスをじもと住民が運営しとるってのにおどろくね。たいへんな負担だっておもうだけど、ほこまでしてでもじぶんたちのあしが必要なだ。地区内のどこにすんどっても200メートル以内でバス停にいけるようバス停をいっぱいつくってあったり、住民ヘルパーがひがわりでバスにのりこんだりしとることもすごい。よぼよぼあるきのご老人はほんなにながいきょりがあるけんし、のりおりに時間がかかったり料金のしはらいにてまどったりするだ。ふつうの路線バスはご老人にはつらいだ。高令化率は岐阜市全体の28.0パーセントから10パーセントもたかくて、芥見東地区で39.9パーセント、芥見南地区が38.6パーセントになっとる。高令化率のたかいとこじゃあ、きめのこまかいバスが必要になるってことだ。ほれをここじゃあ住民自身が運営しとる。

あとは、名鉄岐阜駅やJR岐阜駅とかの市中心部までのバス料金のたかさが課題として指摘されとる。かたみち560円。さらに図書館とかのりかえが必要なとこまでだと770円。あんじょう市内にある筆者のもよりえき古井駅から名古屋市内の基幹駅神宮前駅までが550円。バスで岐阜市内を13キロほどいって560円で、電車で愛知県内を29.6キロいって550円。ほんとにバス料金ってたかいよね。これはここにかぎったことじゃなくて、全国的な問題だ。


(さんこう)