ふるいは、愛染堂(あいぜんどう)のみちをへだてたみなみがわに薬師堂があるだけど、ほのしきちの一角に「愛汗のいしぶみ」を発見した。おもてめんに、こんなふうにかいてある。
岩瀬和市君ハ独学修養ニヨリ人格才能ヲ達成シ家業ノ経 営宜シキヲ得テ后顧ノ憂ナカラシメ以テ公共ニ挺身セル ハ嘆美スベシ始メ郷土古井ノ産業組合ガ設立サルルヤ之 力経営優良ト認メラレ碧海郡産業組合連合会ヲ主宰スル 事トナリ日本農村ノ経済更生ニ範ヲ示スニ至ルヤ愛知県 同連合会ニ従事シ遂ニ全国同連合会ニ関与スルニ至レル ハ同君ノ手腕声望ノ非凡ナルヲ知ルベシ其間碧海郡米穀 販売ニ革新ヲ輸タシ進ムテ農業倉庫ヲ経営スルニ至リ又 タ碧海郡ノ鶏卵共同販売ニ付テ東京ニ於ケル不買同盟ヲ 屈服セシメテ丸碧ノ名ヲ内外ニ宣揚シ厚生施設トシテ更 生病院ヲ建設セル功績ハ永ク町政ニ貢献シタルト共ニ蓋 シ比類ナシト謂フベシ如斯ハ君ガ剛直真摯ナル性格ト率 先垂範ノ気魄ニ負フ所ナリ然ルニ決戦下ノ統制ニヨリ農 会産業組合ハ統合シ君ハ安城町農業会副会長トナル吾等 ハ同君ガ組合運用ノ功績ヲ后昆ニ伝ヘ不忘恩ノ意ヲ表ス ベク茲ニ碑ヲ建テリ矣 1944年秋 正二位勲一等男爵平沼騏一郎題字 従四位勲四等山崎延吉撰文併書之 |
要約していうとこういうことか。
「岩瀬和市くんは家業の経営もうまく、公共にみをささげた。はじめ古井産業組合を設立して経営が優良ってみとめられて、碧海郡産業組合連合会を主宰して農村経済の模範となる。さらに愛知県産業組合連合会に従事して、ついには全国産業組合連合会に関与することになる。かれの手腕の非凡なことよ。このかん、碧海郡米穀販売に革新をもたらし、農業倉庫を経営。また、碧海郡鶏卵販売についての東京における不買同盟を屈服させて、丸碧のなを内外にしらせる。さらに厚生施設として更生病院を建設した功績は、ながく町政に貢献した比類のないもんだ。これも、かれの剛直真摯な性格と率先垂範の気迫によるもんだ。ところで、戦時統制で農会産業組合は統合して、かれはあんじょうちょう農業会副会長となる。われわれはかれの功績をのちのよにつたえ、ほの恩をわすれんように、ここにいしぶみをたてる」。
岩瀬和市はふるいの偉人。ふるいのひとたちがこのいしぶみをたてただ。
うらめんをみてみると、いしぶみをたてたのが保証責任古井信用販売購買利用組合であることと、建設委員14人のなまえがわかる。
薬師堂は愛染堂におなじく、中本神(なかほんじ)のあざのひとたちがおまいりして、薬師堂のおまつりはまいとし11月第2にちようびにある。岩瀬和市もこの中本神のひとだ。
〔2020年6月とおか発見〕
(さんこう)
- 愛汗のいしぶみ - おぼえがき(ゆめてつどう)|2020/07/02
- (※ いしぶみのかくだい写真あり)
- ふるいの愛染堂 - あきひこゆめてつどう|2020/06/30
- ふるいは県道をへだてて農協のむかい、こやまのうえに、愛染堂(あいぜんどう)っていうお堂がある。
- 薬師堂の表札
- 【さいれいのひのやくしどう】