愛知県蚕業とりしまりじょ第9支所のたてもんは、豊田のまちなかにあって、いまは豊田市近代の産業とくらし発見館としてつかわれとる。
しきちのいちばんおくに作業室。ここがコの字がたのたてもんの、ひだりがわのさきっぽで、いまは第1展示室になっとる。
作業室から玄関にむかう廊下。
たてもんの平面図。
たてもんのとくちょう
- このたてもんは、のきのはしらの頭部に社寺建築にみられる斗栱(ときょう)をほどこし、やねはつま部と玄関上面に千鳥破風をつけたひらやだてのいりもやづくり風かわらぶきです。コの字がたの平面形やひろい水平方向のまどなどに西洋建築的よそおいをしめすいっぽう、鉄筋コンクリートづくりでありながら、正面玄関上部とつまがわにかまえた千鳥破風や、各はしら頭部にいただく大斗(だいと)、肘木(ひじき)に、伝統的な和風建築を意識した意匠がほどこされております。
- 正面いりぐちに位置しとる門は、たてじま状の柱礎部、柱頭部とこがたのいしがくみあわされた柱身部から構成されるみかげいしづくり門柱に、かわらぶきの木製こやぐみをのせた、棟門形式をとっております。
- たてもんと門は、それぞれ2000年に登録文化財に登録されております。
(豊田市近代の産業とくらし発見館第1展示室に掲示してある説明がき)
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説明がきに、鉄筋コンクリートづくりってかいてある。かわらぶきひらやだてだけど、鉄筋コンクリートづくりなだ。門とあわせて登録文化財になっとる。
門。たてもんは洋風だけど、この門は和のおもむきだ。
豊田市青少年相談所(旧愛知県蚕業取締所第九支所)・門
- 登録理由
- 旧愛知県蚕業取締所第九支所
市街地中心部に建つ、鉄筋コンクリート造平屋建の旧県蚕糸試験所。コ字形平面、広い水平方向の窓などで西洋建築的装いを示す一方、正面玄関上部と妻側に構えた千鳥破風(ちどりはふ)、各柱頭部に頂く大斗(だいと)、肘木(ひじき)に、和風建築を意識した意匠が施される。 (登録の基準=造形の規範となっとるもの)
- 門
通りに面し、相談所正面入口に位置する。縦縞状の柱礎部・柱頭部と、小型の石が組み合わされた柱身部からなる御影石造門柱に、桟瓦葺の木造小屋組を載せた棟門形式をとる。相談所と伴に、当地が養蚕業を営んどった頃の面影を伝える数少ない建造物。 (登録の基準=国土の歴史的景観に寄与しとるもの)
- 詳細解説(野々垣篤さん)
- 豊田市中心部に建つこれら2つの建造物は豊田市がかつて養蚕業で栄えとった面影を伝える貴重な遺構である。登録名に示されるが、当初は愛知県蚕業取締所第九支所として1921年に建設されたもので、その后、挙母市立図書館、准看護学校、そして登録時点での豊田市青少年相談所と役割を変え、2005年に「豊田市近代の産業とくらし発見館」として市内の近代遺産の理解と保存・活用を図る情報交流の場を市民に提供する施設となっとる。
- 旧相談所はコの字形平面の建物で、柱と壁は鉄筋コンクリート造で、柱間いっぱいの大きな開放的な窓などは近代建築の特徴を示すが、肘木より上の上部構造は、現在の第1展示室で鉄材を利用した以外、木造で、小屋組も和小屋で瓦葺とする。正面玄関上部と妻側に見せる千鳥破風、鉄筋コンクリート造の角柱上の木造肘木という和風を意識した建築意匠が施される。玄関部分の柱頭部分に象られた大斗はコンクリート造による太い柱のため異様な比例でデザインされており、和風での設計と新構造との調和の点では未熟さともとれるが、最初期の鉄筋コンクリート造の側面を示す例といえよう。
- 通りに面した門は縦縞のある柱礎柱頭部と石が組み合わされた柱身部からなる御影石造門柱上に、長大な木造肘木で受けた桟瓦葺木造屋根を載せた棟門形式をとっとる。
「豊田市青少年相談所(旧愛知県蚕業取締所第九支所)」 「愛知県の国・県指定文化財と国の登録文化財」 「文化財ナビ愛知」
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たてもんができたのは1921年。三河線の豊田市駅ができたつぎのとしだ。鉄道がひけて、近代的なたてもんもできた。豊田のよあけってかんじの時代だったにちがいない。
いきかたは、豊田市駅からえきまえどおりをひがしにまっすぐすすんで、国道248号線と交差する喜多町4丁目(きたまちよんちょうめ)交差点てまえを左折。きたにちょこっといったみぎがわ。
〔2021年1月じゅうよっか訪問〕
(さんこう)