太田川からのった、きんぎょばちのあっかい電車を大野町(おおのまち)でおりる。こせんきょうのえきって、名鉄にはめずらしいな。ところで、ゆきがちらついてきた。
かいさつははんたいのりば。こせんきょうをわたっていく。おりてすぐのとこに便所。いりぐちがアーチになっとってしゃれとる。のりばうわやはながくてがっちりしたつくりだ。
おー、ミュースカイ! 構内をたしかめとるとこで、みなみいきにあおしろのミュースカイがいく。
さすが常滑線だなっておもっとったとこで、こんどはきたいきにミュースカイがいく。こういう優等列車が鉄道のふうけいをあかるくする。
こんなりっぱなえきなのに、かいさつはふたくちだけ。ふるいから1,010円。駅舎はほとんどバリアフリー通路があるだけなだけど、しゃれたりっぱなもんだ。いまは準急停車駅だけど、むかしは特急停車駅だっただげな。いや、常滑線のさいしょの開業は、熱田からここ大野町までだっただ。1912年2月18日、愛知電気鉄道が伝馬駅から大野駅間を開業した。神宮前から常滑まで全通したのは翌年のこと。
駅舎をでる。あー、このちいさなえきまえ、いいなー。えきまえひろばとかえきまえロータリーとかはなくて、駅舎はちょくせつみちにめんしとるだけど、このみちがはばのひろいふくろこうじみたいになっとって、クルマのいききはぜんぜんなくて、ここをみせがとりかこんどる。人間がクルマにけちらされることのない人間のための空間、ふれあいの空間がここにできとる。
みなみに記念橋をわたっていくとこで、となりのガーダー橋をきたいきにあかしろのこおろぎ特急がいく。
こんどはみなみいきにこおろぎ特急がいく。
はしからしもに、ふねがいくつかうかんどるのをみる。大野町はみなとまちなだ。
はしからみなみは路地だらけ。ほっとする空間がひろがる。まちなかに大野小学校。まちにとけこんで小学校がある。あるべきすがただ。
えきまえにもどって、エルザって喫茶店でひとやすみ。わがままをきいてもらって、ここでいっぷく。
大野町のふうけいにまんぞくして、かえりの電車にのる。
(さんこう)