あかい電車を略して「あかでん」っていう。むかしっからあかい電車で、このさきもず~っとあかい電車。遠州鉄道なんていう正式のなまえがあることさえしらんひともおるじゃないかっていう。ほんなあかでんに、ぜいたくにも鉄道博士による案内つきでのってきた。
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高架区間
13時12分、高架の新浜松をしゅっぱつ。第一通り、遠州病院、八幡(はちまん)、助信(すけのぶ)、曳馬(ひくま)、上島(かみじま)と、高架のまま電車はすすむ。助信からさきは、まんだ2012年11月にじゅうよっかに高架になったばっかりのぴっかぴかの線路で、じつにきもちがいい。単線ではあるけど、電車は12分間隔で運行されており、えきえきでひんぱんにはんたい電車とすれちがうのがたのしい。こいだけようけ電車がはしるなら、高架化のときについでに複線にしてもよかったじゃ?って博士にきくと、いや、こいでじゅうぶん!とのこと。この単線のままでも3分間隔の運行までは可能らしい。
また、各駅にはいるときにみぎがわにも信号があるのに注目せよとのこと。電車は原則的にひだりがわ通行のため、ひだりがわにしか信号がないのがふつうで、ほれだとみぎがわを通行することができんだけど、みぎがわにも信号があることでみぎがわ通行が可能となり、なんらかの障害が発生したときなんかの役にたつすぐれた設備であるとのこと。う~ん、鉄道ってこんなにふかいもんだったのか。
地平区間
自動車学校前からは地平におり、さぎの宮、積志(せきし)、遠州西ヶ崎(えんしゅうにしがさき)、遠州小松(えんしゅうこまつ)、浜北(はまきた)、美薗中央公園(みそのちゅうおうこうえん)と電車はすすむ。いや~、地平におりてもあいかわらず線路状態はすばらしい。まくらぎがきじゃなくてコンクリートであることはもちろん、ある区間じゃあロングレール化までされとって、まるでかがみのうえをすすむようななめらかさだった。この遠州鉄道やおんなじ静岡県内の静岡鉄道では、線路設備への投資が活発になされとるっていう。中目黒(なかめぐろ)で地下鉄のせりあがり脱線事故があったときも、静岡鉄道ではすぐさますべての曲線区間にせりあがり防止の工事をほどこしたとのこと。
う~ん、おおて私鉄であるわが名鉄のほうがぜんぜんまけとるわ。わがもよりえきの碧海古井(へっかいふるい)のへんなんか、きのまくらぎからコンクリートまくらぎにかわったのさえやっと2年ぐらいまえのことで、しんあんじょうときたあんじょうのあいだなんかまんだきのまくらぎのままだ。まあ、ほいでも最高速度100キロではしっとるだけどね。
△ うえ=積志(せきし)、した=遠州西ヶ崎(えんしゅうにしがさき)
また、遠州西ヶ崎(えんしゅうにしがさき)には電気機関車がおいてあるのがめずらしかった。遠州鉄道には貨物輸送はなく、保線作業でつかうバラストをつんだホッパー車をはこぶためのものだ。
遠州小林(えんしゅうこばやし)をでるとまた電車は高架にあがる。つぎの遠州芝本(えんしゅうしばもと)のてまえですぐに地平にもどるだけど、交差する国道152号線バイパスの開通にあわせて、ふみきりをさけるべく鉄道のほうを高架にしたもので、2011年10月13日に開通しとる。うん、これもぴっかぴかだ。
△ 遠州小林(えんしゅうこばやし)-遠州芝本(えんしゅうしばもと)間(ひだり)(みぎ)
最終区間
もとの浜北市の中心駅、浜北をすぎたあたりからだったか、まあはい線路ぞいには農地もみえる郊外区間を電車ははしってきとる。電車は遠州芝本(えんしゅうしばもと)、遠州岩水寺(えんしゅうがんすいじ)とすすむ。
ここで、みぎてのグランドに線路がひいてあるのをみよ!と博士。なんと遠州鉄道のあかい電車はトレーラーでこのグランドまではこばれてきて、こっから搬入するだげな。製造は豊川(とよかわ)の日本車両でつくるだけど、ほっからこの遠州鉄道につながる線がないためにこのようにしとるとのこと。う~ん、おもしろい。
おおっ!ひだりてにあかい電車がとまっとる車庫があるじゃんか!っておもったとこで、終点の西鹿島(にしかじま)にとうちゃく。13時44分。おおーっ!あかい電車だらけじゃんか!
△ 西鹿島とうちゃく うえ=えきてまえの車庫、した=ホームと停車中のあかい電車
ホームにおり、のってきた電車のまえできねんさつえい。ほのあと、このふたつの電車をみよ!と博士。ひだりのモハ30が初期の電車で、動力伝達もつりかけ駆動っていうふるい方式だったもので、みぎのクハ80がほのつぎの代の電車で、動力伝達がカルダン駆動っていうあたらしい方式に進化したものとのこと。つりかけ駆動ってのはかんたんにいうと、モーターのギアーと車軸のギアーが直結しとるかたちだ。う~ん、むづかしいね。
△ うえ=モハ30(つりかけ駆動)、した=クハ80(カルダン駆動)
いや、ほれにしても、このモハ30、クハ80っていう草創期の電車からいまの電車にいたるまで、なんと一貫したいろ、かたち、デザインをとっとることか。あかでん、あかでんっていって、ぢもとのひとたちからしたわれとるのもなるほどとうなづけるわ。
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こんかい、よりふかくあかでんのことをしることができ、とっても有意義なたびになった。これもひとえに鉄道博士のていねいなご案内のおかげと、あらめて感謝もうしあげる。
(さんこう)
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- 遠州鉄道鉄道線 - Wikipedia