輸送密度8人か - 中国山地のなか

姫路から智頭急行線経由のスーパーはくと倉吉までいった。倉吉から倉吉のまちをとおってみなみにすすみ、中国山地まっただなかの中国勝山までいった。こんかいは中国勝山から姫新線(きしんせん)をにしにすすんで伯備線(はくびせん)とまじわるところの新見(にいみ)を終点とする芸備線(げいびせん)のはなしだ。芸備線は、中国の首都広島を起点として、ほっから東北方向に中国山地のなかの三次(みよし)までいって、さらに中国山地のなかをひがし方向に新見までいく線だ。全長165.5キロ。

ほいで、おどろくなかれ、この芸備線のなかににほんいち輸送密度のひくい線区があるだげな。輸送密度がひくいっていうとJR北海道の各線が有名だけど、にほんいちはこの芸備線にゆずるだげな。おそるべし。区間は備後落合(びんごおちあい)から東城(とうじょう)までの25.8キロで、広島県区間のいちばんひがしになる。つぎに引用する杉山淳一さんっていうひとの記事でこのことをしった。

杉山淳一さんの記事(ばっすい)
  • JR北海道だけじゃない、ローカル線廃止の危機|のりものニュース(鉄道かき杉山淳一さん)|2017.01.07
    • 2016年、JR北海道が「単独維持が難しい路線」を発表。多くの人々に衝撃を与えましたが、JR各社の赤字ローカル線は全国にあり、決して対岸の火事ではありません。中国山地には、北海道より利用客数の少ないローカル線があります
    • 静かな山あいにある芸備線備後落合駅木次線と接続するが、両線とも利用者は少ない。
      備後落合駅(2007年6月 - 恵知仁さんさつえい)
      △ 備後落合駅(2007年6月 - 恵知仁さんさつえい)
    • しかし、ローカル線の利用者数減少や赤字問題は、JR北海道だけではありません。実は、もっとも利用客数の少ない線区は広島県庄原市内にあります。JR西日本芸備線のうち、東城~備後落合間の25.8kmです。2015年度における1日1kmあたりの平均通過人員(=輸送密度)は8人で、JR各社が公表している数値としては最低となっています。
    • 「1kmあたりの平均通過人員」とは、ある区間の年間合計乗車人数を、その区間の距離で割り、さらに営業日数(365日)で割った数値です。「輸送密度」ともいいます。この数値が小さいほど利用客が少ないといえます。たとえば東海道新幹線は約24万2000人/日国土交通省資料 2013年度)、山手線は約108万人/日(同)です。JR北海道でもっとも輸送密度が小さい線区は、札沼線北海道医療大学駅(北海道当別町)と新十津川駅(北海道新十津川町)のあいだで、79人/日JR北海道報道資料 2015年度)です。
    • JR西日本芸備線・東城~備後落合間は、JR北海道でもっとも輸送密度が小さい路線に比べて10分の1です。JR西日本が2018年の廃止を決めた三江線の輸送密度は58人/日です。これを下回る東城~備後落合間は廃止候補になるおそれがあります。
    • 現在、JR西日本は東城~備後落合間の廃止を表明していません。しかし、過去には中国山地の閑散区間について「バス転換を含めて検討したい」という社長の発言がありました。三江線の廃止はその流れを汲んだといえます。
      芸備線の路線図(杉山淳一さん)
      △ 芸備線の路線図(杉山淳一さん)
    • 芸備線・東城~備後落合間の乗客は少ないようです。これは筆者も乗車して実感しました。2016年7月の平日、同区間を走る備後落合駅14時37分発の新見行きに乗ったときは10人ほどの乗客でした。しかし、2016年12月の土曜日備後落合駅20時12分発の新見行きの乗客は私だけでした。筆者がいなければ乗客ゼロです。しかし、これは理由があるようです。
    • 筆者はこの日、三次から新見へ向かおうとしていました。三次駅から備後落合行きの列車は20人ほどの乗客がありました。途中の駅で半数が降りて、10人ほどの乗客が備後落合駅に到着しました。しかし、この先、備後落合駅から新見駅へ行く列車は1時間半后です。筆者以外のすべての乗客が、駅に停めたバイクや迎えのクルマで去って行きました
    • ワンマン運転の列車の運転士さんによると「かつては多くの列車が直通、または備後落合駅で接続しました。乗客も乗り継いでくれましたし、木次線との乗り換えもあるので賑わいました。駅のホームに立ち食いそば屋もありました」とのこと。
    • しかしいまは接続が不便で、お客さんが乗りたくても列車がありません。
    • 現在と過去のダイヤを比較してみましょう。現在、東城~備後落合間の列車は上下3本ずつです。備後落合駅で双方の列車は折り返します。乗り継ぎに便利な列車は、朝の三次方面と14時30分ごろの新見方面、三次方面だけです。乗車機会が少ないうえに、乗り継ぎも不便です。
    • 過去のダイヤを見てみましょう。1988年3月13日に行われた、JRグループが発足して初めての春のダイヤ改正では、東城~備後落合間は上下8本あり、ほとんどの列車が広島駅を発着する直通運転でした。広島市近郊より少ない本数とはいえ、現在よりずっと便利でした。
    • 全体的に比較すると、広島駅付近は現在のほうが運行本数も多く、等間隔で便利そうです。その反面、山間部は運行本数が減っています。乗客が増える地域で列車を増やし、乗客が少ない地域は列車を減らしています。これは合理的な判断といえます。
    • しかし、乗客数の少ない区間で運行本数が減れば、乗り継ぎも難しくなり、さらに乗客が減ります。乗客が減るとまた列車も減らす。この悪循環の結果が現在のダイヤだといえます。列車がゼロになれば線路は要りません。つまり廃止です。
    • 鉄道の廃止は地域の人々の移動手段を減らします。地域の人々はマイカーやバスに乗り換えればいいかもしれません。しかし、路線バスは「停留所の場所がわかりにくい」「停留所の時刻表表記や路線表記が省略されてわかりにくい」「バスが定時に来るかわからない」など、遠方から訪れる旅行者にとって不安な乗りものです。鉄道は駅の場所がすぐわかり、地図にも明確に示され、時刻も正確で安心できます。地方創生のために企業を誘致する場合も、鉄道がある町のほうが受け入れられやすいでしょう。
    • 鉄道路線の廃止は、地域の交通手段だけではなく、地域の未来も失いかねません

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いや~、備後落合-東城間、1日運行本数3本か。しらべるうちに、ヰキペディアに東城駅から広島いきの高速バスが1日6本あるってかいてあるのをみた。たしかに中国地方に高速道路ができたのも中国山地を縦貫する中国自動車道がまっさきで、東城駅のすぐそばをはしっとる。バスがあるっていうだけまんだすくいか。


(さんこう)