すてきな駅舎をみた。飯田(いいだ)の駅舎だ。
けしきもすてきだ。
天竜川(てんりゅうがわ)中流のりょうぎしにひろがる伊那谷(いなだに)。飯田はこの伊那谷にあり、天竜川みぎぎしの斜面に位置する。駅は斜面のうえのほうにあり、こっからしたにかけて、まちなみがひろがる。木曽山脈(きそさんみゃく)をせにしてむこうをのぞむと、天竜川をこえたずーっとむこうにある赤石山脈(あかいしさんみゃく)が、空中にひろげた屏風(びょうぶ)のようにみえる。
駅舎がすてき、まちなみからみえるけしきがすてきなだけじゃなくて、まちなみじたいもすてきだ。とくべつに名所旧跡があるっていうわけでも、とくべつにふるくからのまちなみがのこっとるっていうわけでもなく、きれいに区画された街路にぎっしりとまちがつまっとるようすがすてきなだ。地方都市にありがちなシャッター街なんかどこにもないし、あちこちがあきちになっとるっていうようなこともない。のみやさんもいっぱいあるし、めしやさんもいっぱいある。料亭もあちこちにある。もちろんふつうのみせやさんもいっぱいある。銀行もあるし官公庁もある。どいだけあるいても、ほういうまちなみがつづく。ここは伊那谷の東京だ。
まちあるきにくたびれたとこで、よさそうなてんぷらやさんにはいって、てんどんをくう。こんなすてきな飯田のまちがさかえつづけることをいのって、いえじについた。
△ ひだり=飯田あがりホーム △ なか=飯田さがりホーム △ みぎ=金万のてんどん
(さんこう)