おにのみち

2016年4月みっか、おにのみちをあるいた。かわらやねのままたてかえられた高浜港のえきからはじまるおにのみちをくだり、いきついたとこでかわらやきがまをみてきた。

20160403_151234 おにのみち (3)

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たかはまみなとのえき

20160403_141512 高浜港の駅舎
△ 高浜港の駅舎

電車をおり、高浜港のえきをでる。かわらやねのまんまたてかえられた駅舎がしぶい。かわらは高浜の象徴だ。えきまえがほのまま、なんにもないまったいらなひろばだってのもいい。えきはひとのもんだ。

おにのみち

20160403_151447 おにのみち (1)
20160403_151340 おにのみち (2)
20160403_151234 おにのみち (3)
20160403_151149 おにのみち (4)
20160403_151057 おにのみち (5)
△ おにのみち (1) (2) (3) (4) (5)

えきはにしむきにたっとるだけど、ここを起点にえきまえひろばからほのままにしにつづくおにのみちをいってみる。みちはところどころでみぎにひだりにまがりながら、くだっていく。クルマが速度をだしすぎんように車道部分がくねらせてあり、また、いしだたみの部分もあるっていうしゃれたみちだ。ところどころできりとおしになっとって、よこにいしがきがみえるとこもある。いえなみもしっとりとおちついたおもむきがある。

かわらやきがま

20160403_150548 サロン赤窯
△ サロン赤窯

20160403_145421 サロン赤窯 - しおやきがわらがま
20160403_145454 サロン赤窯 - しおやきがわらがまの説明がき
[しおやきがわらがま] - このかまは石炭だきによる両面だき倒焔式角窯ってよばれるものです。かくがたえんとつとともにあかれんがでつくられております。1960年ごろにきずかれ、しおやきがわらが生産されておりましたけど、1970年ごろのに廃業となりました。しおやきがわらとは、焼成(しょうせい)しとるときにかまの側面にあるたきぐちからしおを投入することにより、高温になったかまのなかでガス状にして、かわらの表面にガラス皮膜を付着させたあかいいろのかわらのことです。1960年ごろから1970年ごろにかけては、三州がわらの主力製品としてさかんに生産されておりました。現在では、しおやきがわらの生産は減少し、れんがづみのかまもほのすがたをけしつつあります。 - 高浜市教育委員会
20160403_145526 サロン赤窯 - しおやきがわらがまのなか
20160403_145356 サロン赤窯 - しおやきがわらがまのたきぐち
20160403_145126 サロン赤窯 - しおやきがわらがまのえんとつ
△ しおやきがわらがま(正面から)(説明がき)(かまのなか)(たきぐち)(えんとつ)

おにのみちをいきついたとこで高浜市瓦美術館になるだけど、ほっからよこの住宅街へあがっていく、ほのいりぐちのとこに、サロン赤窯っていう施設を発見。案内かかりのおじいさんのすすめにしたがって、施設をつきぬけたむこうがわに展示してあるかわらやきがまの説明をうける。このかまはふつうのかわらをやくもんじゃなくて、あかがわらをやくもんで、石炭で岩塩をくべてやくかまだっていい、しおやきがわらがまっていうなまえがついとる。かまのなかでいっぺんにやけるかわらのかずは3千枚。たきぐちはりょうよこに4か所づつ。かまのなかのりょうよこのかべの中段あたりからほのおが天井方向にふきだし、ほれが天井のまんなかへんでぶつかったあとしたにさがって、ほのしたむきのほのおでかわらをやくっていう寸法だ。発生するけむりも、ゆか一面のすきまから地中をとおってそとのえんとつにたっし、ほっからそらたかくたちのぼっていく。たしかに、わがこどものころ、高浜のまちはあちこちのえんとつからたちのぼるくろけむりでまっくろだったよ。いや、ほれにしても、このしおやきがわらがまのえんとつのたかいこと。さ~ぞ~や~おっつきさん~けむた~かろ♪ってなもんだ。このかたのえんとつの発明はドイツで、チンタオ(青島)を経由して、この高浜の地にやってきたもんだっていう。おじいさんに礼をいい、また、おにのみちをのぼって、えきにもどる。

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えきでは、駅舎がかわらやねのままたてかえられたことをよろこぶ市民が写真をとっとった。また、かいさつをはいったホームでは、年配づれがむかしをなつかしんで「じぶんもわかいころは高浜港のえきから電車にのっていっとっただけど、いまよりまっといっぱい電車にのっとっただけどな~」ってなはなしをしとった。このひとたちも駅舎のたてかえをしって、ひさしぶりに電車にのってみることにしたものとおもわれる。高浜の象徴であるかわらをつかったことで、むかしにくらべてさびれたえき、さびれた鉄道に、ふたたびぢもとのひとたちのめをむけさせることになっただ。えきまえにあるいくつかのみせも、やっとるだかやっとらんだかわからんとこがいっぱいっていうような、まったく活気がない状況なだけど、すてきなおにのみちともども、高浜港のえきとほのまわりにむかしのにぎわいがもどることをいのる。


(さんこう)