名古屋地下鉄も還暦 - 2017年11月15日

きょう2017年11月15日、名古屋地下鉄が還暦をむかえた。名古屋地下鉄っていうと、やっぱりきいろい電車っていう印象がつよい。ほれと、女性専用車両ね。ちゃんと列車の中央部にあるのもいい。さいきんじゃあ、ホームドアの設置がはやかった。東山線桜通線はまあはい全駅にあるもんね。1957年に2.4キロで開業した名古屋地下鉄が、いま、93.3キロの路線網になっとる。これから、より便利に、よりおおくのひとを、よりはよはこぶ公共交通機関をめざしてほしいな。

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名古屋地下鉄が15日に還暦、かかせぬ路線網に

中日新聞 - 2017年11月14日夕刊)

  • 名古屋市営地下鉄は2017年11月15日、開業から丸60年たち「還暦」を迎える。1957年に1号線(いまの東山線)名古屋-栄町(いまの栄)間の2.4キロが開通してから、現在は6路線、93.3キロの路線網に。1日100万人以上が利用し、市民の暮らしに欠かせない都市基盤の一つに成長した。
  • 地下鉄開通は東京、大阪に次いで全国3番目。1965年には2号線(いまの名城線)市役所-栄町(いまの栄)間が開業し、鶴舞線桜通線も相次ぎ開通。人口増加や高度経済成長を背景に、路線を延長し、昨年度2016年度は1日平均で129万人が利用した。2004年に全線開通した名城線は、全国初の地下鉄の環状運転となっている。
    名古屋市営地下鉄60年の歴史(ちゅうにち) 293-420 〔かくだい〕
  • これまでに全87駅にエレベーターの設置が完了。2011年にはICカード「マナカ」のサービスを開始した。女性専用車両は2002年、全国の地下鉄で初めて東山線に試行導入し、2015年には平日の全時間帯に拡大。名城線名港線でも昨年2016年7月から、午前9時まで運行している。
  • 転落や列車との接触を防ぐ可動式のホームドア東山線桜通線上飯田線の全45駅に設置。名城線名港線は2020年度中を目指し整備を進める。経常収支は昨年度2016年度、およそ160億円の黒字だったが、累積赤字は2,400億円超に上る。
  • 河村たかし市長は「小学生のころに乗りに行った記憶がある。僕らぐらいの団塊の世代には思い出たっぷり」と振り返り、「市民の重要な移動手段。もっと面白く、いろいろ挑戦していい」と話す。
    (梅田歳晴さん)
  • 「一番列車 - 誇りと緊張」当時の車掌の一柳さん
    ひんやりとした地下のホームは、開業の熱気に包まれていた。60年前、1957年11月15日、一番列車の車掌を務めた元市交通局職員の一柳義正さん(78)=名古屋市守山区=は「誇らしさと『とにかく安全に』との緊張で、体が熱くなった」。
    1957.11.15 名古屋 - 栄町いき(ちゅうにち) 610-390
  • 岐阜県美並村(現郡上市)出身。高校卒業后、就職先を探していた時に新聞で地下鉄の求人広告を見つけた。1カ月後、合格が決まり、研修が始まった。電車の構造やレールの仕組み、車掌に必要なアナウンス技術などを学び、11月の開業を迎えた。
  • 当日は小林橘川(きっせん)市長(当時)らが駆けつけた。長年、地下鉄の顔だった黄色い車両は、当時としては珍しい扇風機付きで、特殊な車輪で静かに走れる最新型。「取材に来たマスコミに性能を喜んで解説しました」
  • 式典の後、来賓らが乗り込んだのを確認した駅長の合図を受けて「出発進行!」と呼び掛けた。ブラスバンドの演奏が流れ、市職員らが見送る中で電車は動きだした。安全確認のために開けた車掌室の窓からほほをなでる風が、高ぶる気持ちを落ち着かせてくれた。
  • 一柳さんはその后、運転士や駅勤務を経て交通局運転課長などを歴任。1999年に退職するまで多くの新路線の開業に携わった。
    名古屋地下鉄一番列車の車掌一柳義正さん(ちゅうにち)
  • 「わずか2.4キロだった線路が、93.3キロまで延びるとは思ってもいなかった」と驚きつつ、「これからも便利に快適に使ってもらうため、安全運転を」とエールを送った。
    (井本拓志さん)
    (名古屋地下鉄が15日に還暦、かかせぬ路線網に - 2.4キロ → 93.3キロ:一面:中日新聞(梅田歳晴さん、井本拓志さん)|2017年11月14日夕刊)

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(さんこう)