2022年3月17日、もくようび、平日。おとなのえんそくとして、大高城にいってきた。天下とりに上洛をめざす今川義元が、ついにたどりつけんかった大高城だ。ゆかりの丸根とりで、鷲津とりでってみたあと、常滑街道をすすんで大高城と「じょうかまち」をみてきた。ほのひざくりげ道中のようすを、いきかえりののりもん道中とあわせて以下に紹介する。
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いきののりもん道中
ふるい9時2分、しんあんじょういきふつうのあっかい電車にのる。電車は3120編成2両3100系きんぎょばちで、スカートをはいた気品ある容姿だ。乗客はベンチシートに5わり。
みなみあんじょうで西尾いきふつうのあっかい電車といきちがい。
9時10分、しんあんじょうは2番のりばにとうちゃく。みぎ3番のりばに犬山いきふつうのあっかい電車がまちあい。
西尾線から名古屋本線にのりかえ。こせんきょうをのぼりおりして、3、4番のりばに移動。4番のりばからでていく岐阜いき特急のぎんいろ電車をみおくり。3番のりばにまちあいしとった、犬山いきふつうのあっかい電車がでていくのもみおくり。
3番のりばにはいってきた、しんあんじょう9時18分、弥富いき急行のぎんいろ電車にのる。西尾線から名古屋本線にはいっていく電車だけど、ざんねんながらふるいにはとまらん。
知立に停車。しんあんじょうから同乗しとった運転士さんに交代。しんあんじょうから交代しとってもよさそうなもんだけど、知立で交代するってきまっとるだ。しんあんじょうから同乗しとったのは、きっと西尾線の乗務をおえたあとだっただ。
一ツ木を通過して、豊川稲荷いき急行のあっかい電車とすれちがい。
豊明は4番のりばに停車。むかいの3番のりばに、犬山いきふつうのあっかい電車がまちあい。
前后に停車。東岡崎いきふつうのあっかい電車とすれちがい。
高架の中京競馬場前から地平におりてひだりにゆみなっていくとこで、豊橋いき快速特急のパノラマスーパーとすれちがい。
9時34分、高架の鳴海(なるみ)は1番のりばにとうちゃく。むかいの2番のりばに、犬山いきふつうのぎんいろ電車がまちあい。はんたい線3番のりばに、東岡崎いきふつうのぎんいろ電車がまちあい。
のってきた電車がでていくのをみおくり。のりばから地平におりて、かいさつからみなみぐちにでる。
電車からバスにのりかえ。鳴海駅9時45分、名鉄バスイオンモール大高いきバスにのる。乗客は15人。そこそこのっとるか。
にしむきにロータリーをでて、左折。鳴海栄交差点を左折。
国道1号線をひがしにすすむ。ところで、つぎは緑区役所バス停♪の自動放送がはいる。あ、名鉄バスもとまるようになったのか。じつはこの路線、市バスと重複しとって、まえに名鉄バスにのったときは緑区役所バス停にはとまらん設定だった。
大高緑地交差点を右折。
みなみにすすんで、緑区役所バス停に停車。
のぼりざかにはいって、緑区役所前交差点を直進。
うまのせをこえて、きりとおしをくだっていく。
亀原(かめはら)交差点で市バスのはんたいバスとすれちがい。
定刻の9時53分から1分おくれで大高緑地西(おおだかりょくちにし)バス停にとうちゃく。ひだりに大高緑地がひろがる。
ひざくりげ道中
のってきたバスが砦前(とりでまえ)交差点にむかっていくのをみおくり。いや、とりでまえって、ここにどんなとりでがあるのか。
大高緑地とははんたいのみぎがわ、にしがわにはいっていく。山腹の住宅街をぬけて丸根とりでののぼりぐちにとうちゃく。わきに丸根とりでの説明がきがあって、つぎのようにかいてある。
「1559年、信長が今川義元の上洛にそなえて、鷲津とりでなどといっしょにきずいたとりでのひとつ。大高城のひがし800メートル、鳴海からのびる丘陵の先端にきずかれた。1560年5月19日、桶狭間のたたかいのとき、佐久間盛重(さくまもりしげ)を将とした織田がたがたてこもったけど、松平元康(まつだいらもとやす)の軍と激戦のすえ全滅した」。
松平元康はのちの徳川家康。このときは今川がたにくみしとっただ。
てっぺんまでのぼってみるけど、こだちにさえぎられてみはらしがきかん。ただ、東海道線をいく電車のおと、貨物列車のおと、新幹線のおとがきこえる。
とちゅうまでおりてきたとこで、にしをみはらす。東海道線のだいぶむこう、こだちにおおわれたおかのへんが大高城か。
丸根とりでをうらがわにおりたとこで、また説明がき。「丸根とりでができたのは、大高城が義元のてにおちたあとのこと」とのこと。
鷲津とりでをめざして、丘陵地帯を西北方向にむかう。丘陵地帯ってってもびっしり住宅街になっとる。
みぎに風かおる丘幼稚園。てきとうなとこで左折。すすんで、丸根橋をわたる。はしってっても、道路をわたるはしだ。住宅街のなかの生活道路が立体交差しとるってことにおどろく。
丸根橋をわたったひだりにりっぱな洋館。個人宅だ。
すすんで、みちのひだりがわがくだり斜面のこだちにかわる。みぎはひきつづき住宅街。
すすんで、ひだり、小公園のとこに鷲津とりでを発見。いや、丸根とりでがこやまをのぼってたどりついたのにたいして、ここ鷲津とりでは丘陵地帯を水平移動しただけであっけなくたどりついた。丘陵地帯のはしのがけのうえにあるだ。一角に鷲津とりでの説明がきがあって、つぎのようにかいてある。
「大高城東北700メートルのおかのうえにある。1559年、大高城の今川がたをけんせいするためにつくられた。大高と鳴海をむすぶ交通路をおさえる位置にある。1560年5月19日、桶狭間のたたかいの初戦に飯尾定宗(いいのおさだむね)らがたてこもり、今川の重臣朝比奈泰能(あさひなやすよし)の軍勢にせめられて全滅」。
信長が義元に勝利した桶狭間のたたかいだけど、このふたつのとりでにおける局地戦では義元がかっとるだ。
鷲津とりでから西北方向におりていくとこで、大高駅のほうをみはらす。えきからみぎにでていく電車。えきのうしろのほうにみえるおかが大高城か。
平地におりてほのまま住宅街を西北方向にすすんで、常滑街道につきあたり。左折して常滑方面にむかう。進行方向は西南方向。グーグル地図をみとって発見した常滑街道だけど、こんなとこを、知多半島西岸の常滑につながる街道がとおっとるとは意外だ。ほいで、この常滑街道が大高城につながっとることがわかって、このみちをいくことにした。
ちょこっといって、幹線道路をよこぎる。ここを左折すると砦前(とりでまえ)交差点にいけるってとこだ。
新幹線をくぐるてまえ、みぎに中之郷津島社秋葉社。わきに大高歴史会の説明がきがたっとって、つぎのようにかいてある。
「江戸時代、中之郷は大高村の枝郷(えだごう)で、鳴海と大高のなかほどに位置。このやしろのまえのみちがふるくからの常滑街道。明治なかばに柴田の千鳥橋の経路ができるまでは、熱田から、知多の要所の大野、常滑、半田方面への主要路だった。このみちが東海道線をよこぎるふみきりは『第2ふみきり』ってよばれとった」。
いま熱田から知多半島のほうにいくっていうと、神宮前駅から常滑線をみなみにいくだけど、常滑線はここよりまっとにしのほうを南北にとおっとる。むかしはうみがまっと内陸まではいりこんどって、鳴海、大高まわりでいく経路になっとったってわけか。
いきかう自転車とすれちがったりしながら、新幹線と東海道線をくぐる。
また、幹線道路をよこぎる。ここを左折すると大高駅にいけるってとこだ。みちのさき、つきあたりに小学校。ひのまるがあがっとって、盛装した父兄もみえる。卒業式か。常滑街道はすぐにひだり45度に左折。すすんで小学校のわきをいく。小学校のなまえは大高北小学校だった。
みぎにくのって、すぐみぎに大高町八幡社。銅板ぶきひらいりちどり破風、唐破風(からはふ)の向拝もついたりっぱな拝殿だ。本殿も銅板ぶきひらいりで、垂直ちぎかつおぎつきのりっぱなもん。
大高町八幡社のむかいに木造のふるいおやしき。
すすんで、ひろい道路をよこぎる。
すすんで、あおいらんかんのついたたいこばしをわたる。かわは大高川で、はしのなまえは大橋。大橋っていうほどにおおきなはしじゃないだけど、常滑街道がとおっとることにたいして敬意をしめしとるにちがいない。
ひだりかわかみ。
わたったすぐひだりに江明公園(えみょうこうえん)。ところで一角にいしぶみがあって、知多郡大高町やくばあとちってかいてある。いや、大高って知多郡になるのか。知多郡っていうと、名鉄常滑線で神宮前からみなみにいったほうって認識しとっただけど、東海道線のえきがある大高がまさか知多郡に属しとるとはおもいもよらんかった。ほいで、ここにやくばがあったってことは、常滑街道ぞいのこのあたりがむかしっからのまちの中心だったにちがいない。
常滑街道のつきあたりに尾関百貨店。みせのシャッターはおりとるだけど、この百貨店ってなづけがいいな。
常滑街道は、尾関百貨店のつきあたりT字を左折していくだけど、右折したほうにも街道のふぜいをかんじて、いってみる。ひだり、尾関百貨店のつぎに宇治茶嘉木園。まちや。みぎに神の井酒造。
もどって、尾関百貨店のつきあたりT字を左折。
常滑街道は、またすぐに右折。ほのかどに秋葉社があって、ふだのつじの説明がき。
「古来このあたりを『つじ』っていって、大高の中心だった。江戸時代なかばにはいちがひらかれ、にぎわったばしょ。こうさつばもここにあった。明治になってさいしょのやくば、郵便局、学校もこのあたりにもうけられた」とのこと。やっぱりほだった。
ふだのつじを右折して、常滑街道をすすむ。左右は住宅街。
左折して、大高城ののぼりぐにとうちゃく。こっちからあがっていくだったのか。
のぼったとこは山上ひろばってなまえのひらばで、遠足の園児らがべんとうをくっとる。のどかな光景だ。
ひがしに丸根とりでのほうをみはらす。大高城もおとして、丸根とりでと鷲津とりでの織田勢もけちらしといたのに、義元は大高城にはいることができんかった。沓掛城から大高城にむかうとちゅう、桶狭間で小休止しとったとこでよこからきた信長本隊にうちとられちゃっただ。
東北方向に鷲津とりでがみえるはずだけど、こだちがじゃましてようわからん。
もどって、常滑街道をすすんで、みぎに本町公会堂。説明がきに、「本町どおりは大高有数の商店街だった。公会堂は、もとじへいさのまんじゅうやだった」ってかいてある。ふだのつじからの常滑街道は、本町どおりのなまえもついとるだ。
すすんで、常滑街道が右折するとこで、そとがわに万乗醸造(ばんじょうじょうぞう)の土蔵とレンガのえんとつ。
万乗醸造右折して、さらに常滑街道をすすんでいく。左右は住宅街。
すすんで、ひだりみちばたに常滑街道のみちしるべ。「左ひらしま|右よこすか」ってかいてあるだけど、常滑街道はひだりひらしまのほうにいく。わきに説明がきもあって、「このおじぞうさまは、ここの地名から折戸じぞうともいわれるけど、ただしくは新町にしぐち地蔵尊っていう。ここが新町の町内であることと、このあたりがにしぐちっていわれとったでだ」ってかいてある。ここが大高の「じょうかまち」のにしのはしになるだ。
ここまでみてきたとこで、ひきかえすことにする。きたみちをひきかえすのも芸がなく、てきとうにまちなかをぬけていく。とちゅう、山盛酒造のふるいこうばを発見。清酒タカノユメのかんばんがでとる。ほいから、曹洞宗薬師寺におまいり。
ふだのつじまででたとこで、ほっから尾関百貨店とははんたい方向にいってみる。大高川と平行にさかのぼるかたちだ。みぎに中日新聞近藤新聞店。中日新聞大高ともかいてある。ひだりに江明公会堂(えみょうこうかいどう)。説明がきもあって、「江明(えみょう)は江戸時代、きめられたひにいちがたってにぎわった。このあたりをむかしっから『よめちば』ってよんどるのは、『江明いちば』からの変化か」ってかいてある。いや、ほうにちがいない。
ふだのつじのほうにひきかえすとちゅう、右折して大高川にかかる山本橋をわたって、大高の「じょうかまち」をあとにする。
いきはバスをつかってきたけど、かえりは東海道線もつかって金山まわりでかえることにする。
てきとうにあるいて大高のえきにむかうとちゅう、古民家喫茶ポプリってみせでスパゲッティーのひるごはん。ごちそうさまでした。
かえりののりもん道中
かいさつをはいって、大高のえきののりばにあがる。西南方向、えきまえから大高城にかけてみはらせて、写真をとってみたいなっておもっただけど、あまりにえきがさっぷうけいでやめる。1番のりばのまえに南方貨物線の撤去あとがきたないままのこっとるし、さらに遮音壁もきたない壁面をむきだしにしとるだ。
のりばはしましきのりばで、1番のりばむかいの2番のりばのうしろを新幹線がいく。
さて、定刻から2分おくれで1番のりばにはいってきた、大高14時8分の岐阜いきふつうにのる。名鉄だと電車が定刻よりおくれることはないだけど、JR東海は平気でおくれてくるだ。乗客もなれっこになっとるみたいで、動揺はない。電車は、先頭クハ310-2のG2編成4両311系ステンレス電車。
しゅっぱつしてすぐに、豊橋いき快速の313系ステンレス電車とすれちがい。
扇川と天白川をわたる。
地平におりて、みぎ、新幹線とすれちがい。
貨物列車とすれちがい。EF210-10。
笠寺(かさでら)は、ひだりかためんのりばの4番のりばに停車。
ひだりにゆみなっていく新幹線をくぐったとこで、豊橋いきふつうの313系ステンレス電車とすれちがい。
高架をあがって、貨物列車とすれちがい。EF210-12。
地平におりて、東海道をよこぎる。鳴海宿から宮宿にいく東海道をここでよこぎる。
みぎ、名鉄神宮前のえき。常滑線はここで名古屋本線と合流する。
熱田(あつた)に停車。
みぎ、名鉄名古屋本線をいく豊橋いき急行のあっかい電車とすれちがい。
14時18分の定刻から2分おくれで、金山(かなやま)は4番のりばにとうちゃく。むかいの3番のりばにとまっとるのは、豊橋いき新快速の313系ステンレス電車。
名鉄にのりかえ。金山(かなやま)14時26分、吉良吉田いき急行のあっかい電車にのる。
神宮前(じんぐうまえ)をでて、ひだりにゆみなりながらどてうえ高架をあがっていくとこで、岐阜いき特急のこおろぎ特急とすれちがい。
14時30分、堀田(ほりた)にとうちゃく。
かいさつをでて、えきしたアローザでいっぷく。
かいさつをはいりなおして、堀田(ほりた)15時38分、豊川稲荷いき急行のこおろぎ塗装にのる。うしろはぎんいろ電車。
16時1分、しんあんじょうは5番のりばにとうちゃく。
こせんきょうをのぼりおりして、2番のりばに移動。しんあんじょう16時7分、西尾いきふつうのあっかい電車にのる。きんぎょばちときんぎょばちの連結。
16時15分、ふるいにとうちゃく。おとなのえんそくをおえる。