- 2018年3月28日、千頭(せんず)からまたさらに大井川をきたに井川(いかわ)までいく。
- せんず-かわねりょうごく-さわま-どもと-かわねこやま-おくいずみ-あぷといちしろ-ながしまだむ-ひらんだ-おくおおいこじょう-せっそきょうおんせん-おもり-かんぞう-いかわ
せんず
金谷(かなや)からのった南海号を終点の千頭でおりて、ホームを移動。井川いき列車にのりかえ。ふつうのホームより3段もひくいホームにとまっとる列車は、はばもレールのはばしかないこぶりなもんだ。塗色はあかちゃいろで、側面にしろいふといおびがはいっとる。車体形状は側面、前面とも垂直で、やね面だけが六角形におれまがっとる。要はかくばらせてないだ。正面からみると、うえのほうの六角形部分についとるヘッドライトがめ、まどしたについとるあおいまるいヘッドマークがはなの、ひとのかおのようでもある。おんなのひとがこれをみたら、かわいいっていうとこだ。
乗車をうながされて先頭車両にのりこむ。いりぐち部分からゆかのたかさへと、ぐいって一段あがる。ホームがひくいぶん、段差がおおきい。せばっ。天井はひくくて、座席はみぎ2列、ひだり1列の3列配置で、一部ボックスシート席にもなっとる固定式クロスシートだ。外観をみても車内にはいってみても、まったくおとぎのくにの電車だ。いや、電車っていったけど、じつは客車を電気機関車がひっぱっていくっていうやつだ。千頭から井川いきだと、4両の客車を最后尾の電気機関車がおしていくかたちになる。客車と客車とのあいだのいききができんのにもおどろく。ほんな通路をつくるような余地がないだ。
わが席はボックスシートのうしろむきで、まえむきにすわっとる先客のおんなのひととむかいあわせ。いや、すけべごころからここにすわったわけじゃなくて、ここしかあいてなかっただ。定刻の10時19分から1分おくれで千頭をしゅっぱつ。とりあえず乗車証明のじどり。
(3) 井川いき列車 - 千頭しゅっぱつ、(4) 千頭-川根両国間
列車は大井川の西岸をきたにすすむ。ことことことっていうか、とろとろとろっていうあか、とにかくほの速度のおそいこと。いや、おとぎのくにの電車にふさわしいはしりっぷりだ。なっとく。
かわねりょうごく
川根両国(かわねりょうごく)。みぎに貨車がとまっとるのは、この井川線を保有する中部電力がつかっとるもんか。井川線はそもそも電源開発にあわせて布設されたもんで、旅客運行は大井川鉄道がやっとるけど、保有は中部電力だ。
みぎにつりばし。
トンネルをくぐって、また、トンネルをくぐる。
またまたトンネルをくぐって、正面とおくに朝日岳(あさひだけ)。車掌さんの案内放送でしる。
(10)、(11) 井川いき列車 - 川根両国-沢間間(朝日岳)
さわま
ひだりホームの沢間(さわま)。
みぎにちゃばたけとあかいはしをみる。静岡だ。
前方にレールをみて、ほのほそさにあらためておどろく。
大井川の支流にかかるはしをわたる。
(15)、(16)、(17) 井川いき列車 - 沢間-土本間
列車はすすむ。
(18) 井川いき列車 - 沢間-土本間(曲線区間でうしろをみたとこ)
どもと
ひだりホームの土本(どもと)。民家は4軒だけで、ほのうち3軒が土本(どもと)さんだげな。
大井川がみぎしたのひくい位置になる。U字谷(ゆーじこく)だげな。金谷から千頭までの、砂州のひろがるゆったりした大井川とはちがう。
かわねこやま
トンネルをくぐって、川根小山(かわねこやま)。「かわ」と「ねこ」と「やま」ってなんだっておもっとったけど、「ねこ」のはいる駅名はめずらしいだげな。
すぐにトンネルをくぐって、みぎしたにちゃばたけがみえる。
ながいトンネルをくぐって、また、トンネルをくぐる。
おくいずみ
奥泉(おくいずみ)はしましきホームみぎに停車。ホームで列車をまっとるひとたちがてをふってむかえてくれる。基幹駅らしく、こっから寸又峡温泉(すまたきょうおんせん)いきバスがでとるげな。
奥泉をしゅっぱつ。
あっかいはしがみえてくる。うしろに朝日岳(あさひだけ)。
(27)、(28) 井川いき列車 - 奥泉-アプトいちしろ間
わが列車もあっかい鉄橋をわたる。
みえとったあっかいはしのねもとをくぐる。
(30)、(31) 井川いき列車 - 奥泉-アプトいちしろ間
トンネルをくぐる。車掌さんの案内放送がはいる。「井川線はもともと貨物専用の鉄道。ダム建設機械をはこんどった。ほれを中部電力から大井川鉄道へ移管。軌間1067ミリの狭軌。トンネルのかず61、鉄橋のかず55で、ほとんどがトンネルと鉄橋」とのこと。また、鉄橋をわたって、トンネルをくぐる。
あぷといちしろ
ひだりにとまっとる電気機関車をみながら、アプトいちしろ(あぷといちしろ)にとうちゃく。
(32)、(33) 井川いき列車 - アプトいちしろ(ひだりに電気機関車)
列車が停止したとこでまえをみると、2本のレールのまんなかにチェーンみたいなもんがひいてあるのがみえる。こっからつぎの長島ダムのえきまで1000分の90っていうどえらいきついさかをあがるために、左右の車輪にくわえてまんなかのはぐるまもまわして、のぼっていかあってわけだ。アプト式っていう。
(34)、(35)、(35-1) 井川いき列車 - アプトいちしろ
列車をおりる。ここで電気機関車を増結する作業があるだ。アプト式用のまんなかにはぐるまをつけた電気機関車を増結する作業が見学できるっていう案内放送にしたがう。
おー、やっとる、やっとる。最后尾の電気機関車のさらにうしろに、アプト式用のでっかい電気機関車を増結しとる。
いや、たのもしいこと。
作業がおこなわれとるはんたいがわ、進行方向ひだりに大井川ダムのダム湖がある。しらんまに大井川の東岸にわたっとっただ。さっきの鉄橋でわたったにちがいない。
(40) アプトいちしろ - 大井川ダムのダム湖(かみからしもにむかってさつえい)
作業完了。
しゅっぱつ、進行!
トンネルをくぐる。
(44) 井川いき列車 - アプトいちしろ-長島ダム間(鉄橋からひだりに下流をみる)
みぎに上流をみる。渓谷のうつくしいこと。鉄橋のさきは、また、大井川の西岸になる。
(45) 井川いき列車 - アプトいちしろ-長島ダム間(鉄橋からみぎに上流をみる)
大井川をみぎにみて列車はすすむ。
(46) 井川いき列車 - アプトいちしろ-長島ダム間(先頭車両みぎまどから后方をみる)
いよいよ1000分の90の勾配(こうばい)にさしかかる。1キロすすんで90メートルあがる。
みぎましたに大井川をみる。
トンネルをくぐって、みぎ正面に長島ダムがみえる。大井川水系でいちばんあたらしいダムだげな。
(49) 井川いき列車 - アプトいちしろ-長島ダム間(長島ダム)
ながしまだむ
トンネルをくぐって、長島ダムのえきにとうちゃく。
はんたい列車をまつあいだに、むかいにすわっとるおんなのひとにたのんで、記念さつえい。
ホームは相対式。
はんたい列車がはいってくるのをまって、しゅっぱつ。
(53) 井川いき列車 - 長島ダム(はんたい列車)、(54)、(55) (スロフ304)
トンネルをくぐって、みぎに長島ダムのダム湖をみる。接岨湖(せっそこ)のなまえがついとる。
また、トンネルをくぐって、みぎに接岨湖。カヌーもみえる。
(57)、(58) 井川いき列車 - 長島ダム-ひらんだ間(接岨湖)
ひらんだ
トンネルにはいるまえで、ひだりホームのひらんだ。
しゅっぱつして、ながーいトンネルにはいる。かべはギャラリーになっとって、写真がいっぱいかかっとる。いや、列車にのっとるのに1枚1枚の写真がみれるって、どいだけおそいだ。
(60)、(61) 井川いき列車 - ひらんだ-奥大井湖上間
また、みぎに接岨湖。
(62) 井川いき列車 - ひらんだ-奥大井湖上間(接岨湖)
列車はすすむ。
さて、みずうみにむかって鉄橋がななめにはいっていく。レインボーブリッジだげな。
(64) 井川いき列車 - ひらんだ-奥大井湖上間(レインボーブリッジ)
レインボーブリッジのうえからひだりに西岸をみる。したのほうにふるい鉄橋があるって、案内放送がはいる。長島ダムの建設にともなって廃線になった旧線の鉄橋だげな。
(65) 井川いき列車 - ひらんだ-奥大井湖上間(むかしの鉄橋)、(65-1) (かくだい)
おくおおいこじょう
みずうみのまんなかで列車がとまる。奥大井湖上(おくおおいこじょう)のえきだ。東岸からでっぱっとる「みさき」のさきっぽにとまっただ。なんにんかのひとがおりるのにつられて、ホームにおりる。みぎうえには展望台。ここでもまち時間があるのかっておもったらすぐに列車は発車で、車掌さんにたのんで乗降とびらをあけてもらってのりこむ。いや、えきにつくごとにぜんぶの車両の乗降とびらのあけしめをせにゃいかん、車掌さんのたいへんなこと。
(66) 井川いき列車 - 奥大井湖上、(67) (展望台)
しゅっぱつ。また、レインボーブリッジで西岸にもどっていく。
レインボーブリッジのうえから、また、ひだりに旧線の鉄橋がみえる。
(69) 井川いき列車 - 奥大井湖上-接岨峡温泉間(むかしの鉄橋)
レインボーブリッジをすすむ。
みぎに上流をみる。
(71) 井川いき列車 - 奥大井湖上-接岨峡温泉間(接岨湖)
西岸にわたってすぐにトンネルをくぐる。
みぎに大井川をみる。まんだ接岨湖のつづきか。
トンネルをくぐる。
せっそきょうおんせん
接岨峡温泉(せっそきょうおんせん)はしましきホームひだりに停車。
みぎがわ、大井川のむこうにちょっとしたまちがみえる。
ここで故障が発生。なんりょうめかのマイク設備が不調だっていう。車掌さんの案内放送がつたわらんだ。けっきょくなおらんくて、当該車両の乗客にはあらかじめ車掌さんがどこでおりるかをきいとくっていう対応をとることに。定刻より5分ぐらいおくれて、接岨峡温泉をしゅっぱつ。
みぎしたに大井川の渓流をみる。っていうか、こだちがじゃましてあんまりみえん。
列車はすすむ。
みぎにつりばし。
トンネルをくぐって、みぎにまたつりばし。
また、トンネルをくぐって、みぎしたに大井川の渓流。やっぱりようみえん。
列車はすすむ。
おもり
ひだりホームの尾盛(おもり)。みちにつながっとらんくて、列車でしかこれん秘境駅だげな。もちろん民家は1軒もない。木材運搬用のえきだって、むかしは宿泊施設もあったとのこと。いや、ホームも風化しかけとる。
また、かわぞいにもどって、みぎしたにたにぞこをみる。
トンネルをくぐって、また、さきをすすむ。
また、トンネルをくぐって、こんどは鉄橋をわたる。鉄橋ってっても対岸にわたる鉄橋じゃなくて、地形上の制約からつくってある鉄橋だ。関の沢(せきのさわ)鉄橋っていうなまえで、にほんいちたかい鉄橋だげな。
トンネルをくぐって、かわぞい方向の鉄橋をわたって、トンネルをくぐる。
みぎましたに渓谷。いや、どんなにましただ。列車のまどからうでをだしてしたむきに写真をとっとるだけど、スマホをおとしちゃやへんかってきがきじゃない。いやいや、ほれよりきんたまがちぢみあがっとる。
トンネルをくぐって、かわぞい方向の鉄橋でみぎにやまをみる。山紫水明(さんしすいめい)。
また、トンネルをくぐって、かわぞい方向の鉄橋でみぎましたに渓谷をみる。
列車はすすむ。
みぎした、こだちのすきまから渓谷をみる。
トンネルをくぐっていく。
(94) 井川いき列車 - 尾盛-閑蔵間(トンネルにはいるまえ)(95) (トンネルをでたあと)
かんぞう
はんたい列車のとまる閑蔵(かんぞう)にとうちゃく。
閑蔵をしゅっぱつ。またしばらくして、みぎしたに渓流。こだちでようみえん。
列車はすすむ。
トンネルをくぐる。
みぎにやまをみる。やまひだの形状から十二単(じゅうにひとえ)ってよばれとるだげな。
列車はすすむ。
(102) 井川いき列車 - 閑蔵-井川間(先頭車両みぎまどから后方をみる)
みぎしたに奥泉ダム。奥泉ってだいぶまえのえきのなまえだけど、ここまで奥泉っていう地名の区域になるのか。いやほれにしても、こんなうえからダムをみおろしたことはない。
(103)、(104) 井川いき列車 - 閑蔵-井川間(奥泉ダム)
みぎうえにやまなみ。
みぎしたに渓谷。
トンネルをくぐる。
みぎしたに蛇行する渓谷をみる。
やまなみをみる。これも十二単。
(110) 井川いき列車 - 閑蔵-井川間(十二単)、(111) 井川いき列車 - 閑蔵-井川間(十二単)
をっ!ダム! みぎに井川(いかわ)ダムがみえる。にほん最古の中空重力ダムだげな。
(112)、(113) 井川いき列車 - 閑蔵-井川間(井川ダム)
いかわ
12時6分、終点の井川(いかわ)にとうちゃく。駅務室のまえで駅員さんが歓迎のボードをかかげてくれる。
列車はまあちょっといって、分岐をひだりにはいったとこで停車。分岐をみぎにいくとすぐにトンネルがあるだけど、ふさがれとる。あとでしらべたら、貨物線としてまあひとえきさきまでいっとったらしい。
いや~、のりものったりだ。起点の千頭からここ井川までの25.5キロを1時間47分かけてやってきた。先頭車両のまえで記念さつえい。
ここまでのってきた列車のよこをとおって、かいさつまであるく。ごくろうさま。
(118)、(119) 井川 - 井川いき列車、(120) 井川 - 井川いき列車
はらがへった。駅舎をでて階段をおりたとこに売店があって、ほこでだんごのみそやきを注文。
◇ ◇
(さんこう)
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- 大井川鉄道井川線 - Wikipedia
- 関の沢橋梁 - Wikipedia
- 川底からの高さは70.8mである。高千穂鉄道高千穂線の高千穂橋梁に次いで高い鉄道橋であったが、同線が廃止されたため、本橋梁が日本一高い鉄道橋となった。観光客へのサービスとして、一部の旅客列車は橋上で観光停車を行なう。