2019年1月にじゅうよっか、豊橋から伊那谷(いなだに)をとおって諏訪(すわ)のくにまでいった。
〔豊橋〕 - 豊川 - 新城 - (大海) - 本長篠 - 湯谷温泉 - (三河川合) - 中部天竜 - 水窪 - 平岡 - 温田 - 〔天竜峡〕 - 【飯田】 - 元善光寺 - 市田 - 伊那大島 - 飯島 - 駒ヶ根 - 宮田 - 伊那市 - 伊那松島 - 〔辰野〕 - 〔岡谷〕 - 下諏訪
◇ ◇
豊橋は4番のりばに特急電車がはいってくる。飯田線を起点の豊橋から中間の飯田までいく特急伊那路1号だ。
のりこむ。
10時8分、しゅっぱつ。
船町(ふなまち)を通過。とよがわをわたる。下地(しもじ)を通過。とよがわ放水をわたって、電車のむきが西北方向から東北方向にかわって、とよがわ流域を上流方向にすすんでいく。
小坂井(こざかい)を通過。牛久保(うしくぼ)を通過。
あっかい電車のよこをとおって、はんたい電車のとまる豊川(とよかわ)に停車。あっかい電車は豊川稲荷(とよかわいなり)に停車中の名鉄電車で、はんたい電車は豊橋いきふつうの313系。複線区間はここ豊川までで、こっから飯田線は単線区間になるだけど、こっからやっと電車は速度をあげる。しばらく市街地がつづいたあとはたけもみえてくる。
三河一宮(みかわいちのみや)は相対ホームで、分岐からひだりにふくらんでゆっくりゆっくり通過。また市街地がつづいたあと、おがわをこえる。
長山(ながやま)も相対ホームで、やっぱり分岐からひだりにふくらんでゆっくりゆっくり通過。こういうのは改善したい。こっから左右はやまやはたけ。
江島(えじま)を通過。
東三河平野(ひがしみかわへいや)もだんだんせばまってきて、とよがわ対岸のやまもだいぶちかくにみえる。
東上(とうじょう)も相対ホームで、やっぱり分岐からひだりにふくらんでゆっくりゆっくり通過。
みぎにたんぼをみてすすむ。とおくにしろいはし。
野田城(のだじょう)は棒線ホームにつき、速度をゆるめんで通過。えきのまわりは宅地と農地が混在。
また、みぎにたんぼ。
新城(しんしろ)に停車。さきにまっとったはんたい電車は豊橋いきふつう。しゅっぱつしてしばらくまちがつづく。
東新町(ひがししんまち)はしらんまに通過。住宅街がつづく。
三河東郷(みかわとうごう)を通過。ちょっといって、みぎにみちのえきもっくる。まえに田口線廃線あとめぐりのバスツアーに参加したことがあるだけど、ほのときのかえりのバスをもっくるでおりて、ほっから三河東郷まであるいて電車でかえったことがある。
大海(おおみ)を通過。2面3線のりっぱなえきだ。豊橋からここ大海まで豊川鉄道により開業しとる。ちなみに、このさきの本長篠(ほんながしの)から分岐しとった田口鉄道も、当初はここ大海から分岐する予定だったっていう。
大海からは鳳来寺鉄道(ほうらいじてつどう)により開業した区間になる。電車はみぎにぐいーんっておおきくまがって、また、ひだりにぐいーんっておおきくまがってすすむ。鳥居(とりい)はしらんまに通過。
とよがわをわたる。
とよがわはほのままひだりにはなれていって、こんどはみぎにとよがわの支流宇連川(うれがわ)をみて、電車はすすむ。長篠城(ながしのじょう)はしらんまに通過。いや、特急電車の指定席にすわっていくじゃあ、つぎつぎと通過していくえきを把握するのはじつに困難だ。すぐまえが運転室っていう座席をとっただけど、ほこに運転士さん以外にふたりものっとって前方視界はふさがれとる。ワイドビューをうりにしとったはずの特急電車なのに。
本長篠(ほんながしの)に停車。とまっとった電車は「本長篠いきふつう」の方向幕がでとるけど留置電車だ。ここ本長篠からひだりに田口鉄道が分岐しとって、鳳来寺(ほうらいじ)から海老(えび)、田口(たぐち)っていうとこにつながっとった。田口鉄道の開業までこの本長篠が鳳来寺をなのっとった。
本長篠のまちをぬけるとすっかり左右はやまになる。
ちょっと人家がみえてきたとこで、しましきホームの三河大野(みかわおおの)は分岐からひだりにふくらんでゆっくりゆっくり通過。えきのすぐみぎに宇連川(うれがわ)。
宇連川の渓流をみぎしたにみて、すすむ。
湯谷温泉(ゆやおんせん)に停車。
鳳来峡(ほうらいきょう)をいく。
三河槙原(みかわまきはら)をゆっくり通過。宇連川にかかるあかいはしをくぐる。
みぎに宇連川の清流をみてすすむ。柿平(かきだいら)はしらんまに通過。
とおくに道路橋。たかいとこをとおってやまの中腹にむかっていく。いま地図をみてみると、浜名湖のほうからきたにのびてきた「佐久間(さくま)道路・三遠(さんえん)道路」ってのがこのへんまできとる。ほれだったのか。「三遠」は三河(みかわ)と遠江(とおとうみ)の意味。
三河川合(みかわかわい)を通過。鳳来寺鉄道はここまできとった。こっからは三信鉄道(さんしんてつどう)により開業した区間になる。「三信」は三河(みかわ)と信濃(しなの)の意味。
電車はいちだんとやまおくにはいっていく。
トンネル、また、トンネル。トンネルがいっぱい連続して、さいごのいちばんながい池場(いけば)トンネルをくぐって分水界をこえる。とよがわ水系から天竜川水系にうつっただ。
すぐに池場(いけば)を通過。こっからは、地面にふったあめは最終的に天竜川にながれこんで、さいご浜松のにしで太平洋にそそぐ。線路のひだりに平行するかわは、むこうにむかってくだっていく。
東栄(とうえい)を通過。東栄町(とうえいちょう)ゆいつのえきではあるけど、えきはまちの区域のみなみのはずれにあって、まちの中心部ははるかとおくだ。このえきが愛知県さいごのえき。
やまの中腹に人家。トンネルをいっぱいくぐる。かわをわたる。
また、かわをわたる。
線路のわきに人家。出馬(いずんま)はいずんのまにか通過しとった。出馬から静岡県になる。
上市場(かみいちば)を通過。ちょっとしたまちだ。
浦川(うらかわ)を通過。
大千瀬川(おおちせがわ)をわたる。天竜川の支流だ。出馬(いずんま)から平行してきとったかわも、ここよりちょこっと下流でこの大千瀬川に合流する。
ちょこっとすすんで、また大千瀬川をわたる。かわがおおきく蛇行しとるだ。さっきはみなみにながれるかわを東北方向にわたっただけど、ほっからかわが蛇行してきたにながれるようになったとこでまた東北方向にわたったってわけだ。このあと大千瀬川はまた東北方向にながれる。出馬(いずんま)から平行してきとったかわは、大千瀬川がきたにむきをかえるまえに合流した。
2回めに大千瀬川をわたってすぐにあったはずの早瀬(はやせ)はしらんまに通過。
電車は大千瀬川をひだりにみてはしって、下川合(しもかわい)はしらんまに通過。
大千瀬川がきたからながれてきた天竜川に合流したとこで、ひだり対岸にまちがみえてくる。ここは天竜川がおおきく蛇行しとるとこで、みなみにながれてきたかわがひがしにむきをかえてまたすぐにきたにむきをかえて、さらにひがしにむきをかえて、また、蛇行ののちさいごみなみにむきをかえるっていう複雑なながれになる。大千瀬川は天竜川がみなみむきからひがしむきにかわるとこで合流しただ。対岸のまちは、おおきく蛇行する天竜川にとりかこまれた中部(なかべ)のまちだ。
中部天竜(ちゅうぶてんりゅう)にとうちゃく。まちは対岸にあって、えきとは天竜川でへだてられとるけど、駅名の「中部」は「なかべ」ってよむべきだ。「ちゅうぶ」じゃあどこのことだかわからん。ここで豊橋いき特急伊那路といきちがい。豊橋と飯田のあいだを1日2往復する特急伊那路の中間地点がここ中部天竜になるだ。
中部天竜をしゅっぱつ。
天竜川をわたる。
佐久間(さくま)を通過。有名な佐久間ダムはひだりのやまをこえたとこにある。
電車は天竜川からはなれて、東北方向にやまのほうにすすんでいく。
ほのまま峰トンネルっていうながーいトンネルをくぐる。
電車は天竜川の支流水窪川(みさくぼがわ)流域にでた。水窪川は天竜川のひがしに平行するかわで、電車はトンネルをでたとこからすぐにひだりにまがって、水窪川をさかのぼるかたちできたにすすんでいく。この区間、天竜川のほうが佐久間ダムのダム湖になっとるのにたいして、水窪川のほうはせばいながらも平地があってまちもある。
相月(あいづき)を通過。
トンネルをいくつかくぐる。たにごえの鉄橋をわたっとるとこでは保線作業のひとたちとすれちがい。ほんとにごくろうさま。
城西(しろにし)を通過。
水窪川をしたにみて電車はすすむ。
はしをわたって水窪川の東岸から西岸にわたるのかなっておもったら、また東岸にもどる。ブーメランばしだ。地形がせばくて線路をひく余地がなくて、かわのうえに線路をひいたってわけだ。
向市場(むかいちば)を通過。
水窪(みさくぼ)に停車。
すぐひだりしたが水窪川で、水窪のまちは対岸にひろがる。筆者も以前おとずれたことがあるけど、このまちが遠江(とおとうみ)北部の拠点だ。
ぐいーんってひだりにまがって、大原トンネルっていうながーいトンネルをくぐって、また、天竜川のほうにもどる。
大原トンネルをでたとこですぐにしましきホームの大嵐(おおぞれ)。えきの所在地は静岡県になるだけど、対岸にある愛知県旧豊根村の玄関ぐちとなるえきだ。ひだりにみえるりっぱな駅舎も旧豊根村がつくったもんだ。
電車はひだりしたに天竜川をみて、トンネルをいっぱいくぐりながらすすむ。小和田(こわだ)はしらんまに通過。秘境駅としてしられるえきで、このえきが静岡県さいごのえきだった。
つぎの中井侍(なかいさむらい)もしらんまに通過。どんなさむらいがおったのか。このえきも秘境駅としてしられるえきで、このえきが長野県さいしょのえきだった。ほいから、小和田までは対岸が愛知県だったけど、中井侍からは両岸とも長野県になる。
伊那小沢(いなこざわ)はどういうわけかゆっくりゆっくり通過。このえきも秘境駅。
ひだりしたにうすみどりいろのうつくしいはしがみえる。鶯巣(うぐす)はまたしらんまに通過。
平岡(ひらおか)に停車。しましきホームのえきで、天竜村(てんりゅうむら)の代表駅だ。
みどりいろの鉄橋で天竜川の支流をこえる。
ひだりに平岡ダムのダム湖。佐久間ダムの上流に、つづいてこんなダムがあっただ。為栗(してぐり)はしらんまに通過。このえきも秘境駅。いや、大嵐で天竜川東岸にでてからじつに秘境駅だらけだ。三信鉄道はよくぞこんなとこに電車をはしらせたもんだって感心するとともに、この天竜川ぞいの経路が愛知県と長野県をむすぶ鉄道の経路として適切だったのかっていう疑問もわく。稲武(いなぶ)から飯田にぬける国道153号線、または東栄町(とうえいちょう)から飯田にぬける国道151号線にそって線路をひいたほうがよかったじゃないかってきがする。あるいは、まあはい廃線になっちゃっとるけど、本長篠(ほんながしの)から分岐して田口(たぐち)にいたる田口鉄道を復活させて、飯田まで延伸するとか。
いましばらく平岡ダムのダム湖をみて、電車はすすむ。
天竜川もふつうのながれにもどって、対岸にまちがあらわれてうつくしい斜張橋をみたあと、しましきホームの温田(ぬくた)に停車。所在地は泰阜村(やすおかむら)になるだけど、地図をみて推測するに対岸の阿南町(あなんちょう)の玄関ぐちか。
田本(たもと)はしらんまに通過。このえきも秘境駅。
門島(かどしま)を通過するとこで、ひだりにあかいはし。
ちょっといって、天竜川のかわらに変電所。
またひだりにダム湖。泰阜(やすおか)ダムのダム湖だ。唐笠(からかさ)はしらんまに通過。このえきが、天竜峡(てんりゅうきょう)のえきを起点とする天竜ラインくだりの終点になる。いやほれにしても、特急電車にすわっていったじゃ、まったくえきが把握できん。
ひだりかためんホームの金野(きんの)を通過。天竜川からちょこっとはなれとるだけど、このえきも秘境駅。
天竜川をひだりしたにみて電車はきたにすすむ。千代(ちよ)はしらんまに通過。このえきがさいごの秘境駅。
天竜川の西岸にわたる。
12時24分、2面3線の天竜峡(てんりゅうきょう)はいちばんひだりのかいさつ直結の1番のりばにとうちゃく。さきにしましきホームひだりがわの2番のりばにまっとったのは、ここ天竜峡始発の茅野(ちの)いきふつう。特急券は飯田までかってあっただけど、ここで茅野いきふつうにのりかえることにする。特急伊那路1号で豊橋からここ天竜峡まで116.2km、2時間16分、51.3km/h。特急で表定速度50キロってのはじゅうぶんにおそいだけど、こいだけ山岳区間をはしってきたってことをかんがえや健闘しとるってとこか。ここまでが三信鉄道が開業した区間で、こっからは伊那電気鉄道が開業した区間になる。
構内ふみきりをわたって2番のりばに移動。2両編成の茅野いきふつうにのりこむ。
天竜峡は温泉のまち。すぐみぎに天竜川にかかる姑射橋(こやばし)があって、このはしをわたったむこうがわに天竜ラインくだりの乗船場もある。一大観光地だ。
12時33分、天竜峡をしゅっぱつ。正面のとおくたかいとこにみえる中央アルプスにむかって電車はすすむ。
山岳区間から一転して地形がぐーってひらける。伊那谷(いなだに)がはじまった。
みぎに天竜川。
ひだりかためんホームの川路(かわじ)に停車。やけにあたらしいえきだ。ちょっとまってからしゅっぱつ。
ちゃいろいはしで天竜川の支流をこえる。
正面はるかむこうのたかいとこにゆきをいただくのはみなみアルプスか。
みぎ、天竜川にかかるあっかいはし。
相対ホームの時又(ときまた)に停車。
車内は2とびら転換クロスシートで、車両はクハ212-5001とクモハ213-5001の213系2両編成。
ここで3分停車。313系の豊橋いきふつうのとうちゃくをまって、しゅっぱつ。
くだりながらのひだり曲線。
ひだりかためんホームの駄科(だしな)に停車。
くだっていく。天竜川の上流にむかっとるはずなのに、どういうわけかくだっていく。
ひだりかためんホームの毛賀(けが)に停車。
相対ホームの伊那八幡(いなやわた)に停車。まちだ。
ひだりにまがっていくとこで、前方にまちがみえてくる。飯田のまちか。
進行方向がにしむきにかわって、みぎかためんホームの下山村(しもやまむら)に停車。愛知県東加茂郡(ひがしかもぐん)の旧下山村じゃなくて、飯田市内の下山村だ。
電車は正面にたちはだかる中央アルプスにむかっていく。
みぎかためんホームの鼎(かなえ)に停車。りっぱな駅舎のあるえきだけど、2013年に無人駅になった。
まんだ中央アルプスにむかっていく。
ぐいーんってみぎにまがってきたむきになるとこで、ひだりかためんホームの切石(きりいし)に停車。
すぐに天竜川の支流松川(まつかわ)をこえる。
13時2分、2面3線の飯田(いいだ)にとうちゃく。松川をわたってから電車はくねくねまがりながらさかをのぼってきて、進行方向は東北方向になっとる。ここが伊那谷(いなだに)の中心都市なだけど、ほのわりにえきはあっさりしとる。
わが茅野いきふつうのとなりにとまっとったのはJR東日本の飯田いきふつう。JR東日本の電車がここまでのりいれてきとるのか。
13時4分、飯田をしゅっぱつ。
電車は飯田の市街地をすすむ。
進行方向がひがしむきにかわって、みぎかためんホームの桜町(さくらまち)に停車。飯田のまちごしにみえるやまやまは、伊那谷のひがしをさえぎるみなみアルプス。雄大なふうけいだ。
電車はくだっていく。
みぎかためんホームの伊那上郷(いなかみさと)に停車。
きりとおしをくだっていく。
みじかいトンネルをくぐる。
進行方向は東北方向にかわっとって、飯田のまちがみぎしたにみえる。ほのむこうに天竜川がながれとって、さらにむこうにみなみアルプスがそびえる。伊那谷はひろい。たにとはなばかりで実質は平野だ。伊那谷の別名が伊那平(いなだいら)で、善光寺平(ぜんこうじだいら)、松本平(まつもとだいら)、佐久平(さくだいら)とあわせて長野県の4大平(よんだいたいら)っていう。
電車はなおもくだっていく。ところで、伊那上郷(いなかみさと)とつぎの元善光寺(もとぜんこうじ)のあいだに、リニア飯田駅とののりかええきを設置するようじもとが要望しとるってことで、なんかげんばにいごきがあるかっておもってみてきただけど、みぎに重機がなんだいもおいてあったとこがほのばしょだったのか。あるいは関係なかったのか。いやほれにしても、あんなにじもとが在来線の飯田駅にリニア駅を併設してくれって要望したのに、ほれを無視しただけじゃなくて、飯田線とののりかええきさえつくる予定をせんかったJR東海ってなんだ。つながってこその鉄道だぞ。
2面3線の元善光寺(もとぜんこうじ)に停車。はんたい電車は313系の天竜峡いきふつう。ここも2013年に無人駅になった。
市街地はとぎれ郊外のふうけいにかわる。
みぎ曲線のとちゅうう、みぎかためんホームの下市田(しもいちだ)に停車。
左右に果樹園。
ぐいーんってひだりにまがって、進行方向がきたむきにかわったとこで、相対ホームの市田(いちだ)に停車。まちだ。ここは無人化をさけるために、じもと負担で駅員を配置しとる。
市街地をぬけて左右にたんぼ。
ちいさなかわをわたってすぐに、みぎかためんホームの下平(しもだいら)に停車。えきのすぐみぎはたんぼだけど、ほのむこうにアピタ。
ひだりかためんホームの山吹(やまぶき)に停車。もともとは相対ホームだったもんが、はんたい線のレールがはがされとる。
電車はくねくねくねくねすすむ。河岸段丘(かがんだんきゅう)だでか。河岸段丘ってのはふぞろいのたかさのつくえをならべてあるようなもんで、つくえからつくえにうつるのにどうしても曲線にならざるをえんだ。
いしづくりのアーチ橋をくぐる。
まあひとついしづくりのアーチ橋をくぐる。なんだったのか。
ひだり前方に中央アルプスのゆきやま。
相対ホームの伊那大島(いなおおしま)にとうちゃく。8分停車。ここも無人化をさけるために、じもと負担で駅員を配置しとる。
はんたい電車もないまま伊那大島をしゅっぱつ。
みぎ、まちのむこうにみなみアルプス。
くだってみぎにまがる。
さびさびの鉄橋で天竜川の支流をこえる。電車はみぎにひだりにおおきくまがりながらすすむ。いやほれにしても、速度のおそいこと。
相対ホームの上片桐(かみかたぎり)に停車。ここでなんにんかのってくる。
みぎにみなみアルプスのゆきやまをみる。
ひだりかためんホームの伊那田島(いなたじま)に停車。えきのまわりはなんにもない。
線路わきにゆきがのこる。
大沢信号場(おおさわしんごうじょう)を通過。
ひだりかためんホームの高遠原(たかとおばら)に停車。ここもえきのまわりはなんにもない。高原っぽいふんいきがあって、天竜川からはだいぶはなれとる。
天竜川の支流をこえる。
地形がひらけて圃場整備(ほじょうせいび)されたたんぼんなかをいく。
みぎとおくにみなみアルプスの高山がつらなる。
2面3線の七久保(ななくぼ)にとうちゃく。
ここで5分停車。
はんたいから313系の天竜峡いきふつうがはいってきて、ほれから七久保をしゅっぱつ。
左右にたんぼ。
きりとおしをとおっていく。線路はくねくねまがっとる。
えらいてまえから分岐して相対ホームの伊那本郷(いなほんごう)に停車。
やまかげをすすむ。
みぎ曲線をいく。
天竜川の支流をこえる。
相対ホームの飯島(いいじま)に停車。ここも無人化をさけるために、じもと負担で駅員を配置しとる。ちょこっとまってからしゅっぱつ。
平坦な直線のとこでタクシーをおいぬく。
電車はみぎにひだりにまがって、ゆっくりゆっくりすすむ。ほのあと地形がひらけて、左右にたんぼ。
築堤上にみぎかためんホームのある田切(たぎり)に停車。いまヰキペディアをみてみると、急曲線改良のために築堤をきずいてほのうえにえきを移転したとのこと。矢切のわたしならぬ田切のわたしだ。
またひだりU字がた曲線でしたにおりて、天竜川の支流をこえる。ほんとに電車はゆっくりゆっくりとすすむ。支流をこえるときにみぎに高速道路のたっかーい橋脚がみえたけど、鉄道もああいうふうにつくりなおさにゃ。
相対ホームの伊那福岡(いなふくおか)に停車。この時点で1両めにのっとるのは8人。
伊那福岡をでて、80キロで疾走。たったの80キロだけど、これまでのおそさから疾走ってかんじる。
みぎかためんホームの小町屋(こまちや)に停車。まあたらしいホームのえきで、なんにんかのってくる。
平凡な郊外のふうけいのなかを電車はいく。
2面3線の駒ヶ根(こまがね)に停車。中央アルプスは駒ヶ岳(こまがだけ)のねっこにあるで駒ヶ根っていうにちがいない。伊那谷にみっつある市のうちのひとつだ。ここも無人化をさけるために、じもと負担で駅員を配置しとる。
さっぶーっ! 15分停車のあいだに駅舎のそとにでて、外気のつべたさにおどろく。じぶんのような三河平野人の経験することがないさぶさだ。
はんたいの飯田いきふつうのとうちゃくをまって、駒ヶ根をしゅっぱつ。
駒ヶ根の市街地をはしるうちに、みぎうしろから合流してくる線を発見。なんかのひきこみ線だったか。このあと電車はくだっていく。
みぎ曲線のとちゅう、みぎかためんホームの大田切(おおたぎり)に停車。
えきからほのまま鉄橋をわたって、天竜川の支流をよこぎる。
80キロで直線をくだっていく。
相対ホームの宮田(みやた)に停車。
たいらかな農地をすすんでいく。
ひだりかためんホームの赤木(あかぎ)に停車。みぎはたんぼ。
電車はどんどんくだっていく。これがJRのなかでいちばんの急勾配だっていう40パーミルか。
相対ホームの沢渡(さわんど)に停車。はんたい電車は回送。ここも2013年から無人駅になっとる。
また電車はのぼり勾配をすすんでいって、ちいさな鉄橋をわたったとこからくだり勾配にはいる。
ひだりかためんホームの下島(しもじま)に停車。みぎにちょっとはなれて町があって、ずーっととおくにゆきをいただくみなみアルプスがそびえる。
電車は天竜川の西岸をきたにすすむ。
天竜川の支流をこえる。
まちがちかづいてくる。
相対ホームの伊那市(いなし)に停車。いっぱいのりおりがある。ここが伊那谷にみっつある市のうちのさいごのひとつだ。
電車はまちのなかをすすむ。これが伊那谷のなかでいちばん都会的なふうけいだったか。
伊那北(いなきた)に停車。ここでまたなんにんかのってきて、1両めの乗客が19人にふえる。2面3線のりっぱなえきだけど、2013年から無人駅になっとる。
さらに電車は市街地をすすむ。
市街地をはずれたとこで、ひだりかためんホームの田畑(たばた)に停車。
たんぼんなかに住宅もあるっていうふうけいのなかを電車はすすむ。
すぐみぎに天竜川。
相対ホームの北殿(きたとの)に停車。
郊外のふうけいのなかを電車はすすむ。
ホームもどきのとこをとおりすぎて、ひだりかためんホームの木ノ下(きのした)に停車。
電車はきたにすすむ。
15時16分、相対ホームの伊那松島(いなまつしま)に停車。運転士さんが交代。この電車の始発の天竜峡からここ伊那松島まで70.9キロ、2時間43分。ここも無人化をさけるために、じもと負担で駅員を配置しとる。
ここで9分停車。
いったんかいさつをでたとこで、はんたいの天竜峡いきふつうがはいってくる。313系。
電車にもどって伊那松島をしゅっぱつ
郊外のふうけいのなかを電車はすすむ。
みぎに天竜川。
みぎかためんホームの沢(さわ)に停車。ようみるとひだりがわにもホームがあって、レールがはがされとるのがわかる。もともとは相対ホームのえきだっただ。
電車はたいらかなとこをはしっていく。伊那谷も、前半は天竜川からちょっときょりをおいた河岸段丘のうえをはしっとったでのぼりくだりがはげしかったけど、后半は天竜川にちかいとこをはしっとるでたいらかにすすんでいくってわけか。
相対ホームの羽場(はば)に停車。
みぎに天竜川。
しましきホームの伊那新町(いなしんまち)に停車。みぎはたんぼ。
伊那谷もだいぶせばくなってきた。
まちにはいりかけたとこで、ひだりかためんホームの宮木(みやき)に停車。
いよいよ左右がまちになってきたとこで、鉄橋をわたる。わたったのは天竜川の支流横川川(よこかわかわ)。支流っていっても、これまでのよこから本流にそそぎこむっていうかたちの支流じゃなくて、本流とおんなじおおきさのかわが合流するっていうかたちの支流だ。
15時40分、辰野(たつの)にとうちゃく。広大な側線群があって長大なホームがいくつかある、だだっぴろい構内のえきだ。天竜峡からここ辰野までが伊那電気鉄道により開業した区間で、ここで中央線とつながっとっただ。ただ、中央線は1983年に塩尻(しおじり)と岡谷(おかや)を短絡する新線ができたことで、この辰野はおきざりにされた。側線にとまっとる電車はおらんくて、いくつかある長大なホームもほとんどが無用の長物になっとる。ここでは昭和のまま時代がとまっとる。
飯田線は豊橋からここ辰野までの195.7キロ。塩尻から辰野をへて岡谷にいたる経路は中央線のなかの辰野支線っていうあつかいになるだけど、わが茅野いきふつうはこっから辰野支線をとおっていくことになる。線路の所属もJR東海からJR東日本にかわる。ちなみに、辰野支線はそもそも「大八まわり(だいはちまわり)」っていわれとったぐらいのおおまわりで、本来は中山道ぞいの新線のほうをいくのがしぜんだったもんを、政治力によってむりやり伊那谷最北端の辰野をとおるようにしたもんだったらしい。
15時42分、辰野をしゅっぱつ。構内にはあんなに線路がいっぱいあったのに、でぐちはたった1本の線路だ。
ちいさな鉄橋で天竜川の東岸にわたる。かわはばも地形もせばく、伊那谷がおわったことがわかる。
電車はたにあいをすすんで、岡谷市(おかやし)の区域にはいる。
むこうにまちがみえてくる。
しましきホームの川岸(かわぎし)に停車。すぐひだりに天竜川。はんたい線にいきちがいまちをしとったのは313系の豊橋いきふつう。とおく豊橋までいくだ。筆者も豊橋からきた。
ひだり天竜川の対岸はしっかりまちだ。
電車は単線をすすむ。
中央線と合流。中央線の複線のあいだに辰野支線の単線がわりこんでいくかたちだ。
岡谷(おかや)だ。しらんまに天竜川の対岸にわたっとる。
貨物列車においぬかれながら、15時53分、岡谷(おかや)にとうちゃく。20分停車。ホームにおりる。
みぎ45度にゆきやま。八ヶ岳(やつがたけ)にちがいない。
おー、あずさ2号だ! また茅野いきふつうにのりこんだとこで、うしろからきた特急がひだりのホームに停車して、さきにでていく。これがあずさ2号、いや、あずさ26号だった。ホームのはしらに「上諏訪甲府新宿方面」の表示。ここ岡谷をふくむ諏訪のくには東京に直結しとるだ。
はんたいから定刻よりおくれて特急がはいってくる。通過のスーパーあずさ19号だ。これをまって、わが茅野いきふつうも岡谷をしゅっぱつ。こっからは正真正銘の中央線だ。ちなみにあとでしったことだけど、この2019年3月のダイヤ改正であずさとスーパーあずさが統合されてあずさになって、岡谷や下諏訪(しもすわ)を通過するあずさがこれまで以上にふえるってことが問題になっとるらしい。
電車はまた単線をすすむ。てっきり複線になるもんだっておもっとっただけに意外だ。左右は岡谷の市街地。
諏訪湖だ! みぎて、まちのむこうに諏訪湖がみえる。ほんとに諏訪のくににきただ。
電車は諏訪湖の北岸をひがしにすすむ。岡谷市の区域から下諏訪町(しもすわまち)の区域にはいっていくだけど、市街地はきれめがない。
16時18分、2面3線の下諏訪(しもすわ)にとうちゃく。下車。天竜峡からここ下諏訪まで93.1km、3時間45分、24.8km/h。まったく実用にならんおそさだ。改善せにゃ。
ホームにおりたとこで、はんたい線に松本いきふつうがはいってくる。こなたJR東海の電車、かなたJR東日本の電車だ。かいさつのよこに万治の石仏(まんじのせきぶつ)の模型。諏訪大社下社春宮(すわたいしゃしもしゃはるみや)のちかくにある石仏で、岡本太郎もほめたっていうやつだ。
豊橋から伊那谷をとおって下諏訪まで209.3キロの鉄道のたびはおわった。駅舎をあとにして、やどにむかう。
(さんこう)
- 乗車記録 - 2019年1月にじゅうよっか、もくようび、平日
- 飯田線の路線図(2019.1.24) - おぼえがき(ゆめてつどう)|2019/01/23
- 海老からのかえりにワイドビュー伊那路にのる - あきひこゆめてつどう|2018/12/21
- リニア飯田駅とののりかええき設置要望におもう - あきひこゆめてつどう|2017/12/05
- 飯田線にリニア飯田駅とののりかええきをつくってくれるよう、じもとがJR東海に要望しとるっていうちゅうにちの記事をみた。まずは位置関係をかくにん。もともと飯田線の飯田駅にリニア飯田駅を併設してくれっていう飯田市の要望があっただけど、JR東海はこれをけった。けっきょく伊那上郷(いなかみさと)と元善光寺(もとぜんこうじ)のあいだでリニア中央新幹線が飯田線をよこぎることになるだけど、JR東海はこの交点にもリニア飯田駅をつくらんで、ちがうとこにつくることにした。飯田のまちからも、はるかにはなれたとこだ。
- ほいで、こんかいのじもとの要望だ。せめてリニア飯田駅にちかいとこに飯田線のえきをつくってくれよって。飯田市のねがいがかなうことをいのるよ。いや、ほれにしても、東海地方、中部地方の鉄道網の発展をこれっぽっちもかんがえてないJR東海ってなんだっておもうよね。名鉄がこれをひきつぐ。あるいはJR東日本の管轄になってもいいとさえおもうよ。
- まるで渓谷鉄道だ - 飯田線で飯田から豊橋までいってみて - あきひこゆめてつどう|2014/05/13
- 無人化 回避は 9駅中 5駅 ~長野 県内 飯田線~ - あきひこゆめてつどう|2013/03/23
- 飯田線 - Wikipedia
- 豊橋駅-辰野駅間=195.7km
- 軌間=1067mm(狭軌)
- 最高速度=85km/h
- もともと直結した4社の私鉄路線(豊川鉄道・鳳来寺鉄道・三信鉄道・伊那電気鉄道)を戦時国有化・統合したことで成立した路線であり、駅はほぼ開通時の沿線集落ごとに設けられている。このため駅間距離が旧国鉄の地方路線としてはとても短いのが特徴で、全長195.7km中に起終点を含めて実に94の駅がある。それらの平均駅間距離はおよそ2.1kmと大都市の市街地路線並みであり、また地方鉄道の簡易な規格で建設されたことから速度は低く、急カーブや急勾配も多く見られる。中でも赤木駅-沢渡駅間の勾配は40‰で、信越本線の横川駅-軽井沢駅間(碓氷峠)が廃止された后は、JR最急勾配となった。
- おもなえきの1日平均乗降客数(ヰキペディア)
- THE列車|(30) 「(ワイドビュー)伊那路」|車両|トレたび
- 中央本線 - Wikipedia
- 1983年7月5日、岡谷駅-みどり湖駅-塩尻駅間(11.7km)の新線が開業。経路を新線経由に改め、岡谷駅-辰野駅-塩尻駅間を支線として分離。みどり湖駅が開業。
- 中央本線の布設時、諏訪付近から名古屋までの路線を木曽谷を通すか伊那谷を通すかで論争となり、結局木曽谷側が勝ってこちらに線路を敷くことになった。しかし、これで納得しなかった伊那谷出身の代議士で鉄道局長の伊藤大八が、下諏訪から塩尻峠をトンネルで抜けて塩尻へ向かう案を撤回させて、伊那谷の入口である辰野を経由させるようにした。そのため、この辰野を通るための迂回部分は、伊藤大八の名前を取って「大八回り」とも呼ばれることとなった。
- 辰野支線=27.7km(岡谷駅-辰野駅-塩尻駅)
- ヨネックスのくつ - 2019年1月23日 - あきひこのいいたいほうだい|2019/01/23 〔ついか〕
- 西尾までいってくつかってきた。…|いわせあきひこ|フェースブック|2019年1月23日15:19 〔ついか〕
- 西尾までいってくつかってきた。ヨネックスのくつがいいってきいて、中央どおりの杉浦靴店で。
- いままでのリーボックのくつがあんまりしっくりこんかっただけど、やっとかいかえた。店主のおじさんによると、リーボックのくつはそこのまんなかがふくらんどって独特だげな。アメリカじゃあ、ほれがために筋肉いためちゃったじゃんかっていう訴訟がみとめられただげな。
- あたらしいヨネックスのくつの寸法は25.5センチ。ずーっと25センチのくつしかはいてきてなかっただけど、製品によってぜんぜんばらつきがあるだであわせてみなゃあかんだってことで、この寸法になった。くつにあしいれて、さきっぽが1センチあくのがちょうどいいだげな。ほー。
- いろはあお。これまでずーっと無難なくろばっかりだっただけど、ちょっと冒険してあおにしてみた。
- さあ、あたらしいくつで冒険にでるぞ!
- 辰野支線の路線図(ヰキペディア) 〔ついか〕
- 長野県の地図(マピオン) 〔ついか〕