ふだんあんまりのることのない近鉄にのってきた。名古屋からのって富田(とみだ)っていうとこまでいってきただけど、ほのふうけいを以下に紹介する。
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きんてつなごや
名古屋のかいさつをはいると、ちょうど中川いきふつうがでるとこだ。しんがりの車両番号は2444。3両編成の電車のうしろすがたをとるだけがいっぱいで、とびのる。15時11分、しゅっぱつ。
地上にでるとこですれちがい。はんたい電車もあかちゃいろだ。
(151243 伊勢中川いきふつう - 地上にでてすれちがい)
こめの
米野(こめの)に停車。ちっちゃなホームだ。
米野をでて、特急電車とすれちがい。かんろくがあるわ。
(151435 伊勢中川いきふつう - えきかんすれちがい)
こがね
黄金(こがね)に停車。米野とにたようなホームだ。
黄金をでて、またあかちゃいろの電車とすれちがいながら、高架をあがっていく。
(151616 伊勢中川いきふつう - えきかんすれちがい)
かすもり
烏森(かすもり)に停車。
高架をすすんで、特急電車とすれちがい。
(151755 伊勢中川いきふつう - えきかんすれちがい)
きんてつはった
八田(はった)に停車。ふつう停車駅だけど2面4線。急行停車駅であるこのさきの蟹江(かにえ)までのあいだで、おいこしができるのはこのえきだけ。
高架はつづくけど、電車はゆっくりはしる。だいたい80キロぐらいだったか。高速走行の名鉄電車になれたみにははがゆい。ぴっかぴかの標準軌なのに。
あかちゃいろの電車とすれちがい。
(152029 伊勢中川いきふつう - えきかんすれちがい)
ゆるーくひだりにむきをかえて関西線をまたぐ。
庄内川(しょうないがわ)をわたる。
ふしや
さがり線だけ高架になった伏屋(ふしや)に停車。
高架をおりて新川(しんかわ)をわたる。
新川をわたってまたしばらく高架をいき、戸田川のてまえでまた地平におりる。
とだ
戸田川をわたって、すぐに戸田に停車。ひなびたかんじがただよう。
(152359 伊勢中川いきふつう - 戸田川)(152405 戸田)
福田川をわたる。名古屋市域をでた。
きんてつかにえ
蟹江(かにえ)にとうちゃく。しましきホームのそとがわに停車。ここで待避だ。
はんたいからやってきた名古屋いき準急も、しましきホームのそとがわにはいっていく。
(152810 近鉄蟹江 - 名古屋いき準急)(152812)
くだり線のうちがわに宇治山田いき急行がはいってきて、さきにでていく。
4分停車のあと、ふたたびしゅっぱつ。水路、水路、水路。これまでもいっぱい水路をこえてきたけど、まんだいっぱい水路をこえていく。
(153147 伊勢中川いきふつう - えきかん)(153200)
はんたい電車とすれちがいながらのぼり勾配をあがって、日光川をわたる。尾張西部を縦貫する大河だ。
(153224 伊勢中川いきふつう - えきかんすれちがい)
(153236 伊勢中川いきふつう - 日光川をわたる)
とみよし
富吉(とみよし)にとうちゃく。となりに車庫があって、ふつう停車駅なのに2面4線のホームをもつ。こんかいたまたま中川いきのふつうにのったけど、ひるまの時間帯、名古屋発で1時間に3本あるふつうのうち、2本がここ富吉どまりになる。
あがりホームごしに車庫にとまっとる特急電車がみえる。
また、かわをわたる。いま地図をみると善太川ってなまえのかわだ。ほのまま「ぜんたがわ」ってよむらしい。
さこぎ
佐古木(さこぎ)に停車。さいしょ車内放送でききとれんかった。こんななまえのえきがあったのか。
佐古木をでて、また、かわをわたる。
きんてつやとみ
特急電車とすれちがいながら弥富(やとみ)にとうちゃく。
しましきホームそとがわ線で6分間の待避。先頭の車両番号は2444。
運転士さんもホームにおりて待避。
うちがわ線を特急電車がとおりすぎていく。
はんたいのあがり線に名古屋いきふつうがはいってきて、でていく。
つぎに、さがり線のうちがわ線に四日市いき急行がやってくる。先頭の車両番号は2016。中川いきふつうをのりとおす予定をかえて、これにのりかえる。ホームでいきかう電車をみとるうちに、ほれまで独占状態だった中川いきふつうの運転席うしろの席にひとがすわっとって、かぶりつきでのさつえいがはばかられたでだ。
15時44分、のりかえた四日市いき急行が弥富をしゅっぱつ。
おおきな鉄橋で木曽川をわたる。
きんてつながしま
長島を通過。
またまたおおきな鉄橋で、長良川(ながらがわ)、揖斐川(いびがわ)といっきにわたる。
くわな
どもり高架をすすむ。みぎに平行するのは関西線で、名古屋方面いきの列車とすれちがい。
(154814 四日市いき急行 - えきかん)(154824)
関西線のみぎにでたっておもったら、すぐに養老鉄道の線路をまたぐ。
地平におりて桑名にとうちゃく。2面4線のホームのうちさがり線のそとがわ線は養老鉄道がつかう。ほかに、関西線ホームがひだりがわにある。
桑名をでてちょっといったとこで、うえをよこぎる線がある。桑名えきまえの西桑名を起点に西北、阿下喜(あげき)までいく、軌間762ミリ特殊狭軌の北勢線だ。
ますお
益生(ますお)を通過。これもはじめてきくえきだ。ひだりを関西線の列車がいく。
(155159 四日市いき急行 - 益生(ますお)通過)(155209)
アーバンライナーとすれちがいながら員弁川(いなべがわ)をわたる。
ちょこっとのあいだだけど、みぎにやますそをかすめていく。
いせあさひ
朝日を通過。
朝明川(あさけがわ)をわたる。
(155454 四日市いき急行 - 朝明川(あさけがわ)鉄橋)
かわごえとみすはら
2面4線の川越富洲原(かわごえとみすはら)を通過。ややこしいなまえのえきだ。
(155537 四日市いき急行 - 川越富洲原(かわごえとみすはら)通過)
きんてつとみだ
高架をあがり、関西線をまたぎ道路をまたぐと、みぎから三岐鉄道三岐線が合流してくる。
(155630 四日市いき急行 - 線路またぎ)(155639 道路またぎ)
地平におりていくとこですれちがい。
みぎにまがりながら富田(とみだ)にとうちゃく。
(155713 四日市いき急行 - 近鉄富田)(155722)
ホームにおりて、ここまでのってきた四日市いき急行をみおくる。さいこうびの車両番号は2108。
(155807 近鉄富田 - 四日市いき急行(さいこうび2108))
電車がいったあとのホームをみると、どういうわけかようけひとがのこっとる。なんで四日市いき急行にのらんかったのかふしぎだ。いや、ほれにしても、このホームのゆったりとはばのひろくてながいこと。空気もなんだか独特だ。じぶんがこれまでどのえきでもかんじたことのない、なんじゅうねんもむかしにさかのぼったようなかんじをおぼえた。
ホーム直結のてあらいも、こんなにあったかみのあるてあらいだ。
しばらくホームにとどまるうちに、三岐線のきいろい電車がはいってくるのがみえる。
また、さがり線に中川いきふつうがはいってきて、ホームにまっとったひとたちがのってった。
えきのおもてになるひがしがわのかいさつをでて、ちょこっとまわりをあるいてみる。えききたのふみきりからひがしにのびるみちがめぬきどおりで、みせもいくつかあるだけど、クルマのとおりもけっこうある。このふうけいも、なつかしい、いきおいのあるふうけいだ。昭和のふうけいっていうべきか。
ふみきりのすぐにしにみつけた喫茶店でいっぷく。みせをおくにぬけた線路ぞいのテラスでのむコーヒーもおつなもんだ。
かえりは、えきのうらになるにしがわのかいさつからはいる。こっちにも駅員さんがおるってのがおどろきだ。かいさつをはいってからは地下道をとおってあがりホームにでる。やってきた名古屋いき急行にのって、いえじについた。
- 乗車記録 - 2016.8.3、すいようび、平日
- 名古屋 15:11 → (中川いきふつう) → 15:39 弥富
〔16.1km、28分、34.5km/h〕- 弥富 15:44 → (四日市いき急行) → 15:57 富田
〔15.5km、13分、71.5km/h〕- とおし
〔31.6km、46分、41.2km/h、560円〕
あとがき
愛知県内区間のなんと水路のおおいこと。江戸時代、東海道が陸路をさけ「七里のわたし」で海上路としたのもうなずける。沿線におおきなまちもなく、たんたんとゼロメートル地帯をいくってかんじだ。いや、ほれにしても、電車はおそすぎる。80キロしかださんって、標準軌がないとるわ。
木曽、長良、揖斐とみっつの大河をわたって三重県にはいってからは、線形がわるくなる。歴史的経緯からこうなっとるっておもうだけど、高速化のために改良をのぞみたい。
電車をおりた富田はなんともいえん空気がただよっとる。ホームのようす、えきのまわりのようす、まんだ鉄道にちからのあった時代をおもいおこさせる。名鉄沿線ともちがう、東海道線沿線ともちがう、独特のふんいきをかんじてきたたびだった。