天皇陛下が皇太子時代にご夫妻でおこしになった、水のかんきょう学習館にいってきた。明治用水会館のしきちのおくにある施設だ。ここにいくまえ、小針神明社の境内に小針用水のいしぶみを発見、ほこにわがあんじょうの偉人岡田菊次郎のなまえがあるのをみて、この用水が明治用水の水路網のなかでどういう位置にあるのかたしかめたくて、いってきた。
◇ ◇
小針用水をさがす。明治用水本流のとちゅうに有名な三連水車があるだけど、ほのちょっとかみのとこからひだりに分岐して、みなみに小針神明社のほうにながれてくるのが小針用水だ。凡例によると、実線が開水路で、点線が管水路。ふとせんが幹流で、ほそせんが小幹流。あおせんが用水路で、きみどりいろのせんが排水路。小針用水はきみどりいろのほそい実線。ってことは、排水路の小幹流開水路ってことだ。あらかじめ電話でといあわせたときに、「いまは用水路としてつかってなくて、排水路としてだけのこっとる」ってきいとったとおりだ。「用水路はにしどなりの上高根用水がうけもっとる」とのこと。
ちなみに、わがふるいのへんもかくにん。用水路は小幹流管水路の東石ナ曽根用水があって、排水路は小幹流開水路の勢井前川（せいまいがわ）がある。勢井前川は西鹿乗川の支流。
展示パネルのひとつに、2014年11月とおかの皇太子ご夫妻行啓。学習室でみずのべんきょうをする梨の里小学校のこらに、殿下と雅子さまがにこやかにはなしかけてみえる。
「あんじょうの指導者たち」として、岡田菊次郎のこともおおきく展示してある。
あんじょうの指導者たち
1901年、20世紀のはじまりです。あんじょうにもあたらしいかぜがふいてきました。えきまえのまちなみもだんだんにぎやかになってきます。これからはおおきな学校や役所も必要になってきます。そして、伊予田与八郎（いよだよはちろう）や岡本兵松（おかもとひょうまつ）にまけんくらいすぐれた指導者たちがあたらしいまちづくりにとりくみはじめたのです。
岡田菊次郎（おかだきくじろう）
1867年、あんじょうむら（いまのあんじょうしあんじょうちょう）にうまれる。25才であんじょう村会議員に当選して以后、町会議員、県会議員などをながくつとめる。1910年から1946年までの36年間、あんじょう町長をつとめた。このかん、あんじょう農林高校や警察署、郡役所、いくつかの工場をあんじょうによびよせるなどあんじょうの発展につくした。あんじょうえきの命名者であり、のちに明治用水土地改良区理事長になり、「みずのかみさま」とうやまわれた。あんじょうの名誉町民第1号である。
あんじょう農林学校
このころ、愛知県では三河に県立農林学校をつくる計画があり、各町村ではじぶんの地域にもってくるためはげしい競争になった。岡田菊次郎はいちはやくいごき、1901年、あんじょうに農林学校をひらくことに成功した。
碧海郡役所（へっかいぐんやくしょ）
ほかにも、知立にあった碧海郡の役所や警察署をあんじょうにひっこしさせた。こうしてあんじょうはだんだん碧海郡の中心地として発展していった。
内藤魯一（ないとうろいち）
もと自由民権運動の闘士。土功会（どこうかい）（改良区の前身）の議長。県議会議長として岡田とともに農林学校をあんじょうによびよせることにちからをそそいだ。
杉浦源右衛門（すぎうらげんえもん）
あたらしく開拓した農地は15年間無税であったが、杉浦はこの期間をのばす運動を東京でおこない、ついに1901年、50年間の無税が可決された。むらびとはよろこびのあまりはなびをあげて杉浦をむかえた。
なるほど、36年間町長をつとめるうちに、愛知県農林学校を誘致したり、碧海郡役所を知立からひっこしさせたり、いくつかの工場をよびよせたりした。戦前の農都あんじょうは岡田菊次郎がつくっただ。のちに明治用水土地改良区理事長になる。
展示室をでて、明治用水会館のしきちのいちばんみなみに岡田菊次郎の銅像があるのをかくにん。ながらくあんじょうのまちなか、農協本店のとこに御幸どおりに面してみなみむきにたっとったのをここに移設しただけど、いまはきたむきにたっとるために、かおがひかげになってじつにみにくい。ちょっとざんねんだ。
〔2020年7月にじゅうよっか訪問〕
（さんこう）
- 小針神明社 - あきひこゆめてつどう｜2020/07/24
- 明治用水が世界かんがい施設遺産に - 2016.11.8 - あきひこのいいたいほうだい｜2016/11/11
- 皇太子ご夫妻、あんじょうの水のかんきょう学習館におこし - あきひこのいいたいほうだい｜2014/11/17
- 2014年11月とおか、皇太子ご夫妻があんじょう（安城）の水のかんきょう学習館におこしになった。
- あんじょうのまちをつくったおとこ - 岡田菊次郎 - あきひこのいいたいほうだい｜2014/10/25
- 「あんじょうのまちをつくったおとこ」っていう題で講演があった。まちのえき岡菊苑の開業式典にひきつづいておこなわれたもので、安城市歴史博物館の館長高山忠士さんによるものだ。
- 安城町長 岡田菊次郎 - 農林学校を 誘致、道路網を 整備 - あきひこのいいたいほうだい｜2014/06/20
- 水のかんきょう学習館｜明治用水
- 『水』は、私たち人間をはじめとする動物や植物、微生物などのすべての生命の源であり、なくてはならんものです。 水土里ネット明治用水は、私たち人間が毎日食べとる農畜産物をつくるために必要な『水』を矢作川上流の水源かん養林でつくり、愛知県豊田市の明治用水頭首工 から取水し、西三河地域に供給する「自然と人の生活の架け橋」の役割を担っております。この水土里ネット明治用水を通して「水」、「農」、「食」、「環境」について楽しんで学べる機会を、これからの社会を担う子どもたちをはじめ、地域のみなさまに提供し、愛される施設に成長していくことを目指しております。
- 住所＝〒446-0065 愛知県安城市大東町22-16（明治用水会館隣）
電話＝0566-76-6560（水土里ネット明治用水地域活動係）
開館時間＝9:00～16:00
休館日＝毎週月曜日（月曜日が休日の場合は翌平日）、年末年始、臨時休館日
