国府津(こうづ)から沼津(ぬまづ)までのかん、東海道線は相模湾ぞいに熱海までいって、ほっから長大トンネルで伊豆半島を横断して駿河湾にでるって経路をとる。ところで、さいしょは御殿場線が東海道線だったっていう。箱根山地をさけてきたまわりにまわっていくかたちになるだけど、勾配があまりにきつくて蒸気機関車を増結せんと列車がのぼっていかんかったっていう。どんな線なのか御殿場線をとおしでのってみることにした。
(国府津から山北まで) (山北から御殿場まで) (御殿場から沼津まで) [乗車記録] [路線図] |
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小田原からのった東海道線電車を国府津でおりる。きたがわはすぐやまで、えきとのあいさに新興住宅街がほそおびにあるだけだ。
地下通路をとおってみなみがわにあるかいさつをでる。
みなみがわもすぐほこまでうみがせまってきとって、線路に平行する道路にそってちいさなえきまえロータリーがあるだけだ。東海道線から御殿場線が分岐する国府津はうみとやまにはさまれたせばい地形のとこにあって、発展のしようもないとこなだ。中学校のときに地図でみて想像しとったとおりのとこだ。
きょうは御殿場線にのるためにここまできた。かいさつをはいりなおして御殿場線2、3番のりばにあがると、まあはい3番のりばに山北いきふつうの313系ステンレス電車がしゅっぱつまちしとる。だいだいいろのおびのはいった、愛知県民であるおれにはみなれた電車だ。東海道線くだり1番のりばには湘南新宿ラインのステンレス電車。こっちはみどりいろのおびのはいったはいいろの電車で、ずいぶん印象がちがう。御殿場線はJR東海だけど東海道線はJR東日本なだ。
山北(やまきた)いきふつうにのりこむ。電車は2両編成で車両番号先頭クハ312-2306。座席はベンチシート。
運転士さんはおんなの運転士さん。
10時16分、国府津をしゅっぱつ。みぎ線とのたすきがけ分岐を直進。みぎ線は東海道線のぼり線だ。
つづいてひだり線とのたすきがけ分岐を直進。
ひだり線ともども高架をあがってみぎにくねって東海道線のぼり線をこえていく。東海道線上下線のあいさから御殿場線がみぎにぬけだしたかたちだ。
地平におりてさらに複線のみぎ線をいく。
高架道路をくぐるてまえでひだり線がひだりにはなれていく。
単線になってすすんでひだりに車両基地。さっきまでのひだり線はこの車両基地につながる線だっただ。
ふたまたをひだりにはいっていって下曽我(しもそが)は上下共用しましきのりばひだりがわに停車。まっとったのは2、3人。
はんたいのりばにとまっとった313系ステンレス電車は国府津いきふつう。
つたのからまる高架橋をくぐる。
90キロですすむ。
ふたまたをみぎにはいっていって上大井(かみおおい)に停車。なんでみぎがわ通行でみぎがわのりばに停車したのかふしぎだ。ふつうならひだりがわ通行でひだりがわのりばに停車するはずなのに。
ところで運転士さんがのりばにおりて、「おきゃくさーん! こっちですよー!」ってよびかける。まちがえてひだりがわのりばで電車まちしとったひとをよびにいっただ。いや、めずらしい光景がみれた。
西北方向にやますそをすすんで酒匂川(さかわがわ)の上流部にむかっていく。小田原からのった東海道線電車でわたった酒匂川だ。
ひだりかためんのりばの相模金子(さがみかねこ)に停車。まっとったのはふたり。
ひきつづき西北方向にすすんでいく。
ガーダー橋で川音川をわたる。ひだりに酒匂川にそそぐかわだ。
みぎ車窓かみ。
ひだりにくねりながら小田原線をこえて松田(まつだ)の構内にはいっていく。みぎうしろから合流してくるのは小田原線との連絡線。小田原線から御殿場線に直通する電車がとおってくる線だ。
小田原線のりかえの案内放送があって、松田(まつだ)は3番のりばに停車。小田原線新松田(しんまつだ)のえきとはかいさつがいのりかえになるのに、こんな案内放送がはいるだ。御殿場線沿線のひとでここで小田原線にのりかえて新宿方面にいくひとも一定数あるにちがいない。なんにんかのってくるとこをみると、はんたいも一定数あるのか。
乗客ののりおりをおえて、運転士さんが交代して、しゅっぱつ。
進行方向がにしむきにかわっていく。
電車は105キロで軽快にすすむ。JR東海の電車は優秀だ。
ひだりかためんのりばの東山北(ひがしやまきた)に停車。
ひだりにくねる。
にしにすすんでいく。
線路がえだわかれしておおきなえきの構内にはいっていく。電車の終点山北(やまきた)だ。
すすんで山北(やまきた)は上下共用しましきのりばひだりがわの2番のりばにとうちゃく。10時42分。ひろい構内だけどのこっとるのりばはこののりばひとつだけだ。
ふるびた木造のこせんきょうをみぎにわたったとこに木造駅舎があって、簡易改札機にマナカをかざしてかいさつをでる。
ふぜいのあるえきまえだ。御殿場線が東海道線だった時代、蒸気機関車の拠点駅だった山北のふんいきがいまにつたわっとるかんじだ。
木造駅舎のとなりに蒸気機関車のかたちをまねてつくった観光案内所があって、ちょうどえきまえにはボンネットバス風のコミュニティーバスもはいってくる。
またかいさつをはいってのりばにわたる。
山北(やまきた)11時15分の沼津いきふつうがはいってきて、のりこむ。3両編成の313系ステンレス電車で、車両番号先頭クハ312-2334。座席はベンチシート。
のりこんでしゅっぱつまち。えきのすぐさきからいきなりのぼりざかになっとるのがわかる。蒸気機関車の苦労をしのぶことができるのぼりざかだ。こっから一段ふかくやまにはいっていくにちがいない。
信号がなかなかかわらんくて、4分おくれでやっとしゅっぱつ。はんたい線と合流して単線になる。
きりとおしののぼりざかをいく。
箱根第1号トンネルってなまえのトンネルをくぐる。箱根をとおまきにいく御殿場線だけどトンネルには箱根のなまえがついとるだ。
すぐに箱根第1号トンネルをでたっておもったらまたすぐに箱根第2号トンネルにはいる。
でぐち。
みどりいろのがっちりした鉄骨トラス橋の第1酒匂川鉄橋をわたる。
ガーダー橋の第2酒匂川鉄橋をわたる。御殿場線と酒匂川とみぎになったりひだりになったりだ。ガーダー橋のひだりにも橋脚がのこっとるのは、御殿場線が複線だった時代のなごりか。
みぎ車窓かわしも。
みどりいろのがっちりした鉄骨トラス橋の第3酒匂川鉄橋をわたる。
鉄橋をわたってすぐに箱根第3号トンネルにはいる。
でぐち。
ふたまたをひだりにはいって谷峨(やが)ののりばにさしかかったとこで信号まち。ふみきりの安全かくにんのためとのこと。
信号まちもおわって停車。しゅっぱつ。
ひだりにくねってさかをのぼっていく。
箱根第4号トンネルにはいる。
でぐち。
箱根第5号トンネルをくぐる。
ずーっとかわにそっていく。
箱根第6号トンネルにはいる。
でぐち。
みどりいろのがっちりした鉄骨トラス橋の第3相沢川鉄橋をわたる。ここまできてかわのなまえが酒匂川から相沢川にかわっとる。
ガーダー橋の第4相沢川鉄橋をわたる。
やまんなかをいく。
箱根第7号トンネルをくぐる。
線路わき、保線員さんたちがてをふってくれる。おつかれさまーっ!っていってくれとるのか。
きりとおしをいく。
ふたまたをひだりにはいって、駿河小山(するがおやま)は上下共用しましきのりばひだりがわに停車。静岡県さいしょのえきだ。
しゅっぱつ。
ひだりにくねりながらふみきりをいく。だいぶ地形がひらけた。
さらにひだりにくねっていく。
左右に人家もなくなってちいさなガーダー橋をわたる。
またガーダー橋をわたる。
ふたまたをひだりにはいって、足柄(あしがら)は上下共用しましきのりばひだりがわに停車。はんたいのりばにとまっとった313系ステンレス電車は国府津いきふつう。
しゅっぱつ。
左右くさむらのなか、ひだりにくねっていく。
ひだりにくねりながらふみきりをいく。
また、くさむらのなかをいく。
みぎに複線用地。
地形がひらけてくる。
ひだりにくねるまえ、正面にみえるはずの富士山はくもがくれ。
左右に住宅地があらわれる。
おおきなえきの構内にはいっていく。御殿場線の路線名になっとる御殿場(ごてんば)だ。側線がなんぼんかあって留置電車も2本ある。
すすんで御殿場(ごてんば)はしましきのりばひだりがわの3番のりばにとうちゃく。11時40分。ほかにのりばはかためんのりばの1番のりば。
のりばからかいだんをあがったとこにかいさつ。ごくごくあふれた橋上かいさつのえきだ。
かいさつをでたとこで、2番のりばにはいってきた電車をみおろし。沼津始発の御殿場いきふつうでおおぜいのきゃくがおりてくる。御殿場は富士山のひがしがわのおおきなまちなだ。
えきまえでひるめし。ちょっとたかかった。
線路ぎわに展示の蒸気機関車を発見。「わたしはD52 72号蒸気機関車です」ってことで、1000分の25っていう御殿場線の急勾配を全力で走行したとのこと。
「御殿場駅の歴史をたずねて」って説明がきもあってむかしをしのべるようになっとる。いや、むかしの御殿場駅ののりば、ひとであふれかえっとるのにびっくり。
かいさつをはいりなおして、また、さきにいく。
3番のりばにはいってきた御殿場(ごてんば)13時25分の沼津いきふつうにのりこむ。3両編成の313系ステンレス電車で、車両番号先頭クハ312-2330。座席はベンチシート。
座席はベンチシート。313系も名古屋地区じゃあ転換クロスシートだけど、静岡地区じゃあベンチシートなだ。
はんたい電車のとうちゃくをまってしゅっぱつ。
線路群が1本に集約。
単線をみなみにむかって軽快にはしっていく。
みぎかためんのりばの南御殿場(みなみごてんば)に停車。
みなみにくだっていく。
上下共用しましきのりばの富士岡(ふじおか)に停車。
くさむらんなかをひだりにくねってくだっていく。ずーっとくだりざかだ。
ドアは自動ではひらきませんって車掌さんの案内放送。
あめがぱらついてきたなか、岩波(いわなみ)に停車。いきちがいのできるえきなだけど、かためんのりば並列しとるっていうおかしな構内配線のえきだ。
ずーっとみなみにくだっていく。軽快にくだっていく。
ふたまたをひだりにはいっていって裾野(すその)は上下共用しましきのりばひだりがわに停車。はんたい電車がおくれとるって案内放送がはいる。
はんたい電車がやってきてしゅっぱつ。3分おくれのしゅっぱつ。
95キロでくだっていく。
みぎかためんのりばの長泉なめり(ながいずみなめり)に停車。
しっかり整備された線路をくだっていく。
線路がえだわかれして下土狩(しもとがり)のおおきな構内にはいっていって、上下共用しましきのりばひだりがわに停車。東海道線ができるまではここが三島駅だって、こっから伊豆箱根鉄道が分岐しとった。
しゅっぱつしてすぐに、ひだりに分岐してすぐにいきどまりになる線路がある。これがむかしの伊豆箱根鉄道のなごりか。
新幹線をくぐる。
黄瀬川(きせがわ)をわたる。
みぎかためんのりばの大岡(おおおか)に停車。
ひだり線路ぎわに留置電車。
線路がえだわかれしておおきなえきの構内にはいっていく。電車の終点であり御殿場線の終点である沼津(ぬまづ)だ。
くさぶかい線路群のなかをすすんでいく。
すすんで、沼津(ぬまづ)はいちばんみぎのしましきのりばひだりがわの5番のりばにとうちゃく。13時58分。御殿場線のたびをおえる。
こせんきょうにあがって東海道線のりばにむかう。
- 〔国府津 10:16 → (御殿場線=山北いきふつう) → 10:42 山北〕
(15.9キロ、26分、時速36.7キロ、330円) - 〔山北 11:15 → (御殿場線=沼津いきふつう) → 11:40 御殿場〕
(19.6キロ、25分、時速47.0キロ、330円) - 〔御殿場 13:25 → (御殿場線=沼津いきふつう) → 13:58 沼津〕
(24.7キロ、33分、時速44.9キロ、420円 *1)
〔2023年9月11日、げつようび、平日〕
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