紀伊半島のたびみっかめの2017年8月18日。まずは南海本線の特急サザンで紀伊のくにをでる。
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やどにとった市堀川(しほりかわ)ぞいのビジネスホテルであさめしをすませたあと、ぷらぷらあるいて和歌山市駅にとうちゃく。まどぐちでなんばまでの乗車券と特急券をふたりぶんかってかいさつをはいると、まあはいサザン14号がホームにまっとる。特急券をとった4号車はどこかってきょろきょろしとると、駅員さんが「指定席車両はこっからうしろになりますよ」っておしえてくれる。あ、このサザン14号、自由席もあるだ。まえのほうが自由席車両で、うしろのほうが指定席車両になっとる。乗降とびらのまえでそそくさと記念写真をとっただけで電車にのりこんで、指定席につく。
8時59分、わがサザン14号は和歌山市駅をしゅっぱつ。まえのほうの自由席車両とはいききができんようになっとって、前面展望は断念。このさき終点のなんばまで、おとなしく指定席にすわっていく。みえるのは、ひだりがわのけしき。
(2) サザン14号 - 和歌山市しゅっぱつ、(4) サザン14号〔車内〕
すぐに紀ノ川(きのかわ)をわたる。大河だ。和歌山のまちよさようなら。
加太線(かだせん)の分岐する紀ノ川駅を通過のあと、和歌山大学前にとうちゃく。まあはい停車だ。まあちょっとで大阪府との府県ざかいってとこに、やまをきりひらいて新興住宅街をつくって、イオンをもってきって、和歌山大学をひっこしさせとる。
大阪府にはいって、ひとつえきを通過してやまごえがおわったとこで、みさき公園にとうちゃく。ひだりうしろに多奈川線(たながわせん)が分岐しとって、みなとまちにつながる。
みさき公園をすぎると、まちをへだてたむこうにうみがみえる。
みっつえきを通過して尾崎にとうちゃく。きいたことのないえきだ。しらべてみると、阪南市(はんなんし)の代表駅だ。いや阪南市ってのもきいたことがない。
男里川(おのさとがわ)をわたって泉南市(せんなんし)にはいる。泉南市ってのもしらべてわかっただけど、これもきいたことがない。
とおくに観覧車がみえてきた。のっぽビルもみえる。りんくうタウンだ。
空港線が合流。高架の泉佐野(いずみさの)にとうちゃく。まえの停車駅からはよっつえきを通過してきとる。
泉佐野をでて、また、地平におりて、いつつえきを通過。どういうわけか、みっつめの二色浜(にしきのはま)とよっつめの貝塚とのあいだだけ高架になっとった。貝塚は水間鉄道(みずまてつどう)が分岐するえき。
貝塚いでしかいありて♪ はや岸和田のしろのあと♪ 鉄道唱歌にこのようにうたわれとる。いや、私鉄である南海が鉄道唱歌にうたわれとることからしておどろきなだけど、「貝塚をでたかいがあって、まあはい岸和田城あとまできた」ってうたわれとる。おしろがあっただ。しらべてみると、1954年に天守閣が再建されとる。岸和田はだんじりだけじゃなかった。高架をあがって、岸和田のえきにとうちゃく。まちだ。
(13) サザン14号 - 岸和田てまえ、(14) 岸和田、(15) 岸和田すぎ
岸和田をすぎて、わがサザン14号は地平におりる。和泉大宮(いずみおおみや)、春木(はるき)、忠岡(ただおか)と通過のあと、大津川(おおつがわ)をわたって高架をあがる。ちなみに、「和」がつく「いずみ」はこの和泉大宮だけだ。
泉大津(いずみおおつ)、松ノ浜(まつのはま)と高架のえきを通過。地平におりて、北助松(きたすけまつ)、高石(たかいし)と通過。高師浜線(たかしのはません)が合流してくる羽衣(はごろも)も通過。さらに浜寺公園(はまでらこうえん)、諏訪ノ森(すわのもり)と通過のあと、石津川(いしづがわ)をわたって、高架をあがる。以北、終点のなんばまで高架。
石津川のえき、湊(みなと)と通過のあと、堺にとうちゃく。岸和田をでたあと12のえきを通過しての堺とうちゃくだ。
七道(しちどう)を通過して大和川(やまとがわ)をわたると、いよいよ大阪だ。
住ノ江(すみのえ)、住吉大社(すみよしたいしゃ)、粉浜(こはま)と通過。つぎの岸里玉出(きしのさとたまで)を通過したとこで、ひだりに汐見橋線が分岐していく。もともとは高野線(こうやせん)だったもんが、全列車の発着が南海本線とおんなじなんばにかわったことで、都会のなかの盲腸線になりさがった線だ。
岸里玉出でみぎから高野線が合流して、天下茶屋(てんがちゃや)にとうちゃく。地下鉄堺筋線(さかいすじせん)に連絡して、ほの終点の天神橋筋六丁目(てんじんばしすじろくちょうめ)からさらに阪急千里線(せんりせん)へとつながるえきだ。左右はすっかり大都会。
大阪環状線とののりかええき、新今宮(しんいまみや)にとうちゃく。
9時57分、終点のなんばにとうちゃく。和歌山市からここなんばまで64.2km、58分、66.4km/h。いや、70キロにもみたん表定速度は不満だ。わが名鉄は、最速列車種別である快速特急が岐阜-豊橋間99.8kmを75.8km/h*1、名古屋-豊橋間68.0kmでは83.3km/h*2ではしる。
のってきたサザン14号のさいこうびにまわって、指定席車両先頭車のかおをかくにん。
くしがたホームのくしのつけねにある中央改札にむかってホームをあるくうちに、べつのホームに泉北線(せんぼくせん)電車がとまっとるのがみえる。みずいろの車体にこどものライオンのえがかいてあるだけど、こんな電車があるとはしらんかった。
となりには高野線の橋本いき急行がとまっとる。先頭車両6563のステンレス車両だ。
泉北線電車のとなりから高野線特急のこうやがでていく。先頭車両が展望室形状になっとって、特急らしいふんいきのただよう電車だ。まえに南海にのったときにもこのかたの電車をみたけど、南海のなかでいちばんかっこいいっておもうよ。
さて、サザン14号も指定席車両の4両分をあるきおえて、自由席車両の4両分がはじまるとこまできた。おんなじステンレス車両なだけど、指定席車両と自由席車両とでは車両形式からしてべつのもんなだ。指定席車両のほうが12000系っていう特急用の車両をつかっとるのにたいして、自由席車両のほうは9000系っていう通勤用の車両なだ。車内にベンチシートがみえる。このへん、わが名鉄が、おんなじパノラマスーパーなり2200系こおろぎなりのなかを指定席車両と自由席車両とわけとるのとは、やりかたがちがうだ。さきっぽまでたしかめて、ほのままかいさつをでる。
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かんたんな感想
まず、しょうがないことではあるけど、前面展望がえれんくて路線のようすがようわからんかったのは、じぶんとしては不完全燃焼だった。こんどサザンにのるとしたら、なんば発和歌山市いきのやつの先頭車両にのるよ。展望室形状になっとるわけじゃないけど、前面展望はえれるはずだ。
ほいから、本文のなかにもかいたとおり、60キロ台っていう表定速度のおそさは不満だ。時刻表をみてみるとわかるだけど、1時間に2本の特急が急行もかねとるような運行になっとって、ほのために停車駅がおおくなっとることもひとつの原因なだけど、ほれにしてもなんとかしてほしい。内装に不満はなかったけど、ステンレス車両はやっぱり高級感っていう点でおとる。高野線特急のこうや、りんかんみたいな特急らしい特急がいいな。
正直、こんかいのサザン14号のたびではあんまりいい印象をもてんかった。大阪-和歌山間の旅客輸送では、競争あいてであるJR阪和線におおきくまけとるともきく。私鉄なのに鉄道唱歌にうたわれとるっていうほどの由緒ある南海だ。対策をうって、まあいっかいかがやきをとりもどしてほしい。
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- 乗車記録 - 2017年8月18日、きんようび、平日
(さんこう)
- 紀伊半島のたび - 2017年8月16日から18日までのみっかかん〔目次〕 - おぼえがき
- 特急サザン、和歌山大学前に停車 - 2014.10.18 - あきひこゆめてつどう|2014/10/28
- 岸和田から 浜寺公園までの ふうけい - 南海本線 - あきひこゆめてつどう|2013/11/17
- 和歌山大学前駅 開業! - あきひこゆめてつどう|2012/04/02
- まあじき デビュー - サザン プレミアム♪ - あきひこゆめてつどう|2011/08/30
- はやいぞ はやい、南海 電車! - あきひこゆめてつどう|2011/08/21
- 南海本線 - Wikipedia
- 南海本線単体としては大阪市 - 和歌山市間の都市間輸送を担う路線であるが、空港線を経由する関西国際空港へのアクセス路線、さらには、和歌山港線を経由する和歌山港へのアクセス路線の性格も帯びており、和歌山港 - 徳島港間を運航する南海フェリーと本州四国連絡ルートを形成している。
- 大阪平野では南海本線の山側に競合路線の西日本旅客鉄道(JR西日本)阪和線が並走しているが、府県境付近の経路は大きく異なっており、距離は短くなるが山岳区間が長い雄ノ山峠越えの阪和線に対して、南海本線は距離は長くなるが山岳区間が短い孝子峠越えで和歌山市へ至る。
- 全線でPiTaPaおよびICOCAなどPiTaPaと相互利用可能なIC乗車カードが利用できる。ただし、乗車回数に応じて割引が適用されるサービスはPiTaPaのみが対象となる。
- 路線情報
- 日中の1時間ごとの運行本数
- 鉄道唱歌にうたわれた南海本線
- 鉄道唱歌(第5集)
- サザン (列車) - Wikipedia
- サザンは、南海電気鉄道が、難波駅 - 和歌山市駅・和歌山港駅間を南海本線・和歌山港線経由で運行する特急列車で、座席指定車両と自由席車両を連結して運行する異制度混結列車である。
- 南海の難波駅-和歌山市駅・和歌山港駅間を、座席指定車両を連結して運行する特急である。同区間の速達列車としての側面が大きく、最速で難波駅 - 和歌山市駅間を56分、難波駅 - 和歌山港駅間を61分で結んでいる。また、南海フェリー徳島航路は和歌山港駅発着の列車と連絡し、四国連絡列車としての側面も兼ねている。
- 指定席車両は座席指定料金(大人510円、小児260円)が必要なためラッシュ及び休日を除いて空席が目立つ反面、自由席車両は4両しか連結されていないため、特に難波駅 - 堺駅間において終日混雑が激しい。
- 特別料金不要の自由席車を連結することが通常であるため、南海に5つある特急(ラピート・サザン・こうや・りんかん・泉北ライナー)のうち、この列車のみ「特急券」の表現が用いられず、「座席指定券」もしくは「指定券」の表現が用いられている。
- 2011年9月1日から座席指定車両12000系電車の使用を開始した。
- 難波駅-和歌山市駅間の標準所要時間は登場当時は54分だったが、その后は泉佐野駅以南で停車駅が増加していき、現在は最速で58分*3になっている。平日の朝夕ラッシュ時には急行並みの所要時間になる列車も存在する。