2021年4月15日、また、いってみにゃっておもっとった二川宿(ふたがわじゅく)にいってきた。吉田城でSKE48の熊崎晴香さんをモデルにつかった二川宿ポスターをみた1週間あとのこと。
〔電車で現地まで〕〔二川宿をあるく〕[乗車記録]
◇ ◇
電車で現地まで
さいしょは名鉄。ふるいから西尾線きたいきのあっかい電車にのる。まんだあさの通勤時間帯のうちで、乗客はたちきゃく7わりのこみよう。
しんあんじょうにつくてまえ、2分でのりかえの名古屋本線ひがしいきこおろぎ特急がでてっちゃうのをみる。
2番のりばにとうちゃく。橋上コンコースにあがって、ホームを移動。
5番のりばから名古屋本線ひがしいきこおろぎ特急にのる。座席は、あいとった先頭1号車1Aにすわっていく。ひだりまどがわはしらまえ。パノラマスーパーじゃないで、前面展望はない。1Aのまえに0Aってのがあるのもおもしろい。0Bはなくて、0Cと0Dにあたる部分はスーツケースおきば。このこおろぎ特急は、2005年のセントレア開港にあわせて登場したやつだ。
菅生川をわたって東岡崎に停車。
国府(こう)に停車。
車内清算、まわってこやへんじゃんかっておもっとったら、とよがわをわたるとこで車掌さんがまわってきて、特別車料金をしはらい。いよいよ豊橋のまちにはいっていく。
豊橋は3番のりばにとうちゃく。ホームにあるのりかえ改札機にマナカをかざして、橋上コンコースにあがる。豊橋は名鉄とJR東海の共同使用駅だで、これをやっとかにゃいかん。これからJR東海の電車にのりかえだ。
橋上コンコースから6番のりばにおりて、東海道線ひがしいき電車のとびらがあくのをまつ。電車は4両たす2両の6両編成で、ステンレス車体にだいだいいろの線がはいった313系。このえきが始発になる。となり7番のりばにとまっとる回送特急はワイドビュー伊那路につかうやつで、これもステンレス車体にだいだいいろの線がはいった373系。まどの部分のはばだけくろい塗装になっとるのが、313系とのちがい。
さて、とびらがあいてのりこんだとこで、事件発生。前面展望をたのしんでいかあっておもって運転室うしろにたっとっただけど、運転士さんがあからさまにいやなかおをする。ほれも、2回も。なにを運転のじゃまになることをしたわけでもない。名鉄ならありえんことだ。こころもからだも不愉快なきぶんにおおわれる。
さきに7番のりばから回送電車がでてったあとに、しゅっぱつ。名古屋方面からの電車をまっとったおかげで、5分おくれのしゅっぱつ。
左右いれかわってひだりの側線に留置された回送特急のわきをとおっていく。
豊橋鉄道の、さびさびのガーダー橋をくぐる。豊橋鉄道はこっからむきをかえて、渥美半島のほうにいく。
ひだり、ふみきりまちの自転車。
高架をおりてくる東海道新幹線がみぎにそってくる。
ひだり曲線をいくとこで、はんたい電車とすれちがい。こっちもむこうも313系。
さて、二川だ。たちのたかい橋上駅舎。上下の主線のそれぞれうみがわに、なか線またはまちあい線があるのがおもしろい。
貨物列車とすれちがいながら、ホームに停車。いかにもな東海道線のふうけいだ。
のってきた電車をみおくり。豊橋からここ二川までたったひとえきなのに6.9キロのきょり。
二川宿をあるく
二川のえきまえによこたわるみちをみぎにいく。これが東海道だ。東海道線のきたに平行する東海道をひがしにいく。ちょこっといって、みぎにふぜいのあるまちや。連子格子(れんじごうし)に帆前掛(ほまえかけ)ってかいた、こんいろのぬのがかかっとる。帆前掛ってのがみせのなまえか。ほれにしちゃあなんのみせをやっとるちゅうかんじもない。
帆前掛からちょこっといったとこで、ほれまであった中央線もなくなっていっきにみちがせばくなる。いよいよ二川宿だ。ただ、こんなせばいみちでも、クルマはひっきりなしにいきかう。
ひだりに、かわしんこと豊川信用金庫二川支店。ちなみに、とよしんをなのるのは豊橋信用金庫。
すすんで、信号交差点のみぎむこうかどに大岩町郷蔵あとのいしぶみ。ほのうしろに公衆便所。さらにほのうしろに二川交番。えきのとこにあった説明がきかんばんみてわかったことだけど、二川宿はひがしの二川とにしの大岩でなりたっとる。ここがほの大岩になるだ。こうやって公衆便所があるのも、たびびとにはたすかる。
この信号交差点を左折してきたにいったつきあたりに大岩神明宮。銅板ぶきの二重やねに水平ちぎとかつおぎのついた、堂々たる社殿だ。おまいり。
境内をでたとこで、保母さん引率の保育園児らとすれちがい。元気にあいさつしてくれるのがうれしい。
また東海道にもどって、ひがしにすすむ。いや、ほんとにクルマのとおりがおおい。ところで、いえいえの玄関にきわくの花壇があるのにきづく。まちやであるとないとにかかわらず、みせやであるとないとにかかわらず、きわくに大岩中まちづくり会ってかいた花壇がおいてあるだ。
ひだりに和洋菓子のかわいや。みぎにまちや。
「ひだり二川郵便局」っていう案内看板のでとる十字路を直進。すぐみぎにヤクルト二川宿センター。
ところでまた、きわくの花壇のほかに、常夜灯模型やこんいろののれんもいえいえにあるのにきづく。大岩町東まちづくり会ってかいた常夜灯模型がところどころにあって、二川宿ってかいたこんいろののれんがいえいえの玄関にかかっとるだ。まちやであるとないとにかかわらず、みせやであるとないとにかかわらず。ただ、みちの左右ところどころにまちやがあるってだけじゃなくて、こうやって統一的に連続してきわくの花壇やこんいろののれんがあることで、しっかり「しゅくばまちをあるいとる感」がある。
すすんで、ひだり、まちやのまえに西問屋場あとのいしぶみ。問屋場ってのは人足やうまを用意しといて、大名行列なんかのにもつをつぎのしゅくばまちまではこぶしごとをやっとったとこだ。ここ二川宿じゃあ二川と大岩の2かしょの問屋場が交代で問屋場をやっとったみたいで、この西問屋場は大岩のがわの問屋場にちがいない。
また、ひだりに豊橋商工信用組合二川支店。
みぎに新幹線のいくおとがきこえる。東海道からみなみにちょこっとはなれて、東海道線と東海道新幹線がならんではしっとるだ。
すすんで、みぎに御菓子司中原屋。
すすんで、ひだりにはたごや壺屋と、くに登録有形文化財西駒屋。はたごや壺屋はきふだにほうかいてあるだけで、現役のはたごじゃないみたいだ。このあたり、のきなみはたごやのきふだかかっとるだけど、しゅくばまち当時の屋号がかいてあるだ。このきふだもまた、「しゅくばまちをあるいとる感」をかんじさせてくれる。
みぎに二川宿本陣資料館。ところで、こぬかあめがふってきた。いったんこの資料館にはいったけど再入館することにして、こぬかあめもやんで、また、ひがしにあるく。とにかく、いっかいひとやすみしたかった。
ひだりに、木造かわらぶき2階だての越知歯科医院。まちやのつくりとはちがうけど、ふるいたてもんだ。現役の医院じゃないかもしれん。
ひだりに脇本陣。いまはふつうの住宅。
ひだりに紅林ビル株式会社の表札。むかしあったなんらかの事業所の門だけがのこっとって、ほの門にこの表札がでとる。しきちのおくにちいさめの集合住宅がいくつか。
ひだり、二川宿まちなか公園っていう小公園。
すすんで、みちがひだりにへこんだとこで駒屋。「二川宿商家駒屋」っておおきくかいたこんいろのぬのもでとって、なかにはいってみる。
なかはおもいのほかひろびろしとる。ひろびろしたしきちのなか、東海道に面したまちやづくりのおもやのおくに、たてもんがいくつかたっとる。移築してここにあつめてあるもんか。
蔵ギャラリーってのがあって、はいってみる。いや、はなやかなこと。豊橋のひとが京都祇園の芸者田ね文(たねふみ)さんのおっかけをしとって、ほの写真がかべにずらーってならんどる。ほかに書もあって、説明してくれる。伝統にとらわれん書体で、ひとをあかるいきもちにさせる書だっていう。なるほどほんなかんじもする。
また、たわむれにかいたっていうかんざしのえもおもしろい。かんざし(簪)っていう漢字の部分部分で、芸者さんのかおがかいてある。竹かんむりでまゆげ、无(む)ふたつでめ、日でくちをかいてある。
蔵ギャラリーのおくの、ふたこまやっていうみやげもんやさんにはいる。まずめにはいったのが帆前掛(ほまえかけ)。むかしやおやさんとかがかけとった、あのまえかけだ。ほれが帆前掛っていうなまえだった。えきからあるいてきてさいしょにみた帆前掛は、みせのなまえじゃなかった。ほこのうちのひとがきにいって、かざりに連子格子にかけとっただ。みせばんのおねえさんが、この帆前掛が豊橋の特産だっておしえてくれる。いやー、しらんかったわー。さらにおねえさんがふでやさしこ、うずらたまごっていう、いろいろある豊橋の特産の説明をしてくれる。ふでとうずらたまごはしっとったけど、さしこも豊橋の特産だっただ。こんなにいいもんがいっぱいあるのに、豊橋のひとは宣伝がへたですよねって、おねえさんがなげく。さしこは、あの、てづつはなびのひとたちがきとる衣装の生地だ。こうやってあらためてみてみると、けっこうかっこいい。おねえさんは瀬戸の出身だったけど、豊橋のひとはうずらたまごをようけたべるのかきくと、やっぱりほのとおりだ。
なにで二川宿のことをしったのかってきかれて、SKE48のポスターみてきただってこたえると、ここにもポスターありますよっていってわらってくれる。
このたてもんのことをきくと、駒屋の時代からあったもんだっていう。もともとあった土蔵に必要な補修をほどこして、ふたこまやとしてつかっとるっていう。ほかのたてもんもぜんぶほだっていう。いや、移築してここにあつめてあるもんじゃなかった。もともとこんなひろびろとした配置だっただ。さいしょにはいった蔵ギャラリーが南土蔵で、このふたこまやが中土蔵、このさらにおくの蔵カフェこまやとしてつかっとるたてもんが北土蔵だった。さらに、東海道に面するおもやと南土蔵のあいだに、はなれざしきがある。はなれざしきはおもやよりいちだんたかくつくってあるだけど、みせの主人がはなれざしきにいながらにしておもやでやっとるみせのようすがわかるように、ほういう設計にしただっていう。
記念にふたこまやのまえで写真をとりたいなっておねえさんにいうと、じゃあ帆前掛をつけてとるといいですよってことで、にわかやおやさんになって写真をとってもらう。
ふたこまやにはいりなおして、じぶんへのみやげにさしこのご朱印帳ぶくろをかう。ほんとにこのおねえさんにであえて、よかった。
さて、蔵カフェこまやでコーヒーのんで、ひとやすみ。やっとひとやすみだ。代金は、二川宿本陣資料館のわりびき券をつかって100円びき。
いったん、ふたこまやと蔵カフェこまやとのあいだからひだりにでれるようになっとる門をでて、いしだたみのこみちと土蔵のふうけいをたのしむ。
駒屋のしきちにもどって、はなれざしきを見学。廊下のガラスはゆらゆらガラス。
はなれざしきいちばんみなみのへやにすわって、おもやをみてみる。なるほど、みおろすかたちになっとって、ようすがようわかる。
おもやが1814年の建築であること、駒屋は米穀商と質屋をやっとったことをかくにん。
また、ひがしにあるいて、新橋川っていうちいさなかわにかかる新橋(しんばし)をわたる。
ひだりに二川八幡神社。みぎに旬菜和食江戸屋長左エ門。二川宿本陣資料館でもらった地図をみて、ここでひるごはんにせえっておもっとっただけど、ざんねんながらコロナさわぎのため、ひる営業は休止中。
また、ひがしにあるいて、ひだりT字のてまえ、ひだりに川口屋。ひだりT字をすぎたみぎに西川米穀店。川口屋の東南かどに一里塚あとのいしぶみ。日本橋から72里ってかいてある。ここが二川宿のひがしのはしだ。
さて、このひだりT字で左折して、東海道をはなれる。きたにすすんで、みぎ、JA豊橋産直プラザ二川のしきちないにあったヤマサちくわ二川店で、うちへのみやげにちくわとはんぺいをかう。豊橋っていやあ、ヤマサのちくわだ。
さらにきたにすすんで、信号交差点を左折。東西のおおどおりをにしにいったひだりがわ、サンセットっていう喫茶店にはいって、やきにくランチ。ここも二川宿本陣資料館でもらった地図にあったみせだ。
東海道にもどって、あとまわしになっとった二川宿本陣資料館を見学。本陣のたてもんが東海道にきたに面してあって、資料館のたてもんはほのみなみがわにある。
本陣のひがしに隣接してはたごも再現してあって、はいってみると、女中のもってきてくれたゆおけをまえに、たびびとがわらじをぬいどるとこ。ながたびでよごれてくたびれたあしを、このゆですすぐだ。すてきなおもてなしだ。
本陣の、おくのおくのおくまですすんで、やっと上段のまにたどりつく。どんなみぶんのたかいひとが、ここにとまったのか。
まちあるきをおえて、とちゅう御菓子司中原屋によって、うちへのみやげにふく福っていうひとくちようかんをかって、えきにもどる。
(さんこう)
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- 問合せ:商家駒屋(☎41-6065)
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