あ、はしらがいっぱい。ふつうかねつきどうは4すみに1本づつ、ぜんぶで4本のはしらでたっとるだけど、この憶念寺(おくねんじ)のかねつきどうははしらがいっぱい。ようみると、4すみに3本づつのはしら。ほいで、それぞれのすみの3本はかねのてに配置してある。強度をたかめるためにちがいない。4すみかける3本で12本。いや、12本あしのかねつきどうって、はじめてみるきがする。
山門のおくに本堂がみえるのはおてらとしてふつうだけど、この憶念寺の山門はコンクリート製。とくべつかざりっけもなくて、すっきりした外観だ。
ひだりに「定礎」の銘板がうめこまれとって、「西紀1971年春」ってかいてある。おてらで西暦表記ってめずらしいだけど、わかりやすくてうれしい。
かねつきどうのちかくに、稲垣国三郎の銅像。稲垣国三郎は、憶念寺のあるふるいの出身の教師で、沖縄に赴任しとるときに「しろいけむりくろいけむり」の文章をあらわしたことで有名なひとだ。こんなとこに銅像があるとはしらんかった。しろいけむりは、大阪にでかせぎにでるむすめがのったふねに、としおいたちちとははが、みおくりのしるしにたいたたきびのけむり。くろいけむりは、むすめがのる汽船がはくけむり。おやこのせつないきもちがつたわってくる。
〔2020年4月19日訪問〕
(さんこう)
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